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スーパーコンピューター「京」で進化する低燃費タイヤ開発
タイヤに求められる性能の多様化や高度化が急速に進んでおり、今後もより高いタイヤ性能が求められ続けることは想像に難くない。そんな高性能タイヤを支える新素材の開発をスピーディーに進めるため、ダンロップなどのブランドを展開する住友ゴム工業は、スーパーコンピューター「京」を活用するという。
「京」は、世界トップクラスの計算速度を誇るスーパーコンピューター。物理学や工学、化学、生物学、医科学など幅広く研究を行っている理化学研究所と富士通による共同開発によって2012年6月に完成した。住友ゴムは「京」を使い、2011年から取り組んでいる「4DNANODESIGN」による新しい素材開発を加速させ、より高性能なタイヤを開発する。
タイヤの低燃費性能や摩耗性能を極限まで高めるためには、素材となるゴムの分子構造をナノレベルで設計することが必要となる。そのナノレベルの素材設計にあたって、低燃費性能や摩耗性能を大規模シュミレーションするのに「京」を活用するのだ。
“エネルギーロス”、“ナノ粒子の分子構造最適化”、“配合された材料の構造最適化”の3方から大規模なシミュレーションを行い、導き出された設計に基づいて素材を合成、低燃費性能とウェットグリップ性能を高次元で両立させることで、タイヤのパフォーマンスを最大限に発揮することができる。
これまで、住友ゴムが素材開発に使用していたスーパーコンピューターに対して、今後使用する「京」の演算処理能力は約280倍。これまでよりもさらに大規模なシミュレーションを行うことで予測困難だった現象を解明し、新素材開発をより効率的に行う。
スーパーコンピューターの世界など想像すら追いつかない異次元な世界ではあるが、この取り組みによってタイヤ開発が一段新しいステップを踏んだことは間違いない。進化した「4DNANODESIGN」によって一層、地球環境へ配慮した安全で安心な、高性能で高品質なタイヤが誕生する日が待ち遠しい。(記事提供 カーセンサー.net)