チャールズ・キッテル氏という人物をご存じだろうか？ ご存じの方はまずはいらっしゃらないと思うが、物理学や電気工学を熱心に勉強された方の中には、「キッテル固体物理学入門」という本を知っている人は多いだろう。チャールズ・キッテル氏は、主に半導体の物性や、固体中での磁性の振る舞いといったテーマを中心に研究を行っておられたが、現在は隠居生活されている。
キッテル固体物理学入門は日本語では上下巻で出ている。固体に関する物性についていろいろと書かれており、超電導についても言及されている。
この上下巻は日本語で読むことができるのであるが、内容を見たら入門どころか「日本語なのに理解ができない」という具合だろう。各章の最後には問題がついているのであるが、物理学を専攻している大学院生でも、この問題にきちんと答えられる人は少ないことだろう。物理学ではこの本が一つの登竜門とされているので、物理の世界で生きていくことを考えている学生は、早めに手に入れて、物理の先生から直接指南をしていただくと良いだろう。もし高校生がこの本を手に入れたとしたら、この内容を教えられる高校の物理の先生は稀なことであるので、どこかの大学の授業に潜り込めばよい。
物理学の世界を志す学生に、深く勉強する必要はないが、ある程度は理解してもらいたい数学もある。それは「数学解析」と「ベクトル解析」である。これらを学ぶことによって、証明の練習と、頭の中での創造についての訓練になる。
このような基礎的な勉強もしっかりしていただいて、将来の科学の発展に貢献できる大人物になっていただきたい。
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