「ルナ!さぁさぁ、聞かせてもらおうか!?」
就業時間が終わりを告げるや否や、という速さでジュリがやってきた
速攻帰ろうとしていた私よりも速く
途端にまわりの空気も昼休憩のあとみたいになり
注目されてる視線をビンッビンに感じる
「ごめんっ・・ 今日はちょっと予定があってぇ~・・」
「逃がしませんっ」
ジュリに ぐわしっと腕をホールドされてしまう
「わかった、話すっ、話すってー」
必死にジュリのホールドから逃れようとするけど
学生時代にバレーをやっていたという彼女の力は意外と強い
「はいはい、このまま話して?」
いや、だから・・・
このままって、注目浴びてるんだってば
それに、ミン専務を待たせるわけにはいかないんだって!
「あのさ、ジュリ・・ ここではちょっと・・人目もあるし」
そう小声で言うと、ジュリも周りを見渡し
なるほど、と状況を把握してくれたのか
「そうね、どこか行く?」
掴んでいた腕を離し、そう聞いてくれた
「だから、今日はこの後予定があって・・ 帰ってから電話するからっ、ごめんっー」
その隙に、ここぞとばかりに私はバックを持って駆け出した
「えっ?ちょ、ちょっとルナッ?」
「ほんっとごめんっ!ジュリっ、絶対今夜電話するからっー」
マジごめんっ
でも・・
でも、ミン専務を待たせるわけには絶対行かないっー
・・と思うの
・
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走って行くと
約束のお店の前に、ミン専務の姿を発見した
遠くからでもわかるのは
その背の高さと
際立つスタイルの良さからだろうか?
・・・ 立ってる!やばいっ!かっこいい!!
グレーのロングコートが超お似合いっ!!
あ、女の子たちが寄って行ってる?
声、かけたっ?
走れっ!!私っー
「本当に待ち合わせだと言ってますが?」
「えー、でも、さっきからずっと立ってますよね?」
「よかったら私たちと一緒にお茶でもどうですか?」
「お茶?ボクが?あなたたちと?なぜ?ありえなー」
「お待たせしましたっー」
腕に抱きついたっ
ミン専務をそのまま店内へと連行するためにー
「すみませんっ、遅くなって・・」
「・・・・・・・」
店内に入っても、頭上から全然返事が返ってこない
「・・ あの、やっぱり怒ってます?」
立ち止まって見上げると、腕を掴んでいるせいか、思ったより近くて
見えたミン専務の表情は予想外で
「いえ・・あの・・ 女性に腕をこう・・ こんなふうにされたのは初めてで・・」
「え?腕?あっー」
バッ
慌てて腕を離した
「ごめんなさいっ、私・・ 専務がナンパされてたから早く引き離さないとって思っちゃって」
「ナンパ?」
「馴れ馴れしかったですよねっ?」
ミン専務の問いかけるようなセリフと
私の問いかけが被っちゃった
「いや、別にー」
「ナンパされてたじゃないですかっ!」
あ、また被った
お互いの問いかけに答えようとしたセリフが
「・・ 片思いのくせに。」
「え?」
あ、今度は私の心の声が漏れたのにミン専務が反応しちゃって
やばいやばいやばいっ
「いえあの・・ 片思いなら普通、ここまでできないのに、ちょっと図々しかったですよね」
「そうなんですか?よくわかりませんが・・ でも大丈夫です。言ったでしょう?ボク公認の片思いなんですから」
「ボク・・公認の片思い・・」
あは
あはははは
そうだった!
そんなようなこと、言ってた!!この人・・・
「そうです。だから大丈夫です。・・・・ さて、どこの席に座りますか?」
そういって店内を見渡すミン専務の
顎のラインに見惚れてしまっていたことは
ナイショ
・
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・
「待ってる間、私のこと、考えました?」
「僕が?なぜ?」
「・・・ 片思いするんですよね?私に!!」
「ええ、します」
それがどうした?
と言わんばかりの表情ですけど?
「片思いってそういうことなんですよっ」
「そういうこと?とは?」
「待っている間、その待ち合わせ相手のことを考えるってことです。」
「あぁ~、そうなんですか。じゃあ、次から考えるようにします。」
「・・・・・・・・・・」
考えるようにします、って・・・
「どうしました?」
「意識してするんじゃなくて、無意識のうちに・・ 自然とっ、考えてしまうものなんですっ」
「・・・・・・・・・・」
あ、だまった
思わず溜息が出る
「やっぱり専務には無理なんじゃー」
「だったら!・・・ 君は考えたんですっ?ボクのことをー」
ドキッ
テーブル挟んで 正面にこのイケメンは破壊力 凄すぎる
「ここに来るまで・・ 会社からずっと、専務のこと考えてましたよ?」
「・・っ?」
「あー、遅くなってしまった。専務を待たせてたらどうしようっ」
「・・・///」
「遠くからでも専務がこのお店の前に立っているのが見えて、そしたら女の子たちに」
「あああぁぁぁぁあああ、もういいですっ///////」
「・・え?」
「なんか、・・・・ 思ってたよりも、恥ずかしい///////」
「えっ?」
そんな・・・
赤くならないでよっ
こっちまで照れてきたじゃないですかっ
ていうか、顔を覆う手が綺麗だなんて見惚れちゃいます
知ってますか?
店内にいる女の人が、みんな、専務のこと
ちらちら見てるんですよ?
「なんだか、ボクばかり恥ずかしくてずるい・・・。君にも恥ずかしい想いをしてほしい」
・・・・ は?
「恥ずかしい想いって・・・」
「次は絶対、キミのことを考えて、そしてどんなことを考えたのか言います!!」
「・・・・・・・」
専務・・・
なんだか
可愛すぎます
こんな姿
誰か知ってるんですか?
誰も知らないといいな