2月1日午後6時少し前に、ミランダの魔法がとけました。彼女は既に苦しかった咳から解放され、お兄ちゃんの待ってるとても素晴らしい世界へと旅立ちました。12歳11か月でした。

 

この前の日、絶好調なさらは夕食も完食でした。いつも私の手作りなのですけど、おいしいお肉だけ食べた後に毎晩レギュラーのリゾットは五分の一くらい残すのにこの日はすべてをたいらげ、そしてデザートはサイコロ切りのりんごでしたがこれも完食しもっとりんごを食べたいと言うので追加すると、皮をちゃんとむいてよ、と吠えました。

食後には大好きなおっとっとを食べてご機嫌でパパから別のビスケットももらってました。

今から考えると、リゾットまできれいに残さず食べるとは、そしてその後に私の顔を少し長めに見たので、完食した元気な自分を私の記憶に残したいという願いがあったのでしょうか。

 

未明から咳が出だしたのですが、いつもとたいして変わりはなく、シロップを飲ませるほどでもありませんでした。

 

朝になると普段は咳はあまり出ないのですけど、ちょっと軽めの咳が続くので注意してみてました。

ちょっと寒いのか?と思ったので、エアコン設定を1度あげました。

昼頃から明らかに気管支由来ではない咳が出たので酸素室へ誘導しました。

 

病院は休みでしたが、電話に馴染みの看護師さんが出、先生にかわってくれました。先生はこの日病院にいらしていて、酸素室から出して病院に連れてくるのは危ないとのこと、実際、ちょっとだけ出してとさらに言われた時、咳がものすごいことになってしまったので、これは車で運ぶ途中で、以前の夜間救急に搬送した時みたいにどんどんヒートアップしてくるのはもう目に見えてました。

先生は、さらのためになる薬はすべてあなたの元にあるからということで、指示された薬をすべて飲ませましたが、私は飛行機の中で心臓発作が起きたキャプテンのかわりに、管制塔からの指示で操縦をしなくてはならなくなった、乗客のような気分になってしまいましたが、落ち着こう落ち着こうと、心を務めて穏やかにするように頑張ってました。

でも、「いつ何が起こるかわからない」と言われてた意味がこういう事なのかと。それが心臓病なんだなと…。

「待ってくれ待ってくれ、悪い夢なら醒めて!」「なんで?きのうあんなに絶好調だったじゃない!」とどうしても焦る気持ちは抑えられませんでした。

 

日頃から私はH先生(お兄ちゃん-同じ病気で3年前に虹の橋へ-が赤ちゃんの時からのおつきあい)との会話の中で、もしそうなった時、さらを無理クリ注射を何本も打ったり心臓マッサージ、強心剤などで1秒でも長生きさせたいというのではなく、さらが苦しまないということを第一優先にする、とお話ししていました。

 

おにいちゃんの時の苦しみよりは楽な感じでした。いえ決して楽ではないけど、発作時、途中休憩が入るので、あ、納まったかなという…。

 

パパに「早めに帰ってきた方が良い」と連絡し、戻ってきたのを待っていたように、さらはだんだんガクッガクっと弱弱しくなり、酸素ハウスの中で自分で横になり、最後に大きな息をして呼吸が止まりました。

なので、恐れていたような窒息死ではなかったし、最後はパパに抱っこされ、大好きだったお家からの旅立ちでしたので、私たち夫婦が考えていたせめてもの最良な形となりました。

 

さら、もっと大きな庭付きの家でなくてごめんね、こんなマンションで。こんな家でも退院した時のあなたの喜びようは一生忘れない。

お茶目で気が強いところがムッチャ可愛かった。私たちのところに来てくれてお世話させてくれて、ほんとうにありがとうね!

 

パパは以前から、最期は病院でっていうのは絶対に嫌だと言い張ってましたが、お兄ちゃんを看取った時はパパは見てなかったので、それは叶えばいいけど、その時の発作の様子にもよるけど多分無理な話だよといつも聞かせていました。

でも今回は違った。病院大っっっっっ嫌い大大ストレスのさらは最期は自分の意思を通せたと思います。

顔も、それはそれは穏やかで、まだ死んでしまったのだということがあまり理解できないほどの可愛い寝顔です。

 

来月に13歳の誕生日を迎えるのを楽しみにしてましたけど、きのうご遺体をきれいにするから病院へいらしてくださいと言われ、同じチームのI先生が応対してくれ「さらちゃんはもう頑張り過ぎるほど本当によく頑張りました」と言ってくれた時、そうだな、ギリギリの状態と言われながら年越しができただけでも奇跡的だったのに、欲をかいてもっと生きてもっと生きてと自分のエゴだった、と悟りました。

もちろん、1分1秒でもずっと長く一緒にいたいです。でもさらは3キロにも満たない体で毎日たくさんの薬をのみ、この一か月二か月は私たちに対する絶賛サービスだったんじゃないかと思います。

 

さらに対して応援の温かなメッセージをくださったみなさま、心よりお礼を申し上げます。

そして、皆さまの可愛い天使たちがお母さんたちと毎日楽しく暮らせますようにいつもいつも願っております。

 

また更新しますので、よければ時々覗きに来ていただければうれしいです。

さらの赤ちゃんの時の写真です。