「びっくり・・ そら、でしょ?そらよねっ?」

 

 

あ、イントネーション・・・

微妙にその違いを感じた

 

驚いたことにそのスレンダー美人な彼女は長い髪をなびかせ

空也くんのところへと駆け寄ってきた

 

まさかの・・・ 知り合い?

 

隣に立つ空也くんを見ると

 

「・・ 誰?」

 

 

無表情な顔でそう言った

 

 

途端に一瞬かたまる美人さん

 

 

あれ?

人違い?

 

 

「やだなー、忘れちゃったですか?ヘリョンだよ、ほら!昔ぃ、いつも一緒に遊んだでしょ?」

 

 

美人さん、空也くんの胸上に手をあて

とんとん、とやりながら声をかけ続ける

 

メンタル強いな

 

 

 

 

「あー、思い出した。そんな名前のヤツいたな、すっかり忘れてたわ」

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 

・・ ほんとに?

 

さすがに彼女の顔にショックの色が浮かんだ

 

 

「どういうことなの?空也、ヘリョンと知り合いだったのか?」

 

 

近づいてきたチャンミンがようやく声をあげた

 

「みたいだな。すっかり忘れてたけど」

 

 

 

うそだ

 

だって今、2回言ったもん

すっかり忘れてた、って

 

 

「え?チャンミンっしー、そらと知り合いなのですか?」

 

 

「へたくそ。・・・・ へたくそになったな、日本語」

 

 

「へたくそ?しょーがないでしょ、最近またこっちに来たばかりですよ?」

 

 

 

十分、流暢なもんですよ

それだけしゃべれたら・・・

 

またこっちに・・ね

 

 

あー、言い合ってる2人も気になるけど

私がもっともっと気になるのはもう一人のほうで

 

ちらっと視線を向けると

なんですか?って顔されて

それはそれで嬉しかったりして

思わずにやけてしまう・・///

 

 

 

ぐいっー

 

・・え?

 

いきなり空也くんに肩をつかまれた

 

 

「まぁいいや。じゃ、俺ら、これからなんで」

 

 

・・・へ?

 

俺ら?

 

これから?

 

 

・・・ 何が???

 

 

「行くぞ」

 

「行くってどこー」

 

 

本日二度目のこのやりとり

今度はギロッと睨まれる

 

「(おまえだってこれ以上あの2人、見たくないだろ?)」

 

「・・・・」

 

 

おまえだって、ってことは

それ、自分もって言ってることになるんだからね?

 

「(あとで全部教えてよね?)」

 

2人に聞こえないよう小声で会話を済ますと

しょうがないから空也くんに肩を抱かれたまま、エレベーターのほうへと向かう

 

これって、さっき2人が下りてきたやつ

 

 

あー、そっか

上で食事をするってこと?

 

扉がひらき、2人そのまま中へと入ると

ハコの中でようやく解放された私は、空也くんに言った

 

 

「ね、私、おなか減ってないわよ?」

 

 

「そんなとこまで上がらねーよ」

 

 

そういって空也くんが押した階のボタン

 

「え?それって客室・・」

 

「いいんだよ、ここで」

 

 

えええええええええーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ 客室の階で止まった・・?」

 

 

降りたのか?

 

 

 

 

バンバンバンバン・・・

 

気が付くと、隣で彼女がすごい勢いでエレベーターの上へボタンを連打している

 

 

「・・・ ヘリョナ?」

 

 

 

「・・・もう二度と・・ 会えないと思ってた・・

SNSで探しても見つからなくて・・」

 

 

 

「・・空也?・・ あー、アイツ、そういうのしてないですからね・・」

 

 

 

「そらに・・ そらに恋人はいますか?」

 

 

 

え・・?

 

 

「さっきの人・・ は、カノジョさんですか?」

 

 

さっきの人・・

 

 

「さっきの人はー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

客室フロアでエレベーターを降りると

正面にあったソファに並んで座った

 

 

「ねー、もしかして、彼女が前に言ってた忘れられない人?

だったりして・・・」

 

 

私は話しかける

 

さっき思いついた仮説を

答え合わせを求める子供のように

 

 

「好きだって気づいたのは、彼女が引っ越して行ったあとだったとかなんとか・・

言ってなかったっけ?

あれって、嘘じゃなかったんだ?」

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 

黙ってるってことは、当たってる・・?

 

 

空也君は、目を閉じて天井を仰いでいた

 

 

「いつから知ってたの?チャンミンの婚約者がその人だって・・」

 

 

 

「・・・ 写真、見せてもらったとき」

 

 

 

 

ビンゴ!!

 

当たってた

やっぱりあの時の話の人・・・!!

 

 

 

 

「心臓、止まるかと思った。・・・ びっくりして、すぐに名前を聞いた。

ヘリョナだってわかった時には・・動揺がアイツにバレないようにすっげぇ緊張した。」

 

 

 

そうだったんだ・・・!!

 

 

 

「会ったこともないくせに・・・。ヘリョナのこと何も知らないくせに・・

どうしてこいつが結婚するんだ、って・・・」

 

 

 

・・・ そうだよね

 

そう思うよね?

 

 

「それで・・ 奪っちゃおうとか・・?」

 

 

 

そしたら私、チャンミンにっーー

 

 

 

「いや、だってアイツ、いいやつなんだよな~・・・

世話になった養父母の言うこと聞くんだって・・・

はぁ~・・ そんないいやつに俺がかなうわけないし」

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

神様、ごめんなさい

 

私がご都合主義の利己主義でした

腹黒でした

空也くんはとってもいい人でした

 

 

 

「だからさ~・・ アイツがアンタのこと好きになってくんねーかな~って

マジ思ったわ。それで婚約なんか出来ねー、って解消してくれたらいいのに、って。」

 

 

 

うっ・・・

 

 

「ご・・ ごめん、力不足で・・・」

 

 

私がチャンミンのことをメロメロにすることが出来ていたら・・・

 

いやいや、それこそ何様だよ

どんな奢りだよ、って話ですよね

だいたい、半年も前に振られてるっていうのに

諦めきれずにうだうだしてるだけのヤツですから・・・

 

 

 

「でもさ、そんなことしたって、ヘリョンが俺のこと好きになってくれるわけじゃないのにな」

 

 

 

やだ・・・

 

こいつぅ

可愛いじゃないかっー

 

 

 

むぎゅ~~

 

 

「・・・ はっ?」

 

「泣いてもいいよ、ううんっ、泣きなよっ!!私の胸、貸してあげるからっ!」

 

「/////////」

 

 

 

気づいたら空也くんのこと、思いっきり抱きしめていた

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか

 

 

上がってきたエレベーターの扉が開いて

 

 

そこに

 

 

あのふたりが乗っているなんて、思いもよらずに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく・・・・

 

 

 

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どうですかぁ~?

 

皆さん、覚えてましたか?

 

空也君のあの告白を

 

なぁ~んってね、なんて誤魔化してましたが

 

 

ちょっと意味深に覚えてくださった方もいらっしゃいましたね

 

ふふふ