気がつけばブログから遠ざかって

5ヶ月も経っていましたガーン


皆さま新年度もスタートし、いかがお過ごしでしょうか?


この5ヶ月過ごす中で

印象に残っていることを

まずはお話ししたいと思います^^



マンツーマンで週に1回水泳を教えていたKくん。


小学4年生の男の子。


お母さんはかつて水球の後輩で

自分の息子さんにマンツーマンで

水泳を教えてほしいと直接お願いされました。




KくんのADHD、自閉スペクトラム症で

プールは好きだけど、誰かがいることで難しくなるという理由からマンツーマンをご希望でした。



お母さんから


『お調子者で泳ぐのも好きだから、

淡い期待もしている。

でもサポートのクラスでも難しいことがあるから無理そうならそう言ってください』


そう伝えられていました。



そんなことも踏まえながら

お試しに30分からスタートしたレッスン。



実際に会ったKくん。

礼儀正しく、初めてのときはちょっとだけ

緊張ぎみででもおしゃべりしながら

お母さんが心配していることも特になく、

続けていけそう。



水は大好きみたいニコニコ



水慣れから

遊びながら、楽しく音譜



回数を重ねていくと、

Kくんの性格やその時の気分も

なんとなくわかってくるように。



やがてレッスン時間を延長し、

1時間のレッスンの半分は練習、

半分は体力の有り余っている発散のために遊びの時間になりました。



遊びの時間では彼の大好きな

おしゃべりだけになることも。


深海の生物や動物のお話。


未確認生物や七不思議の話。


ゲームの話。


学校での出来事。



話がとにかく止まらず、

次から次へと出てくる中で、 


私がKくんとの関係で特に大切にしていたのが

傾聴です。



今日はどんな調子かな?

始まったときに言葉の調子や大きさ。態度。



長く止まらない話の中で

そんなに重要でない話と

聴いてほしい話。


場を埋めるために本人も自覚なく

なんとなく話す内容と


そうでない、

彼が抱えている感情に触れるような

出来事の話があります。



彼が感情をうまく表現できなくて

もどかしさを感じている場面が

チラリと垣間見えるときがあるのです。



特に怒りの感情に触れることもあって

それがうまく表現できないときに

Kくんは乱暴な強い言葉遣いになります。


汚い言葉が口癖になっているところも

多少あるのですが、、


言葉が汚くなることで感情を発散しようとしているけれど、うまくいかない感じ。


言葉は汚いけど、

攻撃的な感じは伝わってこない。



そんなことが時々ありました。



そんなときはスルーせずに


「こうだったのかな?」

「こんな風に感じたの?」


悔しかったんだね


嫌な気分になったんだね


自分だけどうして?って悲しい気持ちなんだ




こんな風に一言でなく、

言葉に本人が納得感が出るように

助け船を出してあげる。



どう表現していいか

まだわからない

複雑な気持ちを

ひとつひとつじっくり一緒に言葉にしていく。


「うん、悔しかった」

「許せない気持ちになった」


自分でその感情や気持ちをしっかり認識した途端

いつもの優しい、ふんわりした表情になる。


汚い言葉を使いたいんじゃなくて、

どう言葉にしていいかわからない。



そして大抵彼が怒っている理由は


『友だちにいきなり嫌なことをされた』

『理由もなく自分が何かされた』

『知っている人がゴミをそこら辺に捨てているのを目撃した』


そんな子どもでなくても

イラっとするような出来事。


優しさからくる怒りのやり場がなく

モヤモヤを抱えていることが多い。


自閉でなくても

その人にとっての感覚はそれぞれで、

その感覚を敏感に感じるが故に苦しみ、

人間関係がうまくいかないということもあると思います。


その苦しさが学校へ行きたくない、辛い。


人と同じでなければいけないと成長過程や教育のシステムの中で感じずにはいられない場面に直面する。


そんなときにそばにいる大人が

どう接すると良いのか?



私は普段の児童の水泳教室で

人数がたくさんいたとしても



先生に聴いてほしい

伝えたい

子どもたちの言葉を聴くようにしています。


同時には無理だったり、

今この瞬間は無理だとしても


さっき言いたかったことはなんだった?


あとで聴くね


そんな風に目を見てひとりひとりに言葉をかけ、目を向けてあげる意識を持つようにしています。



これは最初からできていたわけではなく、

私が自分の感情を自分の責任として対処できるようになってから、自然とできるようになりました。


自分の調子が悪かったり、

自分への意識が強いと、

特に子どもたちの人数が多くなると

ひとりひとりをしっかり見れなくなっていました。



自分の感情に責任をもち、

子どもたちにぶつけたり

教室にそれを持ち込まない。


そうできるようになると

ひとりひとりに興味が湧いて

自然と話を聴く姿勢になるれる。


それでも

Kくんのレッスンで一度だけ、

私の調子が悪かったときがありました。


話を聴く姿勢どころか

ちょっと冷たい態度になった瞬間があって

そのときにすぐにKくんは反応しました。



Kくんの態度も悪くなり

言葉も乱暴で攻撃的、

もちろんレッスンもうまくいかない。


それを私はすぐに自分が悪いと気づきました。

気づきを持つことで

私自身の感情に対処する。


ごめんねとあやまる。



するとKくんも柔らかに、

いつもの優しい態度になる。


子どもとして扱わず、ひとりの人間として

相手が子どもでもしっかり謝る。


子どもたちは

特に親や先生など身近な

大人の様子を感覚的に感じ取り、


様子をうかがったり、

媚びたり、

自分を押し殺したり、

空気を読んだり


と無意識に合わせていくことがあります。


そうやって自分軸からズレていく。


子どもが自分らしく、子どもらしくいてほしい

自分の才能を発揮して輝いてほしい



そんなときに大人ができることは

自分自身が自分の調子を整えておくこと。


その上で子どもと接するときには傾聴すること。



何か素晴らしい習い事をさせる

何かがうまくできるようにサポートする


その前に。


接する大人がそうなってほしい大人に自分がなる。

そんな存在であること。

 

勝手に子どもは自分らしく、

自分の才能を発揮していく。


自分の軸を自分で育てていくと思います。




Kくんはしっかり傾聴した後は、

初めは『えーっ』とやりたくないメニューや

気乗りがしなかった態度にも変化が出て、

すんなりとやってくれるのです。



Kくんとの関係で更に

自分も学びをもつ時間となりました^^



どんな風にKくんが成長していくのか

次回ももう少しお話ししたいと思いますにっこり



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「せんせーあとで一緒に食べよう!」と持ってきてくれた目玉のグロいグミ凝視

味は美味しかったです笑