「あっ、ねぇ、りか!!ここ、ここっ!!ネットで評判の館!

『タイムマシーンに乗って好きな時代の憧れの人物になれる』ってやつ!」

 

親友のさやかと、先月オープンしたばかりの話題のテーマパークへやってきた

 

コスプレ好きのさやかの一番のお目当ては、この館だった

さっそくゲートをくぐり、中へと入ると

 

「キャーーッ!ねぇねぇ、どの衣装にするぅ~?」

 

たくさんの煌びやかな衣装を目の前に、その、衣装選びに余念がない

 

「やっぱり~ マリーアントワネットかなぁ~・・」

 

そんなことを呟きながら、衣装の海をわたっていく

 

私はと言えば、どの時代がいいのか?そもそも日本?

それとも、さやかみたいに外国にしようかな?

なんて呑気に考えながら、まるで迷路のような衣装の波を抜けていく

 

こういうのって、身体に合うのかなぁ~?

無事に着れたりするんだろうか・・?

サイズに若干の不安を感じるわ・・・

破けたりしたら、弁償、って話になるのかしら?

 

 

ブーブーブー・・

 

バッグの中で携帯が音を鳴らして振動した

 

ここは別に携帯NGじゃないわよね?

とあたりを見渡してから、電話に出る

ちらっと見えた画面には、母の名前が表示されていた

 

 

「もしもし?おかあさー」

「ちょっとりかちゃん?あなた、今無職で暇でしょ、お見合いする気ない?」

 

ぐっー

無職って痛いところをなんでもないことのように言うな~

派遣社員の私は、先日契約期間の満了を迎え

このたび更新してもらうことが出来ず

ただいま就活中である・・・

 

にしても、は?お見合い?

 

「何を言ってー」

「ほら、マキコおばちゃん、わかるわよね?」

「わかるよ?」

 

昔っから世話好きのおしゃべりおばちゃんってイメージだけど・・

 

「なんかね?あなたの写真を見せたら気に入ってくれた人がいるって」

「はぁ~?写真って、お母さん、何見せてるのよっ!」

「私じゃないわよ、マキコおばちゃんが勝手にほら、インスタで見つけたとかで」

「ええーーっ、マキコおばちゃん、インスタやってんのっ?」

 

なんて・・・

びっくりだよ!!

 

「それでね?今度よかったら会ってみないか?って・・

なんでもマキコおばちゃん、もうすぐ自分が会わせたカップルが100組になるとか言ってー」

「ひゃっくみぃ~?・・・地味にすごいね・・。あ、でもそういうのはちょっと」

「何言ってるのよ、そんなこと言ってたらあなたー」

「あー、ごめん!お母さん、さやかが呼んでるから切るね?また!」

「え、ちょっと!りー」ブチッ

 

 

見合いなんて冗談じゃないわよ

そりゃ彼氏もいませんけど?

でもそんなの、さやかだっていないし ←

そもそも、結婚なんてする気がないんだもの

そんなのやるだけ無駄無駄

 

 

「ねぇりか、選んだ?私、これにするわ!」

 

 

「あれ?さやか・・ さっき、マリーアントワネットとかって言ってなかった?」

 

「そうなんだけど、そのへん見てたら、こっちの方がかっこいいかも~って思っちゃって・・

オスカル!!ベルサイユのバラよ!!だからりか、まだ決まってないなら

マリーアントワネットにして!!」

 

「はぁ~~?」

 

 

確かに長身でスタイルのいいさやかは、オスカルの恰好がとてもよく似合っていた

 

「王子様みたいね・・・ 白いパンツがよく似合ってる・・・」

 

「ふふ、いいでしょ」

 

なんて言って、腰に差してる剣をシャキーン、って振り上げたりしてる

 

「だからほら、マリーアントワネット!!早くっ!!」

 

「・・・わかったわよ、でもね、入らなかったら出てこないからね?」

 

「大丈夫、入る入る!」

 

 

さやかにうながされ、私は衣装をもって試着室へと入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やば~~い!超似合ってるぅ~!!」

 

「これ・・ 癖になりそうね」

 

「でしょでしょ?」

 

 

 

ふたりで携帯を取り出すと、交互に写真を撮っては

それ、あとで送ってね、と言い合っていた

 

 

「それではおふたりさま、こちらの庭園の方へとおすすみください」

 

 

案内人の人に促され、私たちは順路、と書かれた矢印の看板に沿って進んだ

 

 

「何だかわくわくするね」

「そうね」

 

 

オスカルの恰好をしたさやかの腕に、チョコンと手を添え

マリーアントワネットの恰好の私はつつましく歩き出す

 

 

