タクロバン再訪問 その4 | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

タクロバン再訪問 その4

障碍者が働く家具製作所を訪ねた。

山の中、舗装されていない道を車で行くと、
このような建物が建っていた。

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中で働くのは障碍者たち。
主に、IHと呼ばれる、聞こえない・話せない人が多いそう。

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作っているのは、学校施設向けの机や椅子。

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そこの前代表に話を伺った。

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彼女の話によると、

・災害後、まだ電力が復旧しておらず、
 自家発電機を回している
・だが、電力は十分でなく、
 生産量が以前ほどには回復していない
・一方で、発電機を回す燃料費が高くついている
・電力が復旧するにはあと3か月はかかる

・トラックや船が流されたので、
 運搬費が倍以上になったり、運搬が間に合わなかったりしている。

・一方、台風前に取り決められた契約書に従って納品せねばならず、
 赤字がかさむ。

・ただでさえ、台風前から、借金の利息がかさんでいたところ。
 経営は非常に厳しい。

・学校向けの家具だけではなく、
 一般向けの、デザインが洗練されたものを提供できれば、
 より高い利益率を出せるはずだが、苦戦している。

下記の写真は、製作所内で話し合われている、
製作所における問題とその解決方法の一覧図。

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台風前の状態に戻すだけでなく、
さらに+αを目指す、
そんな起業家精神が求められていると感じた。

なお、このような状態の製作所であるが、
被災直後の暴動時には、
設備の破壊や盗難を防ぐため、
屋根の4か所にスナイパーを配置せねばならなかったそう。

施設が稼働しているだけでも、まずはありがたいと思わないといけない。