昨日最果タヒ展見てきました。泣きました。感動したとかではなく、ないものねだりで。賞歴とそれに基づく社会的地位があり広い空間で個展が開けること、それもパルコの中、ちゃんとグラフィックデザイナーさんがついていて言葉を視覚的に魅せられること、そういう叶えたくて堪らないあこがれをまじまじと見せつけられて羨ましくて泣きました。わたしだってアクリル切り出して言葉を触れる形にしたい。

 子供の頃を思い出しました。当時住んでいた田舎では小学四年生の女の子がお祭りで花笠で踊り、五年生六年生が演奏するという仕組みでした。その練習が近所のお寺の境内でやっていたのを見て帰ったあと無性に悲しくなって泣きました。家族には前触れ無く急に泣いたので心配されましたが。今考えるとその時点で次の春には町へ引っ越すことが決まっていて、つまり花笠で踊ったり演奏できないことに気づいて悲しくなったということです。当たり前だけど子供だから状況は変えられない。もしかしたら気持ちを訴えたらせめて練習の場で花笠を貸してもらうくらいはできたかも知れない。けれど、わたしは肝心なことに限って誰かに伝えることが出来ない子供だったのでただただ泣くしか出来なかった。

 でも今は違います。賞歴は未だ無いけれど、大人だからある程度はお金で叶えられます。グラフィックデザイナーさんはついていなくとも自分でIllustratorちょっと扱えば1%くらいは理想に近づけます。だから終わりなくぐずぐず泣きはしません。お金は力です。そういうかなしみを少しでも無くすために日々働いているのです。それはともかく近々また企画展示に出展するつもりなので、がんばりますね!