だいぶ長いこと放置していました…
投稿していなかった間に色んなことがあり、
引っ越ししたり、忙しくなったりと様々でしたが。
ようやく腰を据えて趣味活動ができる時間が少しずつ増えてきました。
これまで自分の好きな曲を紹介してきましたが、
少し方向性を変えた投稿をしようと思います。
知ってる人はどれだけいるかわかりませんが、筆者自身も音楽を嗜んでいます。
今後は不定期ではありますが、自分のしている音楽活動を紹介していければと思います。
音楽活動にもいろいろ形がありますが、筆者は主に、
1)DTM音源同期パフォーマー(After goat)
2)弾き語り(本名)
この二つで活動しています。
↓わかりやすいのはこちらの例
1)After goat
2)本名の長濱裕基
どちらも同じ曲ですが、雰囲気が少し異なりますね。
どちらのスタイルも大好きです。
今回はこちらの楽曲の徹底解説をしていきたいと思います。
楽曲徹底解説Vol.1
「白夜」
ライブでの定番曲となっている、多分今まで一番演奏してきた曲です。
6分超のバラード。なげぇ。
〜Chapter 1. 生まれたきっかけ〜
この曲は今から3年前、ちょうどコロナ全盛期に完成した曲です。
原型はそれより2年ほど前、
弾き語りを始めて、自作曲をやるようになってしばらくしたくらいに作り始めました。
テーマは「孤独」。
ひとりぼっちの悲しみを表現した曲となりました。
元々筆者は当時一人の時間の過ごし方がわからなくて、
特にライブ活動をしていると音楽仲間達と楽しい時間を共有したのに、
その後一人で帰る時に何ともいえない虚しさをすごく寂しく感じていました。
(まぁ今はほぼないです)
人間誰しも孤独には勝てないよなぁと思い、
楽しい時間が終わって一人で家に帰るときの虚しさを歌詞にして曲を作っていました。
メロディ自体もそこまで変にはならなかったので、意外といけそうと感じたのですが、
筆者はこの曲を一度「封印」しました。
理由は一つ。
「30代の男の孤独とか聴いてられねぇ」からです。
もちろん古来より男の悲哀を歌った名曲は数多く存在します。
個人的に一番男の孤独を感じる曲です。
ところが作詞をしていく中で、どんどんと内容が女々しくなってきて、
表現や描写はともかく、こんなことを考えていると思われると気になって歌えないなと。
そもそもこれは表現活動をしている人間にはあるあるなのですが、
自分の思いを素直に表現しているものほど小っ恥ずかしいものでして。
何でもかんでもありのままをレリゴーできるわけではないです。
(だから少し表現を捻ったりする、照れ隠しみたいなものですね)
こうして一時期封印していましたが、
ある時、一つの妙案を思いつきました。
「主人公を女性にして、歌詞の内容を変えたら歌えるのではないか?」
そうして歌詞の内容を修正し、歌ってみたところ、
これまで作った曲の中でも割といい反応がありました。
結構嬉しかったですね。
女性の演者さんやお客さんの中でも、
「この曲好きです」と言ってくれることが多かったのが印象的でした。
(そもそも筆者の音楽はあんまり人受けしないし、陰キャなのでこういう言葉をもらいやすい人でもないです)
〜Chapter 2.歌詞解説 〜
それでは歌詞の解説を書いていきます。
以下に歌詞載せてます。
何気に歌詞を公開するのも初めてなんだよなぁ。
白夜
誰もいない一人の夜は空気が重たくって動けない
ひとりぼっちが板について 「寂しい」って感情もどこか行った
悲しいことなんて何もないのに楽しいとは何故だか言えなくて
幸せごっこならできるのに幸せとはどうしても思えない
氷の溶けたグラス 部屋に響いている 空気清浄機の音
「心で繋がってるよ」なんて ありふれた言葉じゃなくて
今すぐ私の部屋に来て抱きしめてよ
距離なんて関係ない この吐息が聞こえるくらいに
今すぐそばにきて
誰かの悪口を言った日は自己嫌悪に陥って眠れない
