オフィスのデスクの上で、両肘をついて、組んだ手の甲に顎をのせ

ジッと目を閉じて何かを待っている、愛すべき私の松本主任

 

腕まくりしたシャツから伸びる肘下の筋肉の美しさに見惚れる

 

 

 

 

ああ~~~

 

しゅにぃーーーーーんっ・・・

 

その腕にほおずりしたい~~~~!!

 

 

 

かっこいい!!

 

今日もかっこよすぎますぅ~~~

 

 

 

はぁ・・・

皆さま、お久し振りです(何の挨拶?)

今日もオフィスの中で仕事中にも関わらず松本主任を愛でる

桜井まどかでございます

 

主任ってば、あれから大きなプロジェクトが入って

ずぅ~~~っとかかりっきりで

あろうことか?

私たち・・・ まだ・・ そう、まだなんです!!

 

え?そんなことどうでもいいわ、って?(だから誰と話してる?私)

 

いやいや、そりゃあ、確かに?

仕事仕事でそれでもよかったら、とは言われましたよ?

だけどまさか、これほどまでに放っておかれるとは???

 

ええーーーーん

涙も出るってもんですよ

 

だがしかし、だがしかし

そんな忙しさも今日まで、のはず

 

そう、今主任が待っているのはーーー

 

 

 

 

バンッ

 

ドアが勢いよく開き

皆の視線は一点に集中!

 

 

「主任っ!!OKでましたっ!!」

 

 

「おっしゃぁーーーーっ!!」

 

沸き起こる歓声

その中心でガッツポーズをしているのは松本主任

 

 

やった!

やったわ!!

これで主任が抱えていた大きなプロジェクトが一段落

 

今夜から私とのイチャラブライフが始まるはずよっ

ねぇ、主任・・

 

 

 

「打ち上げすっぞぉーーーーー!!!」

 

 

 

・・・・え?

 

打ち上げ・・?

 

ですよね、うん・・・

主任、そういうの、欠かさないもんね

なんなら、大好きだもんね

 

 

ふたりだけで、なんて

 

いきませんよね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「松本くぅ~~ん」

 

 

さっきから、甘ったるい声で主任の隣でしなだれかかっている女の先輩

私の射るような視線になど全く気付かず

くっそぉーー

私の、だぞぉーーー

触るな、しなだれかかるなっ

 

 

「ねぇ、彼女と別れたって聞いたんだけど、本当?」

 

 

ビクッ

 

 

え?

そんなの、噂になってるの?

ぜんっぜん気づかなかった・・・

 

 

「だったら今、フリーなのよね?どう?よかったら私とぉー」

 

 

やだやだ、何言ってんの?

 

 

「別れてませんけど?」

 

「え?うそ」

 

「嘘ついてどうするんです?」

 

 

 

・・・・・え?

 

ちょ、ちょっと待ってください、主任・・・

 

智子さんと別れてなかったんですか?

またこのくだり、やらなきゃならないんですか?

っていうか

私に付き合う?なんて聞かなきゃいいでしょ

っていうか

よろしくお願いします、って言っちゃったし!

 

アレこそまだですが、それなりにラブラブな会話は

電話だったり、ラインだったりしてきましたけど?

え?待って・・

もしかして、ラブだと思っていたのは私だけで

 

なになに?

じゃあ私が勝手にじゃれついていたってこと?

 

そういえば私

不倫でもいいです、なんて言っちゃったよね

いやいや、でもあの時主任は不倫はいやだ、って返してくれて

 

 

「桜井さん?何か、さっきからすごい顔してるよ?大丈夫?」

 

ん?

声がして見上げると

 

「あ、ここ、座っていい?」

 

そう言うと私の返事も聞かずに座ってきた

とってもスマートに

えと・・

ダレだっけ?

やー、名前、ここまで出かかっているのに思い出せない

 

「桜井さんさー、前から可愛い子だなぁ~って思ってたけど

最近すごく可愛くなったよね、言われない?」

 

はいーーー???

 

「そ、そんなこと言われませんよ?先輩、酔ってらっしゃいますね?」

 

変なこと言われたから余計ふっとんじゃった

名前・・・なんていうんだっけ?

