指定暴力団稲川会の本部事務所移転問題を巡り、移転先とされたビルのある東京都港区赤坂の住民ら157人が事務所の使用差し止めを求めた仮処分申請は24日、東京地裁(針塚遵(じゅん)裁判長)で和解が成立した。稲川会がビルを事務所として使用しないことを確約し、ビル所有者は速やかに暴力団関係者以外の第三者に建物や土地を売却するよう努力することなどが和解の内容。

 稲川会総本部追放弁護団の村上泰団長は「不安を抱いてきた住民が安堵(あんど)できる内容となった。来週にも住民説明会を開きたい」と語った。一方、稲川会の代理人は「もともと赤坂のビルを事務所として使う予定はなく、はっきりした形で移転しないことを示した方がいいと判断し、和解することにした。今後も、現在の六本木から本部を移転するつもりはない」と話した。