国際部門に勤務していた時からだから、かれこれ6年以上に渡り、同一人物(同一会社?)からの投資用マンションの電話勧誘を受けている。


その男は、基本的に「小田」と名乗り職場に電話をかけてくる。前の職場では、私以外の人間も標的にされいて、あまりの勧誘回数の多さと断っても再三勧誘してくる強引さに辟易し、NTTの「迷惑電話お断りサービス」を契約して「小田電話」を着信拒否にしたくらいである。異動してから暫くは電話のない平穏な日々が続いていた。オフィスの移設で4年前と2年前に電話番号が変更になったことも幸いしたはずである。


「小田電話」が再開したのである。


「小田さんからです」と電話を取り次いで貰った時の一瞬の判断を誤った。もう解放されたのだろうと安心していた隙をつかれた。真面目な私からしてみれば「カフカ的」世界の始まりである。

 私「どちらの小田さんですか?」

 小田(以後、「小」)「メガ※■△★・・」

 私「はい?!聞き取れませんが?」

 小「今日は、節税と老後の収入になるお話をさせていただいておりま・・」

 私「不動産販売ですね。関心がないので結構です。」

 小「そんな話はしてないじゃないですか。人の話を聞きなさいよ。」

 私「投資用マンションの販売でしょう?違うんですか?」

 小「あんたが人の話を聞いていないと言ってるんです。」

 私「どうでも良いんですけど、忙しいので切りますよ。」

 小「こちらも忙しのにわざわざ電話をしているんですよ。勝手なことを言わないでください。」

 私「私はマンションを購入する気持ちはありません。時間の無駄でしょう。」

 小「私が、マンション販売っていつ言いましたか?」

 私「違うんですか?」

 小「だから会って話しましょう。最寄り駅はどこですか?」

 私「会いません。会議があるので切ります。二度と電話しないでください。」


以上は要約版。早々から小田は「キレ」ている物言いになっている。いったん切っても再三かけ直してくる。


 職場であるので酷いことも言えず、取り次いでくれる社員に迷惑をかけるのも申し訳ない。相手も承知でつけ込んでいるのだろう。「小田」の素性(所属会社)が判明すれば宅建業法を楯に監督官庁に申し出もできるのだが、この辺りも当然承知のことだろう。新しいオフィスの電話では「迷惑電話お断りサービス」が利用できず、当面は「取り次がない」ことで職場内でお願いした。

 その後、一日に3回以上の「小田電話」が継続的にかかってきている模様である。時には「木村」とか名乗るようだが、「すぐにわかります(笑)」とは取り次いでくれる派遣社員さんの弁である。頼もしい。