弥太郎笠 (光文社文庫)
子母沢 寛通り名が、“日本差(りゃんこ)”の弥太郎。跳ねッ返りそうな小気(こき)のきいたやくざ渡世の旅烏(たびがらす)。そんな弥太郎が惚れた娘のために上州松井田宿で一暴れ(表題作より)。他に「次郎太川止め」など...

龍馬の姉・乙女 (光文社文庫)
阿井 景子安政四年。坂本のお仁王さまといわれた乙女が、藩医・岡上(おかのうえ)家の新甫(しんすけ)に嫁いだ。絵を描き、長刀(なぎなた)を使う大女の乙女と小男の新甫は、まさに蚤(のみ)の夫婦。長男・赦太郎(しゃた...

琥珀枕 (光文社文庫)
森福 都昔々、中国は東海郡藍陵(らんりょう)県。県令の子息、12歳の趙昭之(ちょうしょうし)は、徐庚(じょこう)先生の下で勉学に勤しんでいた。この先生、実はすっぽんの化身。その故か教育の術も独特、丘に登り市井...

林真紅郎(はやししんくろう)と五つの謎 (光文社文庫)
乾 くるみ林真紅郎、元法医学者。愛妻を事故で亡くしたのを契機に勤務先の大学を辞し、35歳の若さで「隠居」生活に入った。そんなある日、12歳の姪と行ったコンサートで事件は起きた。ステージ上のマジックで消えた女性が...

松山着18時15分の死者 (光文社文庫)
津村 秀介松山港にほど近い人気(ひとけ)のない工場街。レンタカーのなかで争う男女の姿が通りがかったOLによって目撃された。女性の首にはベルトらしきものが……。加害者は茶色いブルゾンを着た中背の男。その姿形(すが...

蚊取湖殺人事件 (光文社文庫)
泡坂 妻夫スキー場にやって来た慶子と美那。二人はゲレンデならぬ氷上で絞殺死体に遭遇してしまった。被害者の首には包帯が!? 警察は二人を疑っているらしい。そこで彼女たちは身の潔白を証明するため、スキー場で知り合っ...

武田勝頼の正室(つま) (光文社文庫)
阿井 景子天正五年、十四歳の咲姫は、甲斐の太守(たいしゅ)武田勝頼に輿(こし)入れした。織田・徳川連合軍に大敗した武田は、甲相同盟の強化を計る。だが、やがて咲姫の兄・北条氏政が、勝頼との同盟を反古(ほご)にし、...

陰陽師 鬼一法眼〈三〉~今かぐや篇~ (光文社文庫)
藤木 稟京から鎌倉に舞い戻った白拍子(しらびょうし)・水鳴に、後白河院のご落胤との噂がたち、大騒動が! いっぽう、鎌倉幕府を窮地に追い込まんとする朝廷、そして丹後局(たんごのつぼね)は、天に不吉な“薄蝕(はく...

ずぼら (光文社文庫)
田辺 聖子あと半年で三十歳──。 秒読み開始になってから、女の三十がたいへんな区切りだと気づいた私。泊まりがけの尾道(おのみち)旅行で「大事な話」を切りだそうと思ってるのに、塩田(しおた)の奴、なんで、のべつ幕...

女色絵譚 (光文社文庫)
清水 一行両性の結合。それは男の征服感を満たし、同時に女性をこの世のものとは思えぬ夢幻(むげん)の世界に導くものだ……一代にして大ラーメン・チェーン店の社長に昇りつめた赤松至朗は、そう考える。男にとって、これ以...

砂時計 (光文社文庫)
泡坂 妻夫親友に“離婚した女と一緒になってくれ”と頼まれたら……? 二見幸夫は、能勢陶吉の頼みを断われず、彼の元妻・波妙(はたえ)と奇妙な同居生活を始める。半月後、能勢は殺人容疑で逮捕された。波妙は「計画的犯行...

