10日午前4時ごろ、福岡県久留米市新合川1の造園会社事務所1階出入り口付近で手りゅう弾のような物が1個見つかった。さらに同日午前7時過ぎに、同市高良内町の産廃処理業者の敷地内に止めていたマイクロバス内でも手りゅう弾のような物があるのが一つ見つかった。いずれも爆発はしておらず、けが人はいなかった。県警は手口が似ていることから同一犯が投げ込んだとみて、指定暴力団・道仁会(久留米市)と同・九州誠道会(同県大牟田市)の抗争との関連を調べている。県警は10日午後にも誠道会の関係先を家宅捜索する方針。

 県警によると、二つはいずれもこぶし大で対人攻撃用のタイプと同型という。最初の手りゅう弾は造園会社1階の出入り口ドアのガラスを割って投げ込まれたとみられ、同社に設置していた警備システムが反応した。駆けつけた警備員が手りゅう弾を発見。この会社の従業員は取材に対し「なぜ投げ込まれたか分からない」と話している。

 また、2件目の現場は約3キロ離れた会社事務所の敷地内で、駐車していたマイクロバス車内に手りゅう弾が投げ込まれたとみられる。マイクロバスの所有者が運転席の下付近で見つけ、県警久留米署に通報した。所有者は「バスのガラスが割られているので車上荒らしかと思った。事件に心当たりはない」と話している。この現場近くには元道仁会幹部の自宅があるという。