日本文学で一番好きな作家、遠藤周作の本。

これを読むことになったきっかけは中三の時の国語の問題集で見たから。

私は歴史とノンフィクションが好きなのだが、これはものすごく印象に残っている。

というのは、戸田の大人に対する冷めた感覚と上田のヒルダに対する嫉妬心が、

当時中三の私にはなんとなくわかるような気がしたから。

書評では「西洋の感覚と東洋の感覚の違い」とか書いているけど、

私自身は「人には汚い感情を持ち合わせているものもあるが、

それは本人周辺の環境によるものだ」であり、

そして「戦中の暗い世相の中でも勝呂の感情、やり方がよくなかったと思うが

ヒルダの人間を思う気持ちがキラリと光っているというところにある種の

光を見いだせた」というのが印象として残ってる。

つまりは冷めた空間の中にも温かな感情や優しさがあって、こんな世知辛い世の中でも

失望したりしてはいけないということかな。