「おっちゃん王国」NTG(大人になりきれないおっちゃん)のブログ -27ページ目

仕事で、ある駅にいたときのことです。

仕事で、ある駅にいたときのことです。
ホームで電車を待っていたわたし。陽気のいい、とても暖かい日でした。
田舎とまではいかないけれど、少し寂しいところです。向かいのホームには誰もおらず、同じホームにも、わたし以外には、サラリーマン風の体格のいい中年男性が一人いるだけです。
もともと本数の少ない電車は、なかなか来ません。
あと2分ほどで電車が来るという時、男性が自動販売機で何かを購入したみたいです。
電車がやってくることを知らせる放送が聞こえてきました。
男性は、自動販売機の前にしゃがみこんでいます。大きな体を折り曲げて、取り出し口に手を突っ込んでいる姿が見えました。
どうやら、飲み物が取れずに悪戦苦闘しているようです。不器用そうな手つきでペットボトルを取ろうとするのですが、金属製のフラップの下で、十六茶はその場で回転するだけです。
ガシャン、クルクル。
ガシャン、ガシャン、クルクル、クルクル。
電車が来ました。十六茶は、回り続けています。文句一つ言わない男性は、汗ダクです。
まばらな乗客を乗せた電車のドアが開きました。

取れるのか?取れないのか?
十六茶の運命や、いかに!?

どうするんやろ?コレ逃したら、次のヤツ、めっちゃ待たなあかんのに・・・・・・。
シートに腰掛けたわたしは、十六茶のオッチャンを見守ります。
最高の結末を祈りながら・・・。

いよいよ、発車の合図が鳴り響きます。
男性がダッシュで飛び込んで来ました。
真っ赤な顔には、大粒の汗。首筋の髪の毛がベタベタです。
電車が発車しました。
一本の十六茶を置き去りにして・・・・・・。

予想通りの結果に満足のわたし。春の陽気に、心も浮かれ気味のようです。
わたしは、カバンから取り出した冷たい十六茶を一口飲みました。車窓の景色を見ながら、笑みがこぼれるのを止めることができませんでした。