Mechanical actions of dendritic-spine enlargement on presynaptic exocytosis

 

2021年 NATUREに発表された論文。

 

基本的な紹介&詳細な背景:シナプスの情報伝達は、シナプス間隙での細胞間連絡を含んでいる。そして化学的、電子的なそれらの形態は非常に研究されてきている。

 

対象とする問題:脳において興奮性グルタミン酸作動性のシナプスはしばしば、lerning過程で拡大する樹状突起上に作られる。樹状突起とシナプス前終末はシナプス間隙を介して強く結びついているので、その樹状突起の拡大は、シナプス前部においてメカニカルな刺激効果を持っているかもしれない。

 

主要な結果:私たちは、ピペットで微小かつ繊細にシナプス前部のブートンをpushすることで、グルタミン酸の分泌とSNAREの組み立て(これは Förster resonance transfer (FRET)というもので計測可能)を促進することを示した。

 

説明:それらの効果は20分以上持続する。シナプス前部でのFRETの上昇は細胞質内のCaに非依存的に生じる。しかし、SNAREタンパクの組み立てとシナプス後膜でのアクチンのポリメラーゼ化には依存する。

特記すべきことに、低張のスクロース溶液(20mM)ではFRETと誘発された分泌は促進され、即時の分泌は同時には起こらない。一方で高張のスクロース溶液(300mM)ではエキソサイトーシスが誘導される。

 

より一般的な内容への落とし込み:最終的に、グルタミン酸放出により誘導される樹状突起の拡大は、グルタミン酸分泌の亢進とFRET強度upを起こした。しかしそれは、樹状突起拡大によりブートンがpushされたときのみ見られた現象である。

したがって、私たちはシナプス前部のブートンでの機械刺激的かつ形質導入的なメカニズムを示した。その場合、グルタミン酸分泌は20分以上亢進を続ける。

 

より広範な展望:記載なし

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Fig. 1 | Enhancement of glutamate release by fine pushing of a presynaptic terminal.

微細なpush→活動電位→グルタミン酸の放出

labelled with iGluSnFR (green): virus injection によりシナプス前末端を緑にラベル→機械刺激を与えている

Fig. 2 | Effects of fine pushing on SNARE assembly.

FRET:プローブによる蛍光強度のこと。SNAREの集積を評価できる

ΔFRETを見ておりhigher,lowerそれぞれのシグナルのある側(higher)ない側(lower)からpushした際のΔFRET強度の変化を比較している

→higher側からpushの方がΔ大きい

Fig. 3 | Enhanced glutamate release and SNARE assembly induced by a moderate increase in the osmotic pressure with 20 mM sucrose.

上記に加え浸透圧勾配下でのブートンへの機械圧の変化を検証

Fig. 4 | Increases in the presynaptic SNARE assembly caused by spine enlargement.

 

なかなか、物理化学的な話も多く、理解に難渋した。FRETが何を評価しているのか再度読み込みが必要か。neuronを扱ううえでboutonの指す構造を把握することは必須なのだろう。