私はオブジェ
いつもここにいる。
とても 人見知りだ
私は一体 なにものだろうか
そんな疑問を抱えた時から
感情が備わった 。欲望も。
動きたい
目の前の像に話かけたい
あの子に恋をした
でも
私自身の説明が出来ない
作者しか知らないから
私自身の過去がない
作者しか知らないから
ただ 目覚めたとき いや、
意識が埋め込まれた時から
目の前の君に恋をしている
それだけしか
私には分からない
明日 あの子は他の美術館に移される
次に見物客が来たら伝えよう
目の前の像へ 私の気持ちを届けてもらおう。
私はオブジェ
いつもここにいる
とても愛しているのだ。 と
見物客は通りすぎていく
次が来たら 次が来たら
日は暮れる
そっとオブジェの
固想い。
