■スエードレザーってどんな革?

スエードとは鞣した革の裏側を起毛させた革です。
秋冬に着用される方が多い素材で、暖かい印象があります。

スエードは水に弱い印象がありますが、しっかりと防水スプレーを吹くことにより
水をしっかり弾いてくれます。雨の日用にスエードの靴を準備している方もいらっしゃいます。

そんなスエードですが、最近はケア用品のもどんどん新しいものが増え、
使いやすく効率的に汚れを落とせるアイテムがたくさんあります。
それらを使いこなし、美しくそして長く愛用できるようになりましょう。


スエードの靴磨き



■スエードのお手入れ方法と便利なアイテム

〇お手入れ方法

①シューツリーを入れます。

シューツリーを入れることにより革全体が伸び、シワなどに入り込んだホコリを落としやすくなります。

②ワイヤーブラシでブラッシングします。

ワイヤーブラシは固いのでキズが付きそうで心配という方もいらっしゃるかと思いますが、
もともとスエードはヤスリで起毛させた革です。
よほど強い力を入れない限り、キズが付くことはございません。


③栄養を補給する。

栄養を与えるものはミストタイプと液体タイプがあります。

ミストタイプのほうが簡単にですが、色付きのミストを使われる場合はコバにマスキングを張られたほうが、
色がつかないのでやられたほうが良いかと思います。

④ブラシで毛並みを整えます。


⑤防水スプレーで雨と汚れ対策

仕上げに防水スプレーを吹きかけます。

スエードは革の性質上、一度汚れが付きますとなかなか取れません。
なので、履かれる30分前にスプレーを吹き、しっかりと対策を行いましょう。

以上が基本的なお手入れの方法です。


スエード・ヌバック用ブラシのご紹介

〇アイテムのご紹介

・クレープブラシ

時間がないときにおすすめなクレープブラシ。
スエードだけでなくヌバックにも使え、ホコリ取り除き、一緒に毛並みも整えてくれます。
長期間放置しますと、ゴムの特性上固くなりますので、もし固くなりましたら温めて
手でほぐしてください。

・クワトロスエードブラシ
こちらはM.モゥブレィより販売さているブラシです。
4つの機能があるブラシで、革の状態によって使い分けます。
お値段も税込み660円と手の出しやすい価格です。

■まとめ

履いていると白くなってしまうスエードですが、しっかりとお手入れをすることにより、
長くキレイな状態をキープできます。
そしてキレイに履き続けるにはまずは防水スプレーでしっかり予防をすることです。
ぜひお試しください。

靴に栄養を与える

 

■靴と栄養の関係

革に栄養を与えるというのはクリームを塗布しで油分を与え、保革効果と潤いを与えることです。
靴に栄養を与えることによって見た目も美しくなり、寿命も伸びます。

靴を履いていると汚れや乾燥により油分が抜けていき、
さらにそのまま放置しておくと、革が荒れて亀裂が入ったり、穴が開いたりしてしまいます。
一度、ヒビ割れてしまった革は二度と元には戻りません。アセアセ

また亀裂や穴が入ってしまった靴はオールソールの修理もできなくなります。
オールソールの修理とは足の形をした木型に入れ、革を引っ張りながら作業を行います。
革が傷んでいると、その箇所から破けてしまう恐れがあるため、職人から断られれてしまいます。

特に栄養を与えなければいけないのが、靴の部位で一番動きがあり負担も多い屈曲の箇所。
クリームを塗布する際は、シューキーパーなどをいれ形が崩れないようにすることにより、
シワの奥にまでクリームをいきわたらせることができます。



■靴に栄養を与える方法

①紐を解きます。

②シューキーパーを入れます。

③馬毛ブラシでブラッシングします。

④スティンリムーバーとクリーナークロスに取り、全体を拭きあげます。

⑤クリームをクロス又はペネトレィトブラシで薄く塗布します

⑥豚毛ブラシでブラッシングします。

⑦グローブクロスで磨き上げます。

⑧防水スプレーを吹きます。

以上が基本的なケア方法で、靴に栄養を与えることができます。



■まとめ

靴に栄養を与える重要性をご理解していただけたでしょうか?

靴に栄養を与えること=油を与えること


見た目がキレイでも実は革が乾燥している場合もあります。
また、靴によって底材に革が使用されているものあり、
そういった靴には、底専用クリームが販売していますので、ぜひお試しください。

ウインクスムースレザーにミンクオイルを塗られる方もいらっしゃいますが、
油分が多すぎるため、革を必要以上に柔らかくしてしまい、型崩れを起こしてしまうこともあります。
ミンクオイルはオイルレザーのみのご使用をおすすめします。

定期的なケアを心がけて、美しく、そして末永くご愛用してください。









 

キズの修復

 

■パテを使ったキズの修復方法

靴を履いていると避けては通れないのがキズ。
気づかない間にキズが付いてしまうなんてことは日常茶飯事です。
ある程度のキズでしたら、クリームの塗布でカバーできますが、
深く付いてしまったささくれなどのキズは難しいこともあります。

今回は深くキズが付いてしまった時の対処方法をご解説していきます。


■作業工程

①通常のお手入れ同様にクリーナーで全体を拭きます。

②クリーナーで消えない擦ったゴムの跡は、天然ゴムで汚れを取り除いていきます。

③ささくれ状態の場合、紙ヤスリ(♯400)で取ります。

④革補修用パテ(アドベース)で埋めます。
厚塗りをしてしまうと乾燥に時間が掛かり、次のヤスリ掛けが大変になるので、できるだけ薄くのせるのがポイント。
しかし、薄すぎても表面が凹んでしまいますので、指で確認しながら作業を進めましょう。

⑤乾燥させる。
パテのせた範囲によりが30分以上は乾かすこと。
しっかりと乾かしておかないと失敗の原因になりますので、余裕がある方は1日置いて作業されると安心です。
★ドライヤーを使うと時間短縮になります。

⑥表面が乾きましたら、紙ヤスリで削っていきます。
力を入れずに指を動かすことが重要。

⑦補色クリーム(アドカラー)を塗っていきます。
パレットにクリームを出し、水と合わせながら筆で塗っていきます。
黒以外の靴はクリームを塗る際、目立たない踵内側なので様子を見ながら
色合いを確認することをおすすめします。

⑧クリーム乾燥後、軽く紙ヤスリ(♯400)をかけます。
そうすることによって、自然な革の風合いになります。

⑨仕上げに乳化性クリームで革の状態を整えます。

以上で作業は終了です。


■まとめ

パテ盛りの修復は少し技術が必要な方法です。
パテを盛った後に行うヤスリ掛けは力加減が難しく、アドカラーで靴に合う色を作るのもなかなか思い通りにいかないことが多いです。


ウインク失敗しても良い靴で練習してから、お気にいりの靴の修復をしましょう。


スムース・ヌバック素材は使用できません。
自己修復が難しい場合はプロに依頼しましょう。
ご自身手作業される際は自己責任でお願いします。