 

 

トンネルを抜けると

そこには、綺麗に整備された庭園が広がっていた

 

脇には、テーマパーク内からつながる川が流れ

それはこの庭園の真ん中で大きな湖になっている・・・ はず・・・

パンフレットでは

 

 

「すごい・・ 霧だね・・・」

「ほんと・・・」

「そういえば、今日湿度高かったかも・・・」

「気温もね・・ こういうときって霧が発生しやすいんだっけ・・」

 

 

そんな会話をしながら

さやかの腕をつかむ手に力を込めた

 

 

「でも、なんだかこれって、神秘的でムードあるよね?」

 

わくわくと楽しそうなさやか

 

「うん・・・確かに」

 

歩いていくほどに霧が濃くなっていく

 

「ねぇ、さやか・・ もうちょっとゆっくり歩いて・・」

 

履きなれない背の高いピンヒールに足がなかなかついていけない

 

 

 

ピンポンパンポーーン・・

 

『お客様にお知らせいたします。ただいま、園内にて、大変濃い霧が発生しております。お足元には充分お気をつけくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。くりかえします・・』

 

 

園内放送が流れた

 

 

やっぱり・・

この霧、尋常じゃあないよね?

 

「ねぇ、さやか・・」

 

 

 

そう思ってさやかの方を見ると

そこにいると思っていたさやかがいない

 

「え、うそ・・」

 

 

私は慌ててさやかの姿を探す

 

 

「さやか・・ さやか~~~」

 

 

慣れないピンヒールは思うほど走れない

おまけに霧はさっきよりもどんどん濃くなっていて

視界がまったく・・・ ない!!

 

 

私は、ドレスの裾を持ち上げ

走った

 

どうしてこんなに追いつけないのだろう?

 

さやか、なんで返事してくれないの?

 

頭の中は理不尽な問いでいっぱいになっていく

 

 

 

走って走って、足が痛くなってきて・・・

それでも走っているうち

 

あまりの濃霧に方向感覚がなくなった

 

「こんなのまるで・・ 雪山の遭難者みたいじゃない・・なんだっけ?ホワイトアウトだっけ・・」

 

そんなことを考えながら、足が何かにひっかかったー 

 

 

木の根っこ?

 

 

と思ったら・・

 

 

「キャーーッ・・・」

 

 

 

ころころころころ~~

 

つまずいた私は、嘘みたいに転がっていった・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・ おい!・・・」

 

 

 

 

 

ん・・?

 

 

誰かの・・・ 声が・・・する?

 

私、助かったのっ?

 

 

 

ガバッ!!

 

目をあけて起き上がる

 

 

 

「・・・・・・?」

 

 

 

私の視界に広がる世界では

 

転がる前の霧は嘘のように晴れていた

 

 

しかし・・・

 

 

 

「・・ 気がついたか。おまえ・・・ どこから来た?」

 

 

 

私を見つめる瞳は

 

とても美しい男の人のもので

 

 

 

「あなたもコスプレしてるの?それは・・・ どこの国の誰?」

 

 

「・・・・・?」

 

 

「男の人もやるんだ?珍しい気がする・・・ ところで、ここは出口なの?」

 

 

「・・・ デグチ?」

 

 

きょとん、としてるけど、ものすごく綺麗な顔

 

それに・・・ 借り物とは思えない美しい刺繍が施された衣装

 

 

「すごい・・ なりきり?」

 

 

「さっきから何をわけのわからない・・・ おまえは何者だ?ここにはどうやって入り込んだ?」

 

 

「何者って・・ もうそういうのはいいから、普通に話してよ。ねぇ、出口はどこ?」

 

 

「聞いているのはこの私だっ!!」

 

 

 

ビクッ

 

 

 

・・・・え?

 

なに?

 

この人・・・ 本気で怒ってる・・?

 

 

 

「ちょ、ちょっと待って!あの・・ ここは・・・ どこなんでしょうか・・?」

 

 

 

今度はなるべく低姿勢に聞いてみる

 

 

 

「とぼけたことを・・・。ここは、トンバン王国ではないか」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

トンバン・・・ 王国・・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ジャーーーンッ!!

 

 

ええと・・・

 

思いっきり、なんちゃってファンタジーもどきです

 

 

ユノさんの、あの皇帝っぷりを見ると

 

どうしても、ユノさんの皇子を妄想してみたくなっちゃって・・・

 

 

トンバン王国のユノ皇子です

 

どうでしょう?(笑)

 

 

ついに、妄想もここまできたか!

 

ってくらい、勉強もしてない私なので

 

拙いお話になるとは思いますが

 

おつきあいいただけたら嬉しく思います