一説によると、子供のいない女性にオスの犬を与えてはいけないらしい。
亡くした時のショックが大きすぎるとか。
親友にこの話をすると、「あ~~~~私達のことだねそれはまさに。言えてるかも」と。
もうなにしろ、可愛くて可愛くてどうしようもありません。
相変わらずの「抱っこして攻撃」は止まらず、昼間はPCでのタイピング不可能なので仕事は滞ってるのだけど、この仔にとっては、放置された期間の空腹やら孤独やらの怖かった思いがあるのかもしれないと思って、できるだけ解消してあげたいと思うのです。
私が昼寝をしていると、お腹を(たまに背中のことも)ピッタリくっつけて自分もそこで寝たり、おやつに二人で焼き芋を食べたり、こんな時間がとっても幸せです。
私と過ごせなかった13年間、どんな生活をしてたのかな、この家気に入ってくれたかな。
神様どうぞ時間を止めて、太郎との今まで、丸ごと過ごせなかった分も一緒にいたいのです。
さて、太郎は私が引き取ると決めたところで、私の席の前にブルーのメモが置かれました。
太郎が拘留のストレスから血尿を発症してまったく元気もないので、お身内の方の連絡がほしいという動物病院の先生からの電話があったそうなのです。
さっそく席を外れて先生に連絡をしてみると検体は精密検査に出したということでした。
私が週末に引き取りに伺う旨を言うと日曜日のお昼に来てくださいと言われました。
叔父にはYちゃんから、もう家に戻ることは無理らしいよと伝えてあったので、私が叔父に太郎を預かりますよと伝えに病室に行くと、叔父は寝たまま「頼んだよ。可愛がってね」と固く私の手を両手で握ってきました。
私も負けないほど強く叔父の手を握り返しました。
もう引き取ると決めると、一刻も早く太郎を引き取りに行きたいのですが、やはり旦那君の運転で私が後部座席で様子を見ながら連れて帰りたかったのでどうしても週末まで待つしかありません。
叔父叔母の体調が悪かったのは、多分二人ともそれぞれの手術をした去年の中頃からですから、正直太郎の世話まで手が回らなかったと思います。
散歩にも連れて行っていない、ご飯も市販の缶詰か何か(まぁ、いい缶詰ならOKだけど)。
一番困るのは、先生の話によると心臓の薬をもう中断してから4~5か月経っているというのです。
これは、先生に後日お会いした時「続けたところで最期があれですから…」みたいな話についなってしまったら、
「いやいやミランダさん、最期は仕方ないんだけどやっぱり投薬は命を断然延ばしますよ」というお話でした。
ストレスで血尿まで出てしまってる太郎…つらいのだろう、さみしいのだろう。
愛犬を亡くした飼い主の気持ちはそこここに綴られたものがあるけど、飼い主を亡くした犬の心中、いかばかりか。
毎日僕を見てくれてたママが急にいなくなった…太郎の不安と寂しさを考えると、気が違いそうになりました。
週末までの毎日、『太郎がんばれ、もうすぐ迎えに行くそれまでの辛抱だよ』と太郎に遠くからパワーを送っていました。
千葉の大網白里というところまで引き取りに行くのですが、お昼に、と言われると7時半くらいに家を出発しないとちょっと難しいです。
おりしも日曜日は東京マラソンということで、渋滞がどこで起こっているのかもわからないので、前日に私達は木更津入りしました。
アウトレットでブラブラし、遅ランチに天丼を食べました。
LINEで友人に天丼の写真を送ると「真ん中のは何?」答えはゆで卵よ。初めて食べました。
アウトレットの近くのホムセで太郎のものをいくつか買いました。シーツとかおやつとか色々。
本当はお兄ちゃんやお姉ちゃんのものをおさがりにすればまかなえると思っていたのだけど、すべてお古というのもなかなか残念だとおもったので、せめて新しいお洋服をと。新しいハーネスもほしい
だけど、火葬場の帰りにちょっと寄った時にパっと太郎を見ただけなので、サイズがハッキリとわからなかった。
ハーネス買えない。さらのおさがりになった
人生ってわからない。お正月には三か月も経たないうちに家に再び犬がやってくるなんて誰が予測できただろうか。
あまりに悲嘆に暮れている私をみて神様とこぶが「もうこれしかないだろう」と仕組んでくれた粋な計らいに違いない。
明日その犬がやってくる太郎、あと1日だよ、檻の中、あと1日の我慢だよ。明日になったら天国になるよ
皆で楽しく幸せに暮らそう
太郎に一番最初になんて声をかけてあげようか。
もう私はカインズホームのカートをガラガラと猛スピードで押して走りたいような衝動にかられた。
初めてうちの車に乗った太郎
日曜日のお昼。先生は太郎の前立腺や膀胱を調べたらしいけど何も発見されなかったと、やはりストレスからの血尿でしょう、ということでした。
この仔のことを赤ちゃんの頃から診ていただいていたけど、今日で千葉から離れる太郎。
カルテを見ながらこの仔のことを色々と教えてくれた。結構意志の強い仔で、気の短いところもあるから最初のうちは噛まれるかもということ。
えこぶにもさらにも噛まれたことなど一度もなかったから、ここは大いに焦った。
「だってね、うちの看護師が散歩に連れて行こうとしたら気に入らなかったらしくて噛んだよ。ま、僕もチワワ診る時は噛まれる覚悟でいつもいるよ」
あらまぁ、うちのこぶさらはよっぽどおっとりはんだったんだと今更ながら思いましたわ
看護師さんに「じゃ、本人連れてきて」と先生。
入院病棟のほうから看護師さんに抱かれた太郎が来た。
すべてを諦めたような表情の太郎がクニャンとした恰好で抱っこされ、私は色々太郎に話しかけようと思ってたのに、
「太郎」というのが精いっぱいだった。
先生に丁寧にお礼を申し上げ、お礼のお品をお渡しし、入院費用のお支払いも済み、三人で車で出発した。
叔父に会わせてあげたかったけど、お別れがかえってつらいだろうと思ったのでそのまま神奈川へと車を走らせた。
太郎は噛むどころか、ドアが閉まった途端から私によじ登ってきて、顔中をなめまわし、一心に目をみつめて、鼻を鳴らして何かを訴えていた。
太郎、もう大丈夫だよ。何も心配することはないんだからね檻になんかいれないし皆で幸せに暮らそう
皆様、ご愛読ありがとうございました。
私達に与えられた時間は他の幸せな家族よりうんと短いかもしれません。
でも叔母の死や、こぶさらの毎日の過ごし方でわかりましたが、先々のことをあれこれと細かく心配するのではなく、目の前に与えられた今日という日を大切に過ごせばそれでいいんだ、と感じました。
どうかポンポココンビを遠くから見守ってくだされば幸いです。
また、13歳から上の仔は初めて(こぶは13歳と2か月で送りました)なので、先輩の皆様、どうか困った時はアドバイスなどいただけるとうれしいです。
これからもよろしくお願いいたします