北海道乳幼児療育研究会 第38回研究大会(案)


1 大会テーマ 
「わからなさ」に向きあう Ⅲ
~「家族個々の歴史」を聞き取り、そだちの物語にふれる~
(案)
 
2 趣旨 
 3年ぶりに対面で開催した昨年の研究大会は、「わからなさ」に向きあう Ⅱ」として一人ひとりの思いを受け止め、同時に空白の3年間の取り組みとそれを踏まえた新たな取り組みを語っていただき、コロナ禍を乗り越え新たな療育を再考する大切な時間を過ごすことができました。
 「保育・療育には正解がない」と言いながらも、支援者はそこに存在する不安やわからなさをエビデンスベースの発達支援に拠り所を求めながら、それ故に支援の困難さを感じていることが多いと思われる状況が続いています。アカデミックな知識を学ぶ機会は多く知識は蓄積しているように思いますが、これらの知見に基づく支援のあり方には自信がなく、背中を押してほしいとの思いを抱いている支援者が多いのではないでしょうか。
 まさに知と情のバランスが問われていると言えます。事例検討の場で「そういう見立て方もあるのか」とハッとしたり、「あなたの見立てで大丈夫ですよ」と言われて安堵し笑顔になったりする支援者が多いのは、その不安の表れのように感じています。
発達支援では、子どもと親家族一人ひとりの支援(家族支援)が大切なことは自明なのですがそれぞれにまんべんなく思いを漂わせながら支援を続けるとき、支援者はつねに知と情のバランスのとりにくさに悩み続けます。
第38回大会では、「わからなさ」に向きあう Ⅲ」として「家族個々の歴史」を聞き取り、そだちの物語にふれるということをテーマにしました。子どもと親とのかかわりは、一期一会の勝負という側面があるのではないでしょうか。一期一会の出会いを大切にし、その関係を深めていくことが家族支援につながっていくものと考えています。
 家族の支援を行うとき、子どものそだちの物語を一生懸命に聞き取って考えようとします。子どもの育ちの背景を大切にしようとすると、親の物語に同じように関わることが難しくなり、結果親と支援者との信頼関係が作りにくくなります。一方で親の物語に引っ張られると、子どものそだちへの関心が弱まることもあります。家族個々の歴史を丁寧に聞き取りそれぞれのそだちの物語にバランスよく触れることはけっして容易ではありません。
 そだちと関わりを家族ひとりひとりの物語として捉えるには、それぞれの歴史を聞き取り、感じ、そのうえでそれぞれのそだちの物語に触れることが、生活支援ひいてはそれぞれの発達支援につながるのではないでしょうか。そんなわからなさを「家族個々の歴史」と「そだちの物語」にふれながら一緒に考えてみませんか。

3 日程 
(1) 1日目 2024年10月 5日(土) 13:00~17:20 
13:00~13:10 開会式 
13:10~15:10 記念講演 「家族個々の歴史」から、そだちの物語にふれる
   講師    日置 真世(フリー)
   座長・まとめ    佐々木浩治 会長
15:20~17:20 交流会型 トークセッション(仮題)
みなさん一人ひとりが貴重な学びの素材を持っています。お互いに学びの素材を出し合って、「対話」で学びませんか? 積極的に話をするのもあり、静かに聞いている参加もあり、同じグループでじっくり話すのもあり、いろいろなところに出会いを求めて動くのもあり。
大会テーマ「物語」の話題提供を呼び水にして、自由な対話で学びましょう。
【内 容】 (参加者が自ら選んだ)4つの部屋(会場)に分かれます
  1 当事者の話から対話により学びを深める部屋
  2 保護者の話から対話により学びを深める部屋
  3 支援者の話から対話により学びを深める部屋
  4 フリールーム (テーマなし)
【スケジュール】
  ① 趣旨説明
  ② 話題提供
  ③ グループタイム1
  ④ 他の部屋の話の情報共有タイム
  ⑤ グループタイム2
  ※ 他のルームへの移動可能、各部屋内でグループを移動することもあり

(2) 2日目 2024年10月 6日(日) 9:00~12:30 
 9:00~ 9:30 総会 
 9:30~12:30 分科会 
◆分科会1【保育】
「ある親子のそだちの物語」からあらためて自身の日々の保育・療育を振り返る
企画趣旨:今年度の保育部会では、大会テーマのサブタイトルにある『そだちの物語』という部分を切り口に、ある保護者に実際のご家族での関わりを語っていただき、その語りの中から
保育・療育のキーワードとなる点について、皆さんとより深く考えていきたいと思います。

◆分科会2【トークセッション】
“保護者支援”について、様々な立場からの眺め、考えを持ち寄ってもらっての対話ミーティング
  医療の立場から 佐々木美春(むすびめ)
  福祉の立場から 山口 麻絵(静内ぺテカリ)
  教育の立場から 久保田 健一(江別第一小学校教諭)
  当事者の立場から (当事者であり、現在支援者という方を想定)
  新人の立場からの感想 佐々木 龍之介(新卒1年目 教諭)

  ※12:30~各分科会で閉会式 
 
4 会場等 
会場 北星学園大学 北海道札幌市厚別区大谷地西2丁目3−1  C館
 アクセスはこちらからご確認ください

参加費 会員:無料  一般:4,000円 学生:1,000円
交流会 例年通り開催(大学構内の施設での開催を予定も、詳細は正式案内にて)
※ 大会参加申し込みは正式案内後に受け付けます。

第37回研究大会時開催の総会決議の報告と意見募集について

 

 対面での大会開催ができなかったことで3年間総会を開催できなかったことから、役員選出等会則通りの運営ができず、その間に研究会運営も厳しさを増してきました。(概算の会計報告参照)
 そのため、1年間会則を一時停止し、研究会の運営について抜本的に検討し、次期総会に諮ることになりました。検討材料としての議論が以下です。

・会員数の減少 
 現会員数は往時の半分以下の297名(会費完納者は200名弱)
・会員の高齢化
 研究大会への当日参加は一定数(今年度90名)も、新規入会者は少ない(今年度12名)
 それに伴い担い手も高齢化 大会運営に支障も間近
・会員拡大と会費の隘路
 会費・大会参加費で年5,000円の負担だと若手に気軽に加入を呼びかけにくいとの声
  ⇒ 会費値下げ
・会費値下げに向けての事業内容の見直し
 大会開催場所:高額の北大学術交流会館 ⇒ 無料の北星学園大学
 機関誌のオンライン上のみでの刊行
 事務の手間、費用の圧縮 ⇒ 諸連絡等のオンライン化

 上記の通りとした場合、さまざまな不便を避けがたいですが、会の存続に向けては抜本的改革が不可避です。

 会員の皆さんのご意見、ご提案をお聞かせください。


 ご意見の投稿の締め切りは2024年3月31日といたします。

 

ご意見の投稿フォームはこちら↓をクリック

 

 

研究大会アンケートでフィードバックをお願いします。

第37回研究大会へ参加していただきありがとうございました。

北海道乳幼児療育研究会(乳幼研)では、これから1年をかけて研究会の今後の在り方を検討・協議していくこととなりました。

今回の研究大会への感想を集めて、乳幼研の活動や研究大会の改善に繋げていきたいと考えていますので、ご協力をお願いいたします。

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