とりあえず、先輩、で乗り切ろう

 

「ハハ、そんな酔ってないよ。まぁ、いい気分ではあるけどね。だって桜井さんと話してるし」

 

うーわー

引きますよ、そういうの

 

「いやいや、ハハハ・・」

 

ヒィッ!!

手っ!!

触られたっー

 

バッー

 

「す、すみません、私、ちょっと失礼しますっー」

 

 

手を払いのけ、勢いよく立ち上がると席を立った

 

 

もー、やだやだやだ

気持ち悪い

セクハラだぞ

 

あーもうっ

私ばっかり、主任のこと見てるー

 

 

なんて思ってたら

 

スッと後ろから

 

 

 

 

 

「さっき、藤田さんにつかまってなかった?」

 

 

 

 

 

この声っ!!!!

 

 

くるっ

 

 

しゅにぃーーーーーんっ!!!

 

 

「見てたんですかっ?」

 

 

きゅんきゅんきゅんっ

 

 

 

「あの人、女癖悪いから気をつけろよ」

 

「やっぱりですかっ!私っ、手、握られました!!気持ち悪くてすぐ振り払ってきちゃいましたけどっ」

 

 

そういって、じーーーーッと無言で主任を見つめてみる

 

 

なにぃーーっ?

手を握られただとぉーー?

あのやろぉーー

俺のまどかに何しやがるぅーー

 

なんて怒ってくれないかなぁ~

 

 

「・・・ へぇ~・・ よしよし、上出来」

 

ポンポンッ

 

 

あれ?

怒ってない?

 

そりゃそうか・・・

やっぱ、そういうことか・・・

 

 

「おまえ、あっち座っとけ」

 

主任にうながされたのは、純子ちゃんたちが座っているところで

 

私にそう言った主任はとっとと歩いて席に戻って行っちゃって

あ、でも・・・向かったのは

さっきまで私が座っていたところ、そう、女癖の悪いー

 

「・・・藤田さん、飲んでます?」

 

そう、名前!藤田さんだ!・・の隣に行って声をかけると座っちゃった

ビール持って

もう、注いでいる

 

きゅーーん・・・

 

あぁ

こんなことひとつにきゅんきゅん騒いでいる私の心臓

わかってますか?主任・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一次会はお開きになり

帰る人、二次会に行く人

それぞれバラバラになって挨拶してる

 

 

「お疲れ様でしたぁ~~」

 

 

私は帰る人

主任は・・・

 

きっと二次会、行っちゃうんだろうな

 

純子ちゃんにもバイバイって手を振って(相変わらず彼氏のお迎え待ち)

ひとりトボトボ歩いていた

 

やっぱり戻って、純子ちゃんの彼氏に一緒に送ってもらおうかな?

なんて思いなおして振り返ったところへー

 

 

「ん?・・ どした?忘れ物か?」

 

 

「・・っ!!・・主任っ?」

 

いきなりの主任登場でびっくりです、私!!

いつの間にそんな至近距離にいらしてたんですかっ!?

私ってば、ぜんっぜん気づかなくってー

 

「どうしたんですかっ?二次会はっ!?」

 

なんて驚いている私を尻目に

主任ってばー

 

「あー・・ ホッとしたら今頃酔いが回ってきた・・・」

 

なんて言って

あろうことか、私の肩に腕を回してもたれかかってきたんですっ!!

大接近!なんてもんじゃないっ

大事件ですっ

事故ですっ

 

「しゅ、・・しゅ、しゅ・・、しゅっ・・」

 

もはや、主任という単語を発することもできなくなっている私

緊急事態ですっ

 

今までの禁断生活からのこれはっー

 

 

 

 

 

「送ってく。・・・てか、泊ってく。」

 

 

 

 

ヒィーーーーーーッ!!!

 

「とっ!?と、とっ・・」

 

 

泊ってく、ですとっ!?

 

 

 

 

「・・ いい?」

 

最後の、いい?

ってとこ、耳元ですよっ?

耳元でそんな確認するってどんな上級者なんですかっ!!

 

っていうかていうかっ

それってもしかして

いやいやでもそういうことでは?

いや、酔ってるし

 

 

「あのっ・・ いいですけど・・その・・」

 

 

「・・・ いいの? ・・・ほんとに?」

 

 

「え?」

 

 

念押されてる?

これって断るっていうの選択肢にあるってこと?

