東京五輪までに日本人1000万人を英語が話せるようにするために、Ed-tech生態系をつくる | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

東京五輪までに日本人1000万人を英語が話せるようにするために、Ed-tech生態系をつくる

レアジョブのサービスミッションは、「日本人1,000万人を英語が話せるようにする。」です。

先日、これに期限をつけました。
「東京五輪までに日本人1000万人を英語が話せるようにする。」

前の東京五輪までには日本に新幹線と高速道路が走りました。
次の東京五輪までには、人々の心の中に国境をこえるレールを走らせようと思います。
そうなれば、日本も世界ももっと素敵な場所になるはずです。

ここでいう「英語が話せる」とは、ネイティブ並みにペラペラになるということではありません。
英語を理由に人生で何かをあきらめたりはしない、ということです。
外国人相手にビジネスをするのでもいいし、留学するのでもいいし、パックツアーでない海外旅行にいきたいとか、駅で困ってた外国人に道を教えられる、でもいいです。
日本人口の約10%が英語をなんらかの形で勉強していると言われています。
その全員を、英語を理由に人生で何かをあきらめたりはしない水準にしたいです。

しかし、それは1000万人全員がネイティブとの会話に困らない英語力を持つ、という意味ではありません。
それができるのは早くても2030年だとみています。
2020年の東京五輪までにできるのは、街で困っている外国人に親切にできる英語力です。
単語を並べて最低限のコミュニケーションをして、そのあと笑顔でHave a nice day!と言えれば、
外国人が日本で受ける印象はがらりと変わるでしょう。
(専門的にいうと、CEFRのC1/C2レベルではなくA1レベルのInteraction能力を持つ、ということになります)

特に、日本人は中高で学んできた英語の基礎力があります。
だからあと必要なのは二つだけです。
それは、話すときの文例と、その文例を外国人と練習する機会です。
この文例&機会を日本人1000万人に届ける、これを目指しています。
もっとひらたくいいます。
レアジョブ英会話に無料登録された方はまだ累計で約30万人です。
他のオンライン英会話を合わせても、(ダブりを省けば)50万人にいくかいかないか位でしょう。
この50万人を2020年までに1000万人にする。
この1000万人全員がレアジョブのサービスを実際に使うかどうかはわかりません。
ただ、1000万人が意志さえあれば思えば外国人を楽しく迎え入れられうるようになる。
この状態を目指したいと思います。

しかし、どうやったら1000万人に届くでしょうか?
オンライン英会話はまだまだ恐らく100万人にも満たないはずです。
市場の成長をまだまだ加速させていかないといけません。
ではどうやって加速すればよいでしょうか?

それを先日、議論しました。
11月6日と7日、レアジョブ7周年の日に、
熱海で合宿をはり部長級のスタッフたちと2日間議論しました。
そしてそのときの結論は次のようなものです。

Ed-tech生態系をつくる

Ed-techというのは、教育×IT、つまりインターネットなどをつかって新しい教育の姿を模索しているベンチャー企業を指します。
レアジョブもその一社ですが、一社の努力には限界があります。
おそらく東京五輪までに1000万人は難しいでしょう
しかし、たくさんの教育系ベンチャー企業がお互いに相乗効果を発揮すれば、不可能も可能になると思います。

具体的には、レアジョブから他の教育系ベンチャー企業に送客したいと考えています。
それも、なるべくレアジョブとサービスが連動してくれるところに送客したいです。
(他の教育系ベンチャー企業からレアジョブへの送客を求めるだけでは生態系とは呼べません)

お客様からしたら、サービスがレアジョブだけで提供されているか、複数の企業から提供されているかは、あまり関係がありません。
効率よい学習を継続して行い、学習目的を達成できる環境はどこか。
それがお客様が気にしていることのはずです。
どのサービスがレアジョブでどのサービスがレアジョブでないかは、お客様に関係がありません。
当然、レアジョブが得意なことは他社は得意ではありませんし、その逆もまた同じです。
だとしたら、様々な教育系サービスの中でベストな組み合わせでお客様が英語学習できるのが、いちばんベストではないでしょうか。

だから僕たちは反省しました。
これまではレアジョブがスタンドアロン、つまり一社で全てをやろうとしすぎていました。
一方、フェイスブックやグーグルは他のネット系ベンチャーに送客しているがゆえにその繁栄を築いています。
そのオープン性をレアジョブも学びたいと思います。

