SATISFACTION IN MY LIFE -2ページ目

詐の欺

 ちっ。今日イヤなヤツと出会った。 まあ、いーや。

 路頭に迷ってしまった…。途方に暮れた…。せっかく店をオープンさせる為に奔走してたのに、嘘のような暇さ…。 ヤバい…。  

 ある日、いつもの様に暇を持て余し、ぶらぶらしながら家路に着くと、家には請求書の山!!
 ヤバい!! 忘れてた!! 業者にストップかけるの忘れてた!! 慌てて、請求書を手に、俺を捨てた神の所へ…。

 な、なんと!!! 夜逃げ!!! 電話もつながらない!!家も!店も! 

   と、と、トびくさったあぁぁぁっっっ!!!!

 あのヤロウ、酒の発注、内装代全て請求書が俺に回って来た。 
 ん!?待てよ?? 確か、オープン資金は、ヤツが面倒みるはずだったから、俺は払わなくてすむんじゃないか!?
 
 数日後、仰天の真実。

 何と!! そのオーナーなるもの、最初っから俺を引っ掛ける気だったんだ!!!

 酒代、内装代、保証金キャンセル料、そして…、ここで仰天。ヤツの店の家賃滞納6ヶ月分。
 
締めて…、286万円也。

 ただの詐欺事件やないか!! しかも俺に!! 

捨てる神あれど

 神と出会って、数週間経ち、店舗内装もある程度終わり、酒の発注も済み、食器類も、音響機材も準備が着々。友人・知人にご報告。さーていよいよオープンかと、した頃…。

 忘れもしない、日曜の午後三時。眩いばかりの照りつける日射し。そのスポンサーとなるママさんから、俺の電話が、けたたましく鳴った。

 『………………。』

 電話を切った後、俺は絶句…。 裏切られた…。寸前でのキャンセル…。シャレにならないドタキャン…。 唖然…。

 この時、不謹慎な言い方なのだが、人に初めて殺意を抱いた…。

 考えてみると…、こんなウマい話あるわけない。一見の人間に、どこぞの馬の骨かも分からん人間に、店一軒ポーンと任せる方がどうかしてる…。 俺は、簡単にウマい話を鵜呑みにし過ぎた…。21歳の夏。

金策に翻弄…。

 店を出す!! …と決めてから、今までやってきた昼のお仕事と、夜のバーテンの仕事を全て辞め、店を出すまでプータロー生活。 貯金20万円。収入ゼロ。常識の範囲内で考えても、到底店を出すのはムリ。

 しかし! 一本の友人からの電話。 内容は…、ある店の金持ちママさんが、店を譲ると。しかも内装から、酒から、そのまま居抜きで、そして無償で提供するという。 
 なぜ今時そんな神様のような人がいるわけない。 …話を本人から聞いてみると…。
 地元を盛り上げる為に、活性化の起爆剤として、若いバーテンを探していたという。 そのチャレンジショップ的な意味合いも込めて、俺に白羽の矢が立ったという訳。
 こんなチャンス滅多にないぞ!! 俺はその人と打ち合わせをしっかりやり、金銭的な調整や、オープン時期や、メニューから、店の細部に至るまで…。