ガチャリ

 

「ただいま~・・」

 

 

玄関のドアをあけると

そこに立って僕を出迎えてくれたのは

 

 

「・・・・ サダコ?」

 

 

 

日本のホラー映画で見た長い髪の女・・・

 

 

「なにっ?サ・・? ダレよ、それっ!」

 

「・・・・ 母さん・・?」

 

 

カツラか・・!

 

 

「そうよ、どう?どう?」

 

 

そういうと、母は少し前に流行った女性グループの曲を振付で踊りだし

 

「ヘジュの幼稚園の夏祭りで、ママたち、踊るの♪」

 

得意気だが・・・

 

それを人前で?

 

 

「やめといたほうが・・・」

 

 

そこまで言いかけたとき

すごい勢いで家のドアが開き

 

ハァハァと息を切らした父が駆け込んできた

 

 

「パパ?・・そんなに慌てて、いったいどうしたの?」

 

 

カツラをつけたまま、大きく目を見開いて驚く母に

父は一切つっこむこともなく

膝に手をつき、息も絶え絶えに、口を開く

 

 

「・・・ ジスが・・ ジスが・・逃げた」

 

「ええーーっ? 逃げた、っていったい・・??」

 

 

 

ジスというのは、ボクのひとつ上の姉だ

 

逃げたというのは?

 

「父さん、落ち着いて。ヌナがいったいどうしたの?」

 

 

「あれほど・・ あれほど大事な見合いの席だ、って言ってたのに・・

父さんとの待ち合わせ場所に現れないと思ったら

メールが来て、今つきあってる彼と結婚するから許してくれって・・・」

 

 

「ええええーーーーーっ!! ジスってば、つきあってる彼がいたのっ?」

 

 

「母さん!今、そこじゃないでしょう」

 

 

可哀想に父さん、頭を抱えてるよ・・・

 

 

「どうしよう・・ どうしたらいいんだ?

今夜ジスを連れて行かなかったら

クビだ・・ 父さん、クビになる・・」

 

 

「クビって父さん、そんなことにはならないよ

見合いを断るだけでしょ?・・・・ ほら、立って」

 

 

ボクは父さんに手をのばし

抱えるようにして起こした

 

 

「・・・・・ チャンミナ・・・」

 

「・・・うん?」

 

 

ボクの腕のなかで

父さんはうるうるとした瞳でボクを見つめると

 

 

「そうだ、チャンミナ!おまえがいるっ!!」

 

 

「・・えっ?」

 

 

「母さん、それ、貸して!!」

 

「えっ?あなた、それって?」

 

「そのっ、頭に被ってるやつだ!」

 

 

 

え?え?え?

 

「ややや、え?なに?父さんっ?」

 

 

「やー、チャンミナ・・ お前は本当に綺麗だなぁ~」

 

 

「はぁっ? なにをっー」

 

 

「ささっ、ジスの部屋で何か似合う服を見つけて着替えようか」

 

 

「はっ?父さんっ?まさかっー」

 

 

さっきまで倒れこんでいたとは思えないような馬鹿力で

父さんはボクをヌナの部屋へとひっぱっていく

 

 

「ややや、ムリっ!ナニ考えてんのっ?ボク、オトコだよっ?

背だって、こんな高いしっー」

 

「だいじょうぶだ、いまどき、背の高い女の子はいっぱいいる」

 

「いやいや、待って待って!声っ!この声、どう聞いたってー」

 

「だいじょうぶだ、風邪でも引いてるということにしてあまりしゃべらなきゃいい」

 

「そうじゃないでしょ、ちょっ・・ オンマーーー!!!」

 

 

たすけてくれっー

 

 

「そうね、チャンミナ、ほんとに綺麗だし・・メイクをしたら女の子にしか見えないわよ、きっと」

 

 

うそだろぉぉおおおーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ こんな、騙すようなことをしていいと?」

 

 

高級料亭の個室

見合いの席

どうやら、相手側より早く着くことが出来た僕たちは

白布のかかったテーブル席で

横に並んで座り、緊張MAXだ

 

 

「大丈夫だ。参加することに意義があるんだ。」

 

 

オリンピックか!!

 

 

「向こうに断られたらいいんだから、おまえは心配することはない。」

 

 

そうは言っても・・・

 

 

「もし、オトコだってバレたらどうするんですかっ」

 

 

「そこは大丈夫だ。母さんも言ってただろう?」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

甘い・・

あなたたちは、夫婦揃って甘すぎる

 

って、ついてきたボクもボクだけど・・・

 

 

だって、クビになるって父親に泣きつかれたら・・・

 

 

 

はぁ~

 

スカートなんて

足がスースーするっ

 

 

それにしても・・・

ボクに着れる服があるなんて

ヌナ・・・

ダイエットしたほうがいい

 

 

 

 

「お連れ様がお見えになりました」

 

 

 

 

ドキッ

 

 

きっ・・ 緊張するっ

 

 

父さんとふたり

背筋をのばした

 

 

 

 

コツコツと、革靴が足音を鳴らし

 

ドアから人影が覗いた

 

 

 

 

「お待たせしてすみませんでした。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・

 

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

 

 

キャ━━(#゚ロ゚#)━━ッ!!

 

 

わ、わ、わ、わかりますよねっ?

 

このお見合いの席に現れた御仁が誰なのかっ!!

 

 

。+.。ヽ(*>∀<*)ノ。.+。キャハッ

 

思いついちゃった、思いついちゃった

 

こんなのも面白くないですっ?