横浜外人墓地殺人事件 (光文社文庫)
峰 隆一郎横浜外人墓地で、白昼、銀座のクラブ『久利』のママが殺された。どうやら彼女は、大がかりな贈収賄事件に関わっていたらしい。元警視で、今は気ままなルポライターの雨宮退介が、調査を開始した。とたんに、秘密を握...

ラスト シネマ (光文社文庫)
辻内 智貴映画がまだ輝いていた頃。雄さんは故郷を捨て東京へ飛び出した。しかし――歳月は流れる。銀幕への夢に破れ、病んだ彼は、生地に戻り死を待つのみだった。一言だけセリフを貰った一本の映画。人生の最後に、もう一度...

死びとの座 鬼貫警部事件簿 (光文社文庫)
鮎川 哲也一人めの被害者は、芸能人のミッキー中野こと秋葉原好一(よしかず)だった! 彼は東京・中野区の公園に置かれたベンチに座っているところを、拳銃で撃ち抜かれて息絶えていた。──捜査陣は、つぎつぎに出現する容...

いつでも夢を (光文社文庫)
辻内 智貴手にカッターナイフを握りしめ、街角で雨に打たれつづける女。その姿を放ってはおけない二人の男。女と同様、胸の奥に深い哀しみを抱えるヤクザ者。生きるのに無器用な、売れない小説家。それぞれの孤独が出会ったと...

ただよう薔薇の午後 (光文社文庫)
斎藤 純いつもは淡白な彼女が積極的に燃え上がった夜、FMから流れていたのは、ブラームスの交響曲第四番だった。チェロの響きが彼女に異変をもたらす。演奏会で無伴奏チェロ組曲を聴いたときは、終演まで待てなかった。タ...

王を探せ 鬼貫警部事件簿 (光文社文庫)
鮎川 哲也だから、どの亀取二郎が犯人なんだ!?――その亀取二郎は、2年前の犯罪をネタに恐喝されていた。耐えきれず、彼は憎き強請(ゆすり)屋・木牟田(きむた)を撲殺する……。警察がつかんだのは、犯人が「亀取二郎」...

稚内殺人旅情 (光文社文庫)
梓 林太郎長野県豊科(とよしな)署管内で発見された男の轢殺(れきさつ)死体。そこには、たんなる轢(ひ)き逃げ事件ではない、明確な殺意の存在が窺われた。目撃者を名乗る女からの不可思議な電話と、郵送されてきた犯人の...

西鶴おんな秘図 (光文社文庫)
大下 英治前衛的な詩風から、“阿蘭陀西鶴”と称された井原西鶴。1682年、処女小説『好色一代男』を刊行。「色」と「金」という欲を中心に町人の心情を綴り、新しい文学世界を切り開いた。その後もベストセラー作品を量産...

京都着19時12分の死者 (光文社文庫)
津村 秀介京都へ向かう下り新幹線ひかり号の中で、上流家庭の夫人らしい死体が発見された。翌朝、京都駅前の高級ホテルで、元暴力団員がやはり死体で発見される。二人は同じ毒物で殺され、さらにそれぞれの現場周辺からは同じ...

江戸の大山師~天才発明家・平賀源内~ (光文社文庫)
赤松 光夫四国高松藩の下級武士の家に生まれた平賀源内は、長崎で混血の花魁を連れだし、江戸へ出た。家業も家督も捨て、気ままな男やもめの源内だが、いい女にはすぐ靡く。彼は老中・田沼意次の庇護の許、天性の才覚を発揮し...

夢の密室 (光文社文庫)
泡坂 妻夫来条美箱(らいじょうみはこ)は、就寝前に“カヴァハイ”という飲み物を飲んで不思議な夢をみた。ホテルの一室での密室殺人。しかも容疑者は、別れた夫・靖彦だった。彼の虚言癖が原因で別れたのだが、なぜか憎めな...

