ある山に、愛犬を亡くしもう地球から離れてしまったかのような悲しい目をした初老の女性が住んでいました。

 

そしてあるところに、飼い主を亡くし行き場を失って一人ぼっちになってしまったタヌキのようなチワワがいました。

 

たまたま同時代に巡り合った二人は、思ってもいなかった、予期せぬ運命の出会いを果たしました。

 

予期せぬっていうのは、愛犬を亡くす悲しみをもう2度と味わいたくないから絶対に犬はもうありえないと固く固く思っていたからです。

 

でも世の中にはこういうこともあるのです。神様がお決めになったと思っています。

 

 

チワワの男の仔は名前を「太郎」といいます。

 

なんだかアザラシとタヌキのあいの子のような仔です。

 

二人が出会った時、すでに太郎は13歳という年齢になっていました。

 

初老の女性とはどうやら「ミランダ」という名で、アメーバでブログをたまに更新するようです。

 

太郎はミランダに初めて出会った時、目から涙を一杯流して、ミランダの顔を5分以上なめていたそうです。

 

そして、車中、隣に座るミランダの膝に登ってきて「抱っこして抱っこして」と何度も何度もおねだりをして、トレーナーから伝わる、久し振りに味わう人肌のぬくもりを目をつぶってジッと感じていました。

 

 

続く