マルチ商法に対する意見として、
「なんか宗教っぽくて気持ち悪い」
といったものがある。
ここでいう宗教とは、仏教やキリスト教などの伝統宗教ではなく、おそらく多くの新興宗教のようなものを指していると推察する。
どうやら世間一般には、新興宗教とマルチ商法から、どこか同じような雰囲気を感じることが多いようだ。
なぜそう感じるか、新興宗教とマルチ商法が共通しそうな点を3つ程挙げてみる。
1.狂信的な態度での勧誘活動
新興宗教もマルチ商法も、自分の所属に対して狂信的だ。
マルチ商法で、ビジネス会員の多くは特に、自社商品に対して狂信的である。
自社の何かの商品について語るとき、
「この商品は世界で一番性能がいいのよ!」
などと、自分で調べたわけでもないのに自信満々に言ったりする。
またサプリ一つを取り上げて、会員同士で何時間でも熱く語ることができる。
大げさなテレビ番組よりもリアクションが大きかったりする。
このような情熱は素晴らしいが、たいていの場合は周りから狂信的で怖いと評価されるだけとなってしまう。
2.仲間意識の強さと異様なテンション
新興宗教もマルチ商法も仲間意識が強い点で共通する。
仕事付き合いや友達付き合いよりも優先して、勧誘活動に力をそそぐ。
今までよく遊んでいた友人でも、マルチ商法にハマるとそっちの事ばかり優先し、会えば勧誘話ばかりである。
また日頃から同じ目標を掲げるもの同士で集まる為、異様なテンションがある。
例えば、ネットワークビジネスの会合やセミナーに参加した人なら体験したことがあるだろうが、
参加している非会員の人達にとっては意味不明なタイミングで、一斉に盛り上がったり歓声が起きたり拍手が上がったりする。
こういった異様さがある。
3.排他的な雰囲気
マルチ商法も新興宗教も、とにかく異なるものを排除しようとする。
マルチ商法では、まず自社以外の製品を徹底批判する。
「その市販の洗剤は○○という物質が入っていて体に悪い」
「○○製のサプリは、石油から作られている」
と言った具合だ。
これも特に調べずに、セミナーなどで得た情報をそのまま流している。
そして自社以外のネットワークビジネスに対しても批判する。
「あの会社は前に訴えられたことがあるからやめた方がいい」
「○○社は売上が落ちているから危ない」
など、他社についてものすごく調べ批判したりしている。
このように、とにかく自分のビジネスへ賛同していないものへ対して排他的になる。
以上が新興宗教とマルチ商法が似ていると思われる主な点だろう。
これらは印象としてはマイナスに働いていることは言うまでもないが、
反対に考えると、上の3つを注意することができれば、社会的な受け入れももう少しは進むのかもしれない。