さらと会えなくなってから43日が経過しました。私の中の感情というものは、悲しかったことを遠くから眺めるような諦めにも似た感覚のようです。かといって、さらが遠くへ行ってしまったような感じでもありません。
そのかわり楽しいこともうれしいことも、同じく何かすりガラスを通して見てるような、おかしな感じを伴います。
TVが本当に面白くなくなりました。お笑いとかは時々見るのに嫌悪感を覚えます。
ワイドショーとかをみると、何をくだらないことで騒いでるんだ、と思ってしまいます。
O型の人間ってほかの血液型に比べ一番動物に近しい存在だそうです。
なので、愛犬の死というのは私にとってみれば私は人間でそれで犬の面倒をみていたとかいうより、旦那(これまたO型の)と三つ巴になって(こぶのいた頃は四つ巴)三匹の動物が団子状態になって生活していたっていうかな…。
「エサ」をやるとか、犬を「飼う」とかって言葉も違和感。「一緒にご飯を食べる」または「ごはんをあげる」「一緒に暮らす」だとOKです。
「ペットロス」とかっていう言葉もなんとなく違和感。そんなものじゃなく生命の危機くらいの喪失感。
人間のこの世での苦しみとして「愛別離苦」という言葉があるけど、犬を魂の伴侶と考えている人間にとってみると、愛犬の死というにはそれこそヒトがこの世に生まれてきて味わう四大苦の中の一つであるように思えます。
少なくとも、自分の一番柔らかな部分で接してた私のこぶさらの場合はそうです。
私は犬猫や動物ものの映画は観られない。
ニュースで人間の事件をやってると「あらま、気の毒に」と思うけど、すぐに気分は転換できます(児童虐待は除く)。これが犬猫が可哀そうな目にあったニュースなどを一旦聞いてしまうと一種の鬱のようになり、噛み過ぎたガムのように粘っこく頭からなかなか離れていかず、家事も仕事もまわらなくなってくるのです。
毎年、ひどい数の犬猫が行政によってガス殺されていることについても、何回も環境省へ抗議の手紙を書いたし、団体で署名運動をしたりしたこともあるけど、小池さんはどうなってるんだ?「殺処分なんてやめさせる」とかなんとか言ってたよね…。
話がだいぶ逸れたけど、毎日さらの残り香の中に漂って生活してると、さらの習性の一つ一つがつい昨日のことのように思い出されます。
うれしい決まり事ばかりです。
車から降ろす時に、私に抱っこされやすいように背伸びをして、両方の手ってを抱っこ型にして私に差し出す。
大きな公園にパパとみんなでお散歩に行って、野菜市場のある日には、私が買い物をしてる間は涼しい木陰でパパとさらは待ってたよね。
それで私が買い物がすんで買い物袋を手に、戻っていく時のこと。
市場のたくさんの人混みの中からだんだん自分のほうに近くなるママのこと、「あれ?ママに似てる人が歩いてくる」「あれ? -と白内障のモヤのせいで真っ直ぐは見られなくて、下から横から一生懸命覗くようにして- こっちに歩いてくるの、ママ?」
「あ!さらのママだ!」と分かった時のあの視線がピッタリと合って、パっと明るくなった表情としっぽ!そして8メートルのリードいっぱいに全力で私に向かって走って来る姿!本当にうれしかったなぁ
そんな光景がハッキリと脳裏に浮かんでは消え…。
↑ はこぶ丸です
それにしても、家の中では順位はパパのほうが上だったのに、お散歩に行くと、パパよりいつも私に付いてきたがった、あれは何故だろう?リードを持ってるのはパパなのに、スルスルと延びて体は私の横にピッタリだったよね、未だにわからないよ、その訳が。
ところで、きのう待ちわびていたクリスタルの位牌が届きました。
迷っていた10文字は12文字にしてもらい、3月の誕生石である「アクアマリン」が光ります。
こぶ丸兄ちゃんのより一回り小さめです。
生前は、優しいこぶ丸兄ちゃんが名誉をかなぐり捨て、さらのされるがままだったので、今思い出すと本当は先住犬のために人間が「兄ちゃんが先だよ」ってわからせてあげないといけなかったね。
これはこぶ丸に申し訳なかったなとちょっぴり思うことがあって。
こぶはいつも大きな包容力でさらを可愛がってた。こぶの前ではさらはわがままし放題の妹みたいで。
さらはね、最初に自分の分のクッキーをもらってもそれをどこかに隠してきて、「まだもらってません」って顔で、またもらいに来たりしてたの。
それで「もうあげたでしょ」って言ってあげないと、今度はこぶに唸りにいくというね…
ウ~~~っていうと、こぶは自分の咥えてたクッキーをわざとポトって落としてあげたりして。
それはそれは優しい仔だったのね。
そんなお兄ちゃんの名誉挽回のために、ちょっとさらの位牌のほうが小っちゃめです。
はぁ~、暑くて半袖、書斎に扇風機いれて書いてます
こないだまでさらを苦しめた寒さが嘘のよう!
冬の間に体調を崩してた仔達、もうちょっとで桜も満開になるようれしいね!よく頑張ったね