待ちに待ったこの日がやってきた。
午前中は義理の家族とともにリラクゼーション温泉に。
午後は仕事で夕方まで時間があかず、“迎え”に行ったのは午後5時半ごろになっていた。
『準備してありますよ』とショップのご主人の言葉に促され、店を出て回り込んだところにヤツが待っていた。
ブラックで統一されたタイトなボディとドロップハンドルの計算し尽くされた曲線美に目が奪われた。
前輪の外し方やシートポジションのセッティング、ギアチェンジ、空気圧などバイクの仕様や機能、乗車前点検の説明を受けたが、いっぺんに覚えられるわけもなく、ご主人の『何かあったら店に来てください』の言葉で『ま、いいか』。
とりあえずシートポジションだけ見てもらい、ペダル込みの値段をキャッシュで支払っていざ出発!
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こぎ出してから十数秒。ドロップハンドルと角のようにせり出したブレーキ、ハンドルのエンド部分に装着されたギア。初めて尽くしの操作に大いに戸惑いながら、『あれ、こんなものか?』
と一瞬でも思った自分がバカだった。
スピードが上がるにつれ、五感すべてが『これは違うぞ』とサインを発してきた。
風の感触が違う。風景が違う。ペダルを回す足の裏から受ける負荷が違う。
いままではペダルをこぐ力がどこかに逃げていたと気付いた。
ペダルを回すパワーがロスすることなく、そのままタイヤとの接地面に伝えられている。
とにかく、気持ちいい。
前傾姿勢に早く慣れ、自分の思う通りにこいつを操りたい。
あしたは最近足が遠のいていた河川敷のサイクリングロードにこいつを“デビュー”させよう。
とりあえず、保管場所は玄関。