体外受精と人工授精の違いは?顕微授精とも比較してみた
こんにちは、まゆみです不妊治療の方法として、体外受精や人工授精があるということをご存じの方は多いと思います。でも、この2つの治療法の違いをはっきりと言葉にできる方はあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。そこで今日は、体外受精と人工授精の違いについてお話します。目次体外受精と人工授精は不妊治療の一つだがやり方は大きく異なる体外受精と顕微授精の違いは?不妊治療のステップは?体外受精と人工授精、顕微授精の違いまとめ体外受精と人工授精は不妊治療の一つだがやり方は大きく異なる体外受精と人工授精。名前だけ見ると一見似ている治療法だと思われがちですが、その特徴や治療コスト、妊娠・出産率など様々な面で違います。ここでは体外受精、人工授精それぞれの治療法についてお話します。体外受精とは体外受精は正しくは体外受精-胚移植法と呼ばれているのだとか。体外受精ではまず卵胞から卵子を採取して培養液に入れ、培養します。そして卵子の入った培養液の中に精子を加えることで受精させ、受精卵が体外で十分に育ったら子宮内に卵子を戻し、妊娠を待ちます。これが体外受精の方法です。また、卵子は内服と注射でコントロールしながら育てていきます。卵子1個に対し動いている精子が1つあれば受精が可能なので、男性不妊の場合でも妊娠できる可能性がかなり上がる治療法なんですよ(*^-^*)ちなみに体外受精での妊娠率はおよそ40%程度と、比較的高め。もちろん年齢とともに妊娠率は下がるので、治療を受けるなら早めのスタートをおすすめします!●体外受精の費用体外受精の費用は自費の場合、 採卵周期(先進医療費込):約400,000円 移植周期(先進医療費込):約300,000円の計約700,000円。かなり高額な費用がかかってしまいますでも、これから不妊治療を検討している方に朗報!!令和4年4月から不妊治療が保険適用となりました。これにより自費診療では約700,000円もかかっていた体外受精の治療費が、 採卵周期(先進医療費込):約170,000円 移植周期(先進医療費込):約100,000円~120,000円の計約300,000円で治療を受けることができるようになりましたまだまだ安いとは言えませんが、自費診療と比べると費用負担が大分軽くなっていますよね。今までは体外受精の費用が高いからと子供を諦めていた方でも、チャレンジしやすくなったのではないでしょうか。ただし、保険診療を使用できる回数に関しては年齢によって制限があるので、詳しくはこちらで確認してみてください。不妊治療に関する取組不妊治療に関する取組みについて紹介しています。www.mhlw.go.jp●通院回数や合併症リスク 体外受精の場合、排卵周期・移植周期それぞれ5回程度の通院が必要となります。また、通院に加えて自分で投与できる注射や内服治療をおこないます。合併症リスクは人工授精よりも高く、採卵時のリスクとして静脈麻酔による吐気や嘔吐、呼吸抑制、血圧低下が起きたり、膣壁・腹腔内の出血、骨盤内炎症性疾患などが起こったりすることもまた、自己投与の注射剤の成分により、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起こることがあります。人工授精とは人工授精とは、男性から採取した精子を女性の妊娠しやすい期間を狙って柔らかいカテーテルで女性の子宮内に注入し、妊娠を待つ方法です。子宮の中に入れる精子はあらかじめ精液を洗浄し、優良な精子を選別しておくことで受精の確率を高めておくようです。名前からもっと人工的な治療を想像する方も多い人工授精ですが、卵子自体は取り出さず精子を注入する以外は自然に任せるので、体外受精よりも自然妊娠に近い治療方法と言えます。ちなみに人工授精の妊娠率は約10%と、体外受精と比べると低いですね。●人工受精の費用人工授精も保険適用で1周期約12,000円で治療を受けることが可能です。 体外受精と比べると費用はかなり安いですね●通院回数や合併症リスク人工授精の場合、およそ1サイクルで3~4回通院が必要となります。 合併症リスクとして、まれに子宮内や腹腔内感染が起こることがあるようです。体外受精と顕微授精の違いは?不妊治療の種類として、体外受精、人工授精の他にもう一つ、顕微授精という治療法があります。体外受精も顕微授精も女性の卵巣から卵子を採取し、培養するところまでは同じ。異なるのは、受精の仕方です。体外受精は卵子の入っている培養液に精子を入れて受精を待つのに対し、顕微授精は細い針を使って精子を卵子の中に直接注入するという違いがあります。その後の工程は同じ。体外受精も顕微授精も受精卵を育てるために数日間培養した後、着床前の状態である胚盤胞となったところで子宮の中に戻す胚移植という工程に進みます。不妊治療のステップは?不妊治療は段階によって以下の4つのステップに分けられます。 タイミング法 人工授精 体外受精 顕微授精そのうちのタイミング法と人工授精は一般不妊治療、体外受精や顕微授精は高度生殖医療と呼ばれています。基本的にはタイミング法で妊娠が見込めなかった場合は人工授精、という風にステップアップしていきますが、不妊検査を受けた結果男性不妊症や卵管性不妊症などと診断された場合など、体外受精から始めるケースもあります。たとえば男性不妊の場合、精子の量が極めて少なくタイミング法では妊娠が難しいのにも関わらずタイミング法をずっと続けていても、妊娠する可能性は低いでしょう。それどころか時間ばかり経過してしまい、年齢的な問題からその後ステップアップした際の妊娠確率を下げてしまうリスクもあります。不妊検査で男性不妊など原因が分かっていれば、最初から体外受精を始めて不妊治療の期間を短縮することもできるというわけですね体外受精と人工授精、顕微授精の違いまとめ今日は不妊治療における体外受精・人工授精と顕微授精の違いについて調べてみました。 名前だけ見るとあまり違わないのでは?と思っていましたが、結構大きな違いがありましたね。特に人工授精と体外受精は。妊娠は年齢によっても妊娠率が大きく変わってしまうので、20代など若い場合は妊活を初めて6ヶ月経過しても妊娠の兆候がない場合や35歳を超えている場合は妊活を始めるタイミングに不妊治療を専門にしているクリニックで一度不妊検査をしてから、適切な治療法で妊活を始めるのをおすすめします。