暗い曲ばっかり好きになって 自分が作ったご飯が嫌いになる
枝毛が増えた髪 あの時やめ損ねた セーラムの1mg
「またいつか会おうよ」なんて ありきたりな言葉じゃなくて
「また」も「いつか」も『今』にして会いにきてよ
理由とか必要ない 溶け合って一つになるくらい
ずっと ずっと そばにいて
こんなに辛いなら夜なんてならなくていい
こっちから朝を迎えにいければいいのに
あなたじゃなくていい 誰だって構わない
今夜は「ふたりぼっち」でいさせてよ
「心で繋がってるよ」なんて ありがちな言葉じゃなくて
今すぐ私の部屋に来て抱きしめてよ
距離なんて関係ない この吐息が聞こえるくらいに 今すぐそばにきて
「またいつか会おうよ」なんて 反吐が出そうな言葉じゃなくて
「また」も「いつか」も『今』にして会いにきてよ
理由とか必要ない 溶け合ってぐちゃぐちゃになるくらい
ずっと ずっと そばにいて
今夜だけは 夜を忘れさせて
是非とも上の動画リンクから視聴してみてください。
「白夜」というのは、
『太陽が沈んでも暗くならない現象』のことで、
主にアイスランドやアラスカなどの地域で体験できるらしいです。
この曲の舞台は夜。
部屋で一人の時間を過ごしている女性をテーマにしています。
夜が孤独を深めてしまうなら、いっそ夜にならなかったらいいのでは?
夜になっても明るければ寂しくないのでは?
そんな祈りのような思いを歌詞にしました。
登場人物の女性は、集団でいるときは楽しく賑やかに過ごせるけれど、
一人暮らしの家に帰るとすごく寂しがりになる。
一見強そうだけれど、一人の時は弱いみたいな、
そんな女性像を想像しながら歌詞にしました。
一番:寂しい夜について
多分それほど報われていないこともなく、それなりの生活はうまくやれている。
おそらく友人関係も希薄ではないし、頼り頼られて生活できている。
でもその生活が幸せなのかと言われたら、「幸せ」とは言えない。
最初から誰もそばにいないんじゃなく、誰かと過ごした時間があるから孤独を感じる。
「ひとりぼっちが板について」というのは、
なりたくないひとりぼっちを繰り返していく中で身につけていったみたいな表現で書きました。
「氷の溶けたグラス」「部屋に響いている空気清浄機の音」の歌詞は、
彼女の孤独な生活の様子を一言で書いてみました。
片付けられることもなく氷が溶けてしまったグラス(多分アルコール)、
空気清浄機が響くほど生活音が少ない環境、
ただ寂しいと書くよりも、もっと無機質感が出せるかと思い、書きました。
「距離なんて関係ない」「吐息が聞こえるくらい」の歌詞は、
実はコロナ禍の出来事も影響しています。
あの頃はソーシャルディスタンスが叫ばれており、
飛沫感染を防ぐために誰もそばにいることができなかった。
吐息が聞こえる距離に、人と人がいること自体できなかったですよね。
その頃の時勢が歌詞に影響していたと、こうやって書き出してみると思い出します。
二番:彼女の生活について
うまく人と関わろうとする中で、ふと感じる寂しさを歌詞にしました。
「自分が作ったご飯が嫌いになる」という歌詞は筆者の一人暮らしの体験も混ざってて、
なんか自分のためだけにご飯を作る行為ってそれほど一生懸命になれないというか。
誰かのために作るご飯ってそれだけで価値があるように感じます。
まぁそれもやり続けるとめんどくせーってなるんでしょうが笑
一回一人暮らししてる時に不意に餃子が食べたくなって、
なれない手つきで一人で60個ほど餃子を包んでたらものすごく虚しくなったことがあります。
こういう時に哲学が生まれるんだろうなぁと感じました。
「あの時やめ損ねたセーラムの1mg」、
過去の体験で、一人になることに強く不安を感じるようになってしまったのか、
昔の寂しくなかった時の名残でやめられず吸っているのか、
彼女は寂しさを知っている、つまり楽しい時間を経験している人なので、
