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アンチでも信者でもない某大手MLM会員が語るネットワークビジネスのこと

某大手MLM社(ア○ウェイ)の幽霊会員です。

元々少しネットワークビジネスでビジネス活動していましたが今は違うビジネスを行っています。

自身の経験から、ネットワークビジネスについて様々な見解や考察を書いてみます。

ネットワークビジネスの勧誘は多くの場合、こんな具合である。

あなたは社会人になり、仕事に追われる毎日。休日はというと・・・なぜか無駄に過ごしてしまう日々。

「何か楽しいことはないかなぁ・・・」なんて、いつも考えている。



そんな時。しばらく連絡を取っていなかった友人から急に電話が!

あなたは懐かしさでちょっとテンションが上がり、当然話も弾む。

聞けばちょうど近くに住んでいるというし、さっそく近々会う予定を決める。

久々にアイツと飲める!学生時代以来だ!



そして約束の日。ちょっとオシャレになった友人と再会。

仕事の話や昔のバカ話、共通の友達の話題などで盛り上がり「やっぱ旧友はいいなぁ!」なんて思う。

「このままこいつとは一生友達だ!」なんて心の中で叫んだりする。

最高の時間だ。



・・・しかし、次の瞬間、友人は言う。

「ところでさ、俺今仕事以外にサイドビジネスやってて、今日はそのビジネスをお前に紹介したくて誘ったんだ♪」

あなたは「???」って感じだ。

そして一気に雲行きが怪しくなる。友人は続ける。

「俺が紹介したいのは友達と一緒に成功できる夢のあるビジネスなんだ!!」

「権利収入って知ってるか!?不労所得みたいなもので、それがちょっと努力するだけで俺たちにも作れるんだ!!」

「夢ってある?俺は世界中をクルーザーで旅行したいんだ!!夢がないやつは人間として終わってるよな!」

「実は俺、最近すごい知り合いができて、その人は仕事もせずに毎月100万もらってるんだ!今度紹介するよ!!」

・・・などなど、友人の話は止まらない。

目は輝いているが、ちょっとクスリのアレっぽい気もしてくる・・・。



友人が熱弁を振るうごとに、あなたの頭の中は疑念でいっぱいになる。

「・・・こいつ宗教にでもハマったのか?」

「俺を利用する気なのか?」

「ってか友達じゃなかったのか?」

「とにかくヤバそう、怪しい・・・」

さっきまでの「コイツとは一生友達だ!」との決意はどこへ行ったのか。スーッと気持ちが覚めていく。

目の前で熱く語っている友人とあなたとの距離は、日本とブラジルくらい遠く遠く離れていく。。。

そして何とかその場は話をはぐらかし、友人と別れ、疲れきったあなたは、その友人と2度と連絡を取り合うことはなかった・・・。

あなたは思う。「これなら家でエロ動画見てるほうがよかった・・・」。



・・・と、これとそっくりな経験を持つ人は意外と多いというのが世の実情だ。

このパターンの勧誘というのは、ネットワークビジネス業界では、定番中の定番なのである。

アムウェイ、ニュースキン、ティエンズ、ニューウェイズなどなど会社に関わらず。

私もされたこういった勧誘をされた経験があるし、以前似たようなことをしたこともある(昔ちょこっとだけビジネスやってた時代に。申し訳ない)。

ただ、どちらも経験しているからこそ、そして今となって言えることであるが、この方法は明らかにダメだと思う。

あらかじめビジネス勧誘目的と伝えずに勧誘してしまうという、商法上の問題はもちろんのことであるが、

やはり何よりも、誘う側と誘われる側の温度差が大きく、勧誘によって結果的に人間関係を壊す危険性があるからである。

しかし一度スイッチの入った勧誘者は、その温度差や相手の迷惑心を感じとることが極めて難しい状況にある(自分では配慮しているつもりでもテンション上がってしまっているので冷静ではないのだ)。

結果として一方通行の片思い。友達という関係に溝が生まれやすくなってしまう。

仮に後々に、表面上は仲良くしていても、心のどこかに、絶対に溝ができてしまうのだ。



こういったリスクを冒してまでビジネスへ勧誘するというのは、明らかにあまり賢い方法ではない。

しかし勧誘者はというと、このような失敗の後であっても、“ビジネスの先輩”とやらから「よくやった!今回は失敗したけどまだチャンスはある!どんどん行こう!」などと激励されて更に燃えているのだ。

残念なことに、たいていの場合この“ビジネスの先輩”はあまり頭が良くない。

もちろん、一般にネットワークビジネスを行う方法論としては、「親や友人から攻める!」というのは正解であり基本であるし、家族や友人と成功するというのは理念でもあるだろう。



しかし私はこれについては非常に疑問に思っているのだ。

友人知人などを勧誘するパターンでは、元々のつながりがあるが故に勧誘を断りにくい状況になったり、しつこく誘われたりする、いわゆる“勧誘被害者”を多く生んでしまうからである。

勧誘者の、親も友人も知人も、ビジネスに誘われたいと願っている人はいないはずだ。

うまくいく場合もあるだろうが、うまくいかない確率の方が格段に高い。

元々の純粋な人間関係の上に、ビジネスという利害関係を上乗せしようとすることは、わずかな成功も生むかもしれないが、それ以上の被害(金銭的・精神的・人間関係的)を生んでしまう可能性が高いのである。

以上を踏まえると、私のネットワークビジネスでの勧誘に対する結論は1つ。

「ネットワークビジネスで新たな会員を勧誘するのであれば、全くの新規の人間と出会って関係を築き、あらかじめビジネス勧誘目的というのをきちんと明示しておくこと。」

こうすれば、ビジネスの勧誘によって人間関係を悪くするという可能性は大幅に少なくなるし、ビジネスとしてもかなりまともに見えてくる。

ややこしい誘い文句や回りくどい勧誘は必要なくなる。

そしてもし、友人に伝えたい場合は、相手からビジネスのことを聞かれるのを待つか、はじめからビジネスへの興味と理解を持ち合わせた人物をしっかりと選んで伝える、という方法がいいと思う。