いやいや、そんなの私にはまったくないですけどっ

 

 

「・・・ 覚悟できてる?」

 

 

ひゃああぁぁぁぁぁ

横向いたらそこに、まさにそこにっ

主任の顔がド正面向いてあってー

 

 

「そ・・ それって・・」

 

 

やっぱり・・!?

 

 

「・・・うん」

 

 

「あのっ・・泊ってもいいですけど、でも主任の着替えとかないですし・・・・」

 

 

何を言ってるんだぁーーーーー

私っ

 

 

「いいよ、そんなの。明日は休みだし。それにどーせっ・・」

 

 

そこまで言うと

主任はまた耳元に口を近づけ

 

 

「・・・ 寝るときは必要ないだろ」

 

 

 

ひゃああぁぁぁぁぁぁぁぁ

 

このっ

えろ主任っ!!!

 

 

「さっきからっ、もうっ!!耳元でえろすぎますっ!!」

 

 

「アハハハハハハハ、ごめん、ごめん・・ だって、桜井が面白いからっ・・」

 

 

 

あ・・

 

離れちゃった・・・

 

 

 

いや、肩に腕はおかれたままだけど

 

 

 

「そんなっ・・ 覚悟なんてとっくにできてますよっ・・ なんならまだかよっ、てくらいですよっ?」

 

 

 

急に悔しくなって

何だかこみ上げてきて

これもアルコールのせいでか

情緒不安定な変な女になっていってるのわかるっ

 

 

「・・・ 桜井?」

 

 

「でも主任っ!!・・・ 智子さんと別れてないって答えてたじゃないですかっ!!」

 

 

やばい

止まらない

 

こういうときのお口の止め方って何かの本に書いてあったりしないのかな

 

 

 

「はぁ~~~!?」

 

 

すっとぼけるな、ってんだっ

私はちゃんと見てたしっ

 

 

「女の先輩から色っぽく迫られてっ・・ 彼女と別れてないって・・・ じゃあ私っていったいっー」

 

 

「彼女。」

 

 

「へ?」

 

 

 

主任が私のことを指差して

 

「おまえだろ?彼女。」

 

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

なんだろう?

いまのとこ

もう一度聞きたい・・・

 

 

 

「もう一回言ってください・・・」

 

 

「なに?オレら、別れたの?」

 

 

 

オレら・・・

 

 

未だかつて、この言葉がこんな甘美に聞こえたことなんてあっただろうか?

 

 

 

ぶんぶんぶんっ

 

首を横にふる

 

「別れてませんっ・・・」

 

 

むぎゅうぅぅぅ~~~

 

 

主任の背中に腕を回して

思いっきり抱きしめた

 

 

私のぉぉぉぉぉだぁよぉぉぉぉぉ

 

 

 

「・・・ あんまり可愛いことされると困るんですけど?」

 

 

 

頭の上から聞こえてくる主任の声

 

少し鼻にかかったような

甘さを引き出している声

 

 

「・・・ 困ってください」

 

 

もっと・・

 

もっと私で困ればいいっー

 

 

「桜井・・・」

 

 

「はい・・」

 

 

「・・・ 頼むから、煽るのは帰ってからにしてくれ」

 

 

「え?」

 

 

 

煽る・・?

 

 

「・・ そゆことされると・・・ ね?」

 

 

「え・・?」

 

 

 

グリグリグリッ・・

 

 

 

ええっ?

 

主任のっ・・

 

 

 

 

「//////////////////あ・・ ハイ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャー

 

 

バンッー

 

 

 

ドンッー

 

 

 

 

「んっ・・ 」

 

 

 

部屋のドアを閉めるや否や

壁ドンからのー

 

玄関でー

 

 

「・・・しゅ・・にっ・・んっ・・んふっ・・」

 

 

もうっ

こんなに抱き締められて

壁に押さえつけられるようにしてっ・・

なんってー

 

 

もう口の中

侵されていくっーー

 

 

 

大好きっ・・

 

 

大好きですっ

 

 

 

 

しゅにぃーーーーーんっ

 

もっとぉ~~~~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残暑お見舞い、申し上げます

 

 

お久し振りの主任とまどかちゃんでした^^

 

このふたりは大好きなので

 

ついついカキカキすすんでしまいました

 

リクエストもあったので(笑)