こういう表現をしてみました。
ちなみにセーラムとはセーラムピアニッシモというタバコの銘柄です。
※
余談ですが、この曲をやり始めた頃、ここの歌詞を聞いたお客さんから一言、
「セーラームーンの1ミリって何ですか?」と言われたので、
きちんと言い切るように歌い方を変えたりしています。
「またいつか会おうよ」の、
「また」も「いつか」も『今』にしてという表現は、
この曲の最初の方で出てきたフレーズです。
僕は歌詞を書く時、少しずつ小説を書くように作るタイプではなく、
「このフレーズ歌いたい!」っていう歌詞を考えて、
そこから歌詞を派生していくというやり方で作詞していることが多いです。
個人的にこのフレーズと、後半のあるフレーズを思いついた時に、
「あぁ、この曲は多分大丈夫だ」と思いました。
多分いろんな推敲は重ねるだろうけど、一貫性のある歌詞が書けるだろう、
そういう予感がしました。結果どうなったかはわかりませんが。
Cメロ:感情爆発&タイトル回収
「こんなに辛いなら夜なんてならなくていい」という歌詞、
これが「白夜」のタイトルの由縁です。
要するに孤独な感情が爆発するから、早く朝になれや!という気持ちです。
「あなたじゃなくていい 誰だって構わない」というフレーズですが、
ここは行きずりの相手でも良い、誰でもいいという軽い感じではなくて、
自分のことを孤独じゃなくならせてくれるならどんな人でもいいというイメージです。
→そういう誰とでも寝れるみたいな割り切り方ができないから孤独になっている
「今夜はふたりぼっちでいさせてよ」
このフレーズが先ほど話していた後半のフレーズです。
曲調的にも一番の盛り上がりの時の歌詞なのでどんな歌詞にするか悩みましたが、
このフレーズのおかげできちんと形になりました。
最後:赤裸々な感情表出
「反吐が出そうな言葉」「ぐちゃぐちゃになるくらい」など、
最後のサビはこれまでより表現を赤裸々にしました。
この曲は自分の抱える孤独や、悲しみや虚しさを切々と語り、
最後はしっかりと表出する形になっています。
何となくですが、
一番や二番の彼女は、人とうまくやろうとしていますが、
徐々に夜が深くなって、一人で抱えることがしんどくなって、
体裁を保っていられなくなるというか、なりふり構っていられないというか、
そういう不安定な感じを表現したかったのかもしれません。
〜Chapter 3.まとめ 〜
久しぶりに長く語りました。
いろんな音楽家の方々もおっしゃられていますが、
楽曲の解説なんて野暮なこと、本当はやらない方がいいのだと思います。
その楽曲を聴いて、どう感じるかは聴いてくれたお客様なので。
作り手が「この曲はこう聴いてほしい」とか注文を付けると私情が加わるので、
本当は何も語らずが一番格好いいのかもしれませんが。
この「白夜」という曲を作ったのは筆者です。
歌詞もメロディーも自分で作りました。
でも自分が望んでいるほど多くの方に届いているとは思っていません。
大企業の新製品は売り込むためにたくさんのCM を広告として打ち出します。
何十回、何百回と試作やプレゼンをしています。
自分の作った楽曲が、少しでも多くの人に届くためにどれだけのことをしているか。
アーティストにとって、作品は子供です。
自分の子供のプレゼンをして何が悪いか!笑
まぁそこまで考えて書いたわけではないのですが、
せっかくこういう風に広げていけるツールがあるんだったら、
いろんなことをしながら自分をしてもらおうと思い、今回楽曲解説をしてみました。
長文すごく長いと思いますので、全部読まなくていいです。
でもできれば1回くらい視聴してくれたらありがたいです。
んでもってライブとかに遊びにきてくれたら最高です⭐️
今回はここまで。
After goat、弾き語りで作った曲はかなり多いので、
また気が向いたら楽曲徹底解説やりたいと思います。