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日本は世界一の原子力密集地帯であり、建設予定を含めた大規模な原子力発電所群は、青森、静岡、福井、新潟、福島にある。
合計定格出力は、それぞれ6600メガワット、6100メガワット、14400メガワット、9000メガワット、13000メガワットである。
この様な原子力発電所群が地震やテロで壊滅した場合、放射能汚染でアジアの風下地域が永久立退き対象になる。

放射線は、私たちの身体の細胞を構成する原子や分子を電離することによって危害を与える。
この電離の影響が何時間後、あるいは何年後に現れるのかは、通常その被爆量によって決まってくる。
私たちが少量の放射線を繰り返し浴び続けても、その長期的な生物学的影響(癌、白血病、遺伝障害)は、一度に多量の放射線を浴びた時と同じように現れてくる。

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ヨウ素131が人体へ及ぼす影響
ベータ線による甲状腺被曝が大きな問題となる。半減期は8日。
1万ベクレルを飲み込んだ時の内部被曝線量は220マイクロシーベルトになる。
1メートルの距離に100万ベクレルの線源があると、ガンマ線によって毎時0.06マイクロシーベルトの外部被曝を受ける。
チェルノブイリ原発事故では、30京ベクレルのヨウ素131が放出され、被曝者の甲状腺癌が多発した。

セシウム137が人体へ及ぼす影響
ガンマ線による被曝が問題となる。半減期は30年。
1万ベクレルを飲み込んだ時の内部被曝線量は130マイクロシーベルトになる。
1メートルの距離に100万ベクレルの線源があると、ガンマ線によって毎時0.1マイクロシ-ベルトの外部被曝を受ける。
チェルノブイリ原発事故では、広い地域が1平方メートルあたり50万ベクレル以上のセシウム137で汚染された。
そのような場所では、セシウム137のみから1年間に1000マイクロシーベルト以上の外部被曝を受ける。
事故直後は、多量の内部被曝により年間10000マイクロシーベルトをはるかに超える線量を受けていた。

ストロンチウム90が人体へ及ぼす影響
ベータ線による被曝が問題となる。半減期は29年。
1万ベクレルのストロンチウム90を飲み込んだ時の実効線量は280マイクロシーベルトになり、1万ベクレルのストロンチウム89を飲み込んだ時は26マイクロシーベルトになる。
二つの場合で線量が約10倍違うが、その原因はベータ線エネルギーと半減期の差による。
皮膚表面の1cm2に100万ベクレルが付着した時には、その近くで1日に100000マイクロシーベルト以上の被曝を受けると推定される。

プルトニウム239が人体へ及ぼす影響
アルファ線による内部被曝が問題となる。半減期は2万4000年。
1万ベクレルを吸入した時の内部被曝線量は83000マイクロシーベルト、飲み込んだ時の内部被曝線量は90マイクロシーベルトになる。
その差は大きいが、原因の一つは飲み込んだ時は体内に吸収されにくく、吸入した時は肺などに長く留まることにある。
体内に取り込まれた時の生物学的半減期は、骨で50年、肝臓で20年、生殖腺ではさらに長いと考えられている。

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日本では、年間5000マイクロシーベルトの被曝を超える原発労働者には、白血病労災を認定している。
毎時2マイクロシーベルトの場所に24時間留まると、累積で528マイクロシーベルト被曝する(外部被曝48+内部被曝480)
ここに1ヶ月留まると、胃のレントゲン撮影26回分を被曝することになる。

ベクレルからシーベルトに換算する方法

200ベクレル/kgの放射性セシウム137が検出された飲料水を1kg飲んだ場合の幼児の将来への影響は、
200ベクレル×0.13(*) = 26マイクロシーベルト

300ベクレル/kgの放射性ヨウ素131が検出された飲料水を1kg飲んだ場合の幼児の将来への影響は、
300ベクレル×0.22(*) = 66マイクロシーベルト

200ベクレル/kgの放射性セシウム137が検出された飲料水を1年間に250kgずつ3歳から4年間飲んだ場合の幼児の将来への影響は、
200ベクレル×0.13×250×4 = 26000マイクロシーベルト

300ベクレル/kgの放射性ヨウ素131が検出された飲料水を1年間に250kgずつ3歳から4年間飲んだ場合の幼児の将来への影響は、
300ベクレル×0.22×250×4 = 66000マイクロシーベルト

* 実効線量係数(経口):放射能の単位であるベクレルから生態影響の単位であるシーベルトに換算する係数。
核種、化学形、摂取経路、年齢により規定される。

セシウム137の変換係数(マイクロシーベルト/ベクレル)は、胎児で3.2、0歳で0.32、1~14歳で0.13、15~大人で0.065。
ヨウ素131の変換係数(マイクロシーベルト/ベクレル)は、胎児で5.5、0歳で0.55、1~14歳で0.22、15~大人で0.11。
......欧州放射線リスク委員会(ECRR)の勧告から引用

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WHOが定めた水道水の放射線基準値は
 ヨウ素(I-131)    10(ベクレル/L)
 セシウム(Cs-137)  10(ベクレル/L)

コーデックスが公表している国際貿易上の食品の放射線基準値は
・ヨウ素(I-131)     100(ベクレル/kg)

公衆に対する放射線量の限度(ICRP)
年間1000マイクロシーベルト.........国際放射線防護委員会の勧告(ICRP Publication 26,1977)による

*自然界から受ける放射線を除く


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チェルノブイリ事故後の周辺地域の避難基準
年間1ミリシーベルトを超える地域の住民には、移住権利が発生する。
年間5ミリシーベルトを超える地域の住民には、移住義務が発生する。