ある村を1人の男が訪れる。
村人の家に行くと、手製の籠が気になった。
編みが甘く、丈夫に見えなかったからだ。
籠を編むことができた男は、自分ならもっと優れた物を作れると思い、丈夫な籠を編んで村人達に手渡した。村人達は仕上がりに目を見張り、微笑んだのだった。
しかし、しばらくして訪れると、村人達はかつてと同様に、編みの甘い籠を使っていた。
疑問に思った彼は、
「どうして私が贈った籠を使わないのですか」と尋ねたそうだ。
すると彼は村人にある家を案内される。
その家では、目の不自由な男性が籠を作っていた。
村人は彼に告げる。
「きみの籠は良い物だよ。でも、我々にはもっと大切なものがある。仲間の仕事を取るわけにはいかないんだよ」。