大奥梟秘帖 尼僧お庭番 (光文社文庫)
赤松 光夫徳川十代将軍家治の暗殺事件を惹起した田沼意次。彼が権勢を誇る時代の賄賂と毒殺による、血にまみれた大奥の陰謀。それを察知した尼僧お庭番衆VS田沼一族、さらに大奥老女との暗闘。将軍と大奥女性との房中秘事や...

連合艦隊大激闘~新・太平洋戦記4~ (光文社文庫)
田中 光二「餓島」と呼ばれたガダルカナル島の争奪戦が始まった。日本軍の総攻撃に対し、米海兵隊はあらゆる兵器を使って応戦。日本兵は戦友の屍を乗り越え、鬼神の如く突撃。その、人とは思えぬ形相に、米海兵隊員たちも恐怖...

桂離宮殺人旅情 (光文社文庫)
斎藤 栄新婚旅行で京都を訪れた新妻の夜里子(よりこ)が、桂離宮を見学した夜、謎の失踪を遂げた。唯一の手掛りは、彼女が残した一枚の紙片。夫・直道は、夜里子の親友・夏木梨香に異変を告げ、姉の香奈、さらには小早川警...

偽装自殺の惨劇 (光文社文庫)
由良 三郎事件は、大学生バンド『三角関数』の演奏中に起きた! 首吊り死体に扮したメンバーの西条が補助用の鎖を切られ死亡、小佐井も毒殺されたのだ! しかも切断された鎖の輪は消え、毒殺の方法もわからない。メンバーを...

郷愁 サウダーデ (光文社文庫)
内海 隆一郎哀切なファドの調べが流れるポルトガル・リスボン。カメラマンの桑田は、南蛮屏風や螺鈿(らでん)細工などの撮影にやって来ていた。老いの入口に立つ彼の胸に去来するのは、あり得たかも知れないもう一つの人生。異...

安倍晴明・怪 (光文社文庫)
谷 恒生超人的能力で平安京の政事(まつりごと)まで左右した陰陽師・安倍晴明。時の実力者・藤原道長の邸で盛大なる宴がひらかれた夜のこと。みな、桜梅少将こと藤原敦道の舞いと美貌に見惚れていたが……。ひとり晴明は面...

サンセット刑事 (光文社文庫)
笹沢 左保奇観を誇る佐賀の『七ツ釜』で会社員・波多野仁の死体が発見された。かつては凄腕(すごうで)でならした末森刑事も捜査に加わる。現場に残された波多野の車から発見された6枚の写真……そこに写されていたのは、な...

情欲ハンティング (光文社文庫)
飯干 晃一飯干晃一の作品には二つの流れがある。ヤクザの世界を描くアウトロー路線と現代人の生態を追求する情欲路線だ。この本は典型的な後者。レイプあり、殺人ありで、刺激と興奮が行間にまで満ち溢れている。だが、陰気さ...

占星術師 日下部由水子(くさかべゆみこ) (光文社文庫)
菅野 温子坂の上にある洋館に、日下部由水子の占いルームはある。迷いをおぼえた人々が、背中を押してくれる言葉を求めに来る。相手の言葉を受け止めることが出来るのは、由水子自身に、迷い、悩んだ日々があったからだった。...

髑髏(どくろ)の秘戯 (光文社文庫)
飯干 晃一おれは26歳、強靭な肉体を誇る。ある夜、絶世の美女に迫られ、男の液を放つ。「夢精した」と気付くと、おれは棚の天女像を見上げた。股間が汚れている。『日本霊異記』に同じ話があるので、驚いた。棚の一方には誰...

白山 夜叉の肌 尼僧お庭番 (光文社文庫)
赤松 光夫八代将軍吉宗の時代、花の吉原を血に染めた花魁殺しをきっかけに、御三家の尾州宗春が謀反? 不穏な噂が流れ、全国の遊里に“白山秘密曼陀羅護符”が大量に出廻って人心を惑わす。お庭番・鈴鹿尼は、弟子の浅尾と加...