同期4人の飲み会、ひとつのテーブルに、堤と陽菜が
その向かい側にチャンミンと私が並んで座った
まるで問い詰められるかのような視線を感じながら
今回の事の成り行きをまず私が話して
横からチャンミンが補足してくれた
「なるほどね~・・ 事情はよくわかった・・ それにしてもー」
「私、それ、ニュースで見たよ、大きなトラックがアパートに突っ込んでるやつ!!
あれって、美貴が住んでたところだったんだ~?」
何か言いかけようとする堤の横で
陽菜が思い出したように身を乗り出してきた
「すっごい災難だったね~、でもよかったじゃん。
たまたまチャンミンが送ってくれてたから・・」
「そうなのよっ!!!」
私もつられて身を乗り出し相槌をうつと
「ほぉ~んっと助かった、なんてもんじゃないですっ!!
ありがとうございました!!」
あらためて、隣にいるチャンミンにお礼を言った
「・・・ 別に。」
それだけ言うと、チャンミンは生ビールが入ったジョッキに手を伸ばし
口へと運んでいく
「よく、・・ 送って行ってるのか?成瀬のこと」
堤も同じようにジョッキを口に運び
上目遣いでチャンミンに聞いてきた
「・・・ そうでもないよ、たまたま」
チャンミンも上目遣いで返事をする
なんとなく緊迫した雰囲気の中へ
陽菜が割って入った
「どうせ、美貴が甘えてるんでしょ~?
終電逃す度にチャンミンのとこ、走ってるんだって?」
ドキッ
なんで知ってるのっ?
「陽菜・・・ どうしてそれを・・・」
「受付嬢の情報ネットワークを甘く見ないでよね?うふ」
ゾワッ
「え?なに?それ・・ もしかして、変なこと言われてるの?私・・」
噂になってたりするの?
「変なことって言うか~・・」
陽菜がチラッとチャンミンの方を見る
え?なに?
「まぁ?だいたい、チャンミンは美貴に甘いのよ
同じ同期なんだから、私にも優しくしてほしいな?」
両肘をつき、組んだ手の甲の上に顎をのせ
陽菜が可愛くチャンミンを見つめてそう言った
どきっ
え?
チャンミンって、私に甘いの?
「別に成瀬に特に優しくしてるつもりはないけど?」
ガクッ
そうでしょそうでしょ
わかってますって
「ごめん、ほんと・・ 私がついつい甘えちゃって・・」
「そうよね、でもね、美貴。気をつけないとチャンミンて人気あるからー」
「あー、わかった!もう送らない」
突然、チャンミンがそう言って空になったジョッキをかかげると
もう一杯、おかわり!と注文をした
ええっ?
もう送らないって・・
「うそっ、ちょっと待った!え?なんでっ?だってこれから同じアパートなんだからっー」
「・・・ だからなに?オレは成瀬の運転手じゃない、って言っただろ?」
「・・・・・・・」
うっ・・
そりゃそうなんだけど・・・
「ついで、っていうか・・ その・・」
どうせ同じとこ帰るんだし、朝だってー
「・・・ ガソリン代、払う?」
「あ、うん、払う払うっ!!」
それくらいなら・・
当然だよね?
タクシー代より全然安くつくし
「ほぉ~~らっ!!チャンミンっ!それが甘いって言ってるのよっ!!」
いきなり割り箸が伸びてきて
私たちの目の前でくるくる回ってる
「そもそも、終電なくなるまで残業することの方がおかしいだろ、やめれば?」
堤が低いトーンでそう言いながら、鶏の唐揚げを頬張る
「あー、うん・・ だよね。普段はないんだけどね?
どうしても急ぐときとかあって・・
私のやり方が悪いのかな、他の人たちは帰ってるんだし・・」
「そうだな、成瀬、研修の頃からどっか要領悪かったもんな~」
堤がもうひとつ唐揚げを頬張る
がーん・・・
わかってるけど、やっぱ、言われるとショックっていうか
そうかそうか、要領悪いのか
「ちょっと堤っ!そういう言い方はどうかと思うよ、美貴だって一生懸命・・」
「納得いくまで、丁寧なんだよ。成瀬は・・」
ガタガタッ
そう言うと隣の大きな影が動いて、立ち上がる
「ごめん、ちょっと電話・・」
チャンミンは、ポケットから振動する携帯を取り出すと
私たちに掲げて見せ、店の外へと歩いていった
私は、さっきからなくなりそうな勢いで堤が食べている唐揚げに
箸を伸ばすと、とって口に運ぶ
ん~・・
美味しい~
「ほれ(これ)、おいひぃね~(おいしいね~)・・」
ひとくちで頬張るにはちょっと大きかったかも・・
口の中がいっぱいになる
「電話、誰からだろうね?」
陽菜の問いかけに
「ほんなの、わはるわへないじゃん・・」
もぐもぐしつつも答えると
「おまえは、口の中のもの、なくなってからしゃべろよ」
堤に正面から、頭をこつかれた
もぐもぐもぐ・・・ ごっくん
「ところで成瀬、明日って暇?」
「明日?」
土曜日・・・
「そ、休みだろ?」
「私、空いてるわよ?」
「森崎はデートだろーが、一緒に暮らしてる彼氏に怒られるっつうの!
映画のタダ券もらったんだけど、成瀬、よかったら一緒にー」
「あ、ごめん・・ 私、ほら、引っ越したばかりで
色々整理しないといけなくて・・・」
映画なんて久しぶりだから見たい気もするけど
そんな余裕はない
両手を合わせて、ごめん、って堤に謝る
「・・・ そっか、残念だな」
「だから私、空いてるってば!」
「森崎・・ 何回言わせるんだよ・・ おまえと行ったらー」
「別れたんだけど」
「・・・・・・ へ?」
「はぁ?」
陽菜の言葉に、私も堤も口をあんぐりあけて驚いた
つづく・・・
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どうやら、この人たちの飲み会って
話題がてんこ盛りでなかなか終わりそうにありませんね
まぁ
そうじゃないと、お話にならないわけでして・・・
こんな暗中模索なお話で、もどかしいぃーーー
よい週末を^^