繰り返しになりますが、レアジョブが戦うべき相手は他の教育系ベンチャー企業ではありません。
戦うべきは相手は、学習者が学習目的を達成するうえでの阻害要因です。
なぜやる気が途中でうせてしまうのか。
そもそも学習を始めようと思えない理由はなにか。
これが戦う相手です。
他の教育系ベンチャー企業はともに戦う仲間です。
ともに戦っていくなかで、恐らくは自然と、英語学習のオンライン・オフライン比率が変わってきます。
現在の英語学習は、たいがいが二極分化しています。
オンライン:オフラインで100%:0%のものか、0%:100%のものかしかありません。
しかしどちらかに偏るのが英語学習に最適なわけではありません。
今後は、30%:70%などさまざまなサービスが増えていくはずです。
レアジョブは仲間とともにその最適な比率をみつけていきたいです。

そうやって仲間とともにユーザーの声にお応えしてはじめて、1000万人の現実性がでてきます。
日本人1000万人÷オンライン英会話の累計無料登録者が現時点で推定50万人=20倍
20倍は大きな数値ではあります。
しかし、オンライン英会話市場が5年のあいだ毎年倍々成長を続ければ、2の5乗
は32。
20倍にできるかどうかは、倍々成長を5年間続けられるかどうかです。

もちろん、無料登録者を単純に増やすだけでは意味がありません。
たとえばレアジョブは「English Path」という自社メディアで英語学習情報を提供しています。
この記事を読むためだけに無料登録を課すという方法もあります。
しかしそれでは本末転倒です。
お客様に不本意な形で登録者数を増やしても意味がありません。
お客様の体験をより上質なものにするために登録が最低限必要なときがある。
これが本来の立場なはずです。

しかし、繰り返しになりますが、倍々成長を5年間続けるのは並大抵ではありません。
これからお客様の中身がかわっていくことも、その難しさに拍車をかけます。
例えば、これまでオンライン英会話は「新しいもの好き」な方々にご利用いただいてきました。
しかしこれからお客様になってくださるのは、より慎重な方々のはずです。
つまり、お客様をひとり確保するのに必要な事前接触回数が増えていくということです。
例えば、「新しいもの好き」な方々は、「レアジョブいいよ」と1回聞くだけでレアジョブのサイトを訪問してくださいます。
一方、もう少し慎重に判断される方は、1回の接触では動きません。
会社の同僚と高校時代の友人と家族、3人からレアジョブのことを聞かないと、レアジョブのサイトを訪問しないことさえあります。

ですから、一人のお客様を確保するうえで必要な事前接触回数は数倍から20倍に増えていく可能性があります。
さきほど、2の5乗の人数の無料登録者が必要だと書きました。
両方をかけあわせると、必要な事前接触回数は2の5乗×20倍だということになります。
「オンライン英会話、イイよ」という推奨をいまよりも数百倍に増やせるかどうか。
1000万人を達成するというのはそういうことです。

しかし、ここを乗り越えたサービスは存在します。
例えばLINEやフェイスブックです。
ではLINEやフェイスブックはどうやったのでしょうか?

両社とも広告をガンガンだしたから1000万人にいったわけではありません。
そうではなくて、人々のコミュニケーションを活発化させることで、
「フェイスブック、やらないの?」
「Line使っている?」
そんな会話が数百倍に自然と増えていったのだと思います。

それと同じことを、英語学習でやろうと思います。
一定量のマーケティング投資は必要だと思いますが、それがすべてではありません。
むしろ最大の強みになるのは、お客様だと思います。
サービスに共感するお客様たちが自然にコミュニケーションしてくれるかどうか。
お金に動かされたのではなく、共感で動いてくれるかどうか。
競合企業の中にはお金で押そうとする会社もありますが、
そのときに僕たちは心で押していきたいと思います。

ではどうやって心で押していくか。
ひとつの答えはEd-tech生態系です。
「なぜこの事業をやっているのか」という思いをサービスに反映させている企業たちとともに栄えていきたいです。

もうひとつの答えは、たとえレアジョブの中だけでも人々のコミュニケーションを活発化させていくことです。
オンライン英会話の大半はマンツーマンですが、楽しいコミュニケーションはマンツーマンに限りません。

Ed-tech生態系をともにつくる。
グループでのコミュニケーションを活発化させていく。

お客様が必要とするプロダクトを自社かどうかに関わらず推薦し、
お客様のコミュニケーションを対講師以外にも活発化させていく。

東京五輪までに日本人1000万人を英語が話せるようにしていきたいです。






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