『生涯不束者』
詞曲:岩田祐明
1
霙混じりのあみだ池筋を まばらに行く
車両の影に弄ばれては フラリひとり
比率はやがて雪に傾いて 洒落のような
吹雪が僕の視界を阻んで 意識朦朧
忘れかけていた夢が
今更疼き出す その癖に
三十戒の理(ことわり)を
目を盗んで二、三、四と端折って
未だ月刊誌の編集者
〆切間際に慌てる未熟者です
2
春の芽吹きに心が束の間 洗われたら
根拠乏しき胸の昂ぶりを 抑えながら
巡るクライアントの声に
時折背中押されて 奮い立つ
何百回と躓いた
舗装工事の済んだ道なのに
見えぬ障害物を掻き分けて
ゼロの地点に漸く立っております
3
握りしめた自尊心(プライド)が 下らなく思えた日も
手にしたはずの合鍵が 煙のように消えた日も
未熟者の世迷言さ その癖に
三十戒の理(ことわり)を
目を盗んで二、三、四と端折って
天変地異に乗じては
隙をついてもまた転ぶ未熟者です
成長しても また転んでる
不束者です
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