赤松賢一さんが代表を務める株式会社メガカリオンについて

赤松賢一さんが代表を務める株式会社メガカリオンについて

iPS細胞から血小板を作る輸血医療のイノベーション

メガカリオンが目指す血小板製剤量産の基本となるのが、東京大学・京都大学で開発したiPS細胞から血小板を産生する技術です。
東大と京大の研究グループは、iPS細胞を血小板の元となる巨核球を大量に増殖させる方法を見出し、血小板の量産化への途を開きました。
当社はこの技術の特許を独占的に使用する権利を得て、血小板製剤の大量生産を実現するための研究を続けています。

大量生産の要となる巨核球(megakaryocyte)

iPS細胞から血小板をつくる過程で、ポイントになるのが血小板の元となる巨核球(megakaryocyte)で、当社の社名(megakaryon)の由来でもあります。
血小板は常温で4日ほどしか保存がきかず、冷凍すると機能が失われてしまうことから安定供給のネックとなっています。
東大・京大技術は3つの遺伝子を用いてiPS細胞から凍結保存可能な不死化巨核球(細胞)株を樹立し、この巨核球細胞から機能を持った血小板を大量に作りだすことに成功しました。この技術的ブレークスルーをベースとし更なる改良を積み重ね、現在、機能を持った血小板を必要に応じ量産化する技術の開発にめどをつけています。

病原リスク、ガン化リスクのない安全な血小板産生の実現へ

量産化に加え、この技術の優位性は2つの「安全性」にあります。
まず1つめは、献血による輸血には必ずつきまとう細菌やウイルス感染などの病原リスクがないことです。無菌下における細胞の複製によって量産化を可能にするこの技術では、マスター細胞の安全性を確保し、厳密に製造を管理することが可能となり、病原リスクをほぼなくすことができます。
もう一つは、iPS細胞による再生医療の大きな課題であるガン化リスクがないことです。すなわち血小板自体は核を持たず増殖する能力はないこと、製剤化にあたり放射線照射が可能なことから、ガン化するリスクはありません。
安全性を高い次元で達成することは、私たちが目指す第2の輸血イノベーションの大きな目的でもあります。

稀血、少数タイプのHLAドナーも将来にわたって安定供給を確保

稀なタイプのHLA型の血小板の輸血を必要とする患者の場合、HLA型の一致するドナーからの継続した血小板の確保が非常に困難となります。
当社の技術によって、このような稀なタイプのドナーからiPS細胞を樹立し、樹立したiPS細胞から当社の技術を用いて凍結保存可能で大量に増殖できる巨核球株を準備すれば、こうした患者に対しても、将来にわたって安定的に供給を確保することができます。

特許について

当社では、東京大学や京都大学等にて発明されたiPS細胞から血小板を産生する技術に関する特許を独占的に使用することのできる契約を締結しています。
これらの特許のうち、すでにいくつかの特許が複数の国で成立しています。今後これらの特許のさらなる権利化と戦略的な活用を図ってゆくとともに、新たな発明を生み出し、特許を順次取得していく予定です。

 

http://www.megakaryon.com/technology/より抜粋