「あ、白石っ!よかったぁ~、会えて。」

 

 

 

突然、声がしたと思ったら

 

「山田っ!?」

 

 

私たちの前に現れたのは、にこにこ爽やかな笑顔を振りまく山田だった

 

 

「瀬名と同じ会社に勤めてるって言ってたからさ、まさか一緒にいるとは思わなかったけど。」

 

 

そう言いながら歩いてきた

 

 

「どうしたの?急に」

 

「これ、返そうと思って」

 

 

山田がハンカチを差し出したのを見ると

あの時渡した自分のハンカチだということを思い出し

咄嗟に頭に浮かんだ、ここを切り抜けようという策

 

「ああぁぁぁぁ~ そうだった山田!ありがとう!!さ、あっちで話そうっ!じゃあ、瀬名さん、失礼しますね」

 

 

山田の腕を組むようにして、ロビーのソファの方へと歩きだす

 

 

「えっ?おいっ、ゆみっ?山田っ」

 

後ろで瀬名が何か言ってたけど、無視無視無視

 

そのうち、彼女さんに気づくでしょう

 

 

 

ソファまで歩き、山田を促し、並んで座った

 

 

 

「こんなの、よかったのに」

 

「いやいや、そういうわけにはいかないよ。ちゃんと洗ってアイロンもかけてあるから」

 

綺麗に折りたたまれている

 

「じゃあ・・ ありがと」

 

「でも申し訳ないから、実は新しいのも買ったんだ。これもお詫びに、と思って」

 

 

今度は綺麗に包装された包みが出てきた

 

 

「ええーーっ、こんなの悪いよ!かえって気を遣わせちゃって!」

 

「いいのいいの、これ、うちの得意先のものだから宣伝も兼ねてる^^貰って」

 

「そうなの?」

 

 

上目遣いに問うと

うんうん、と山田が頷いた

 

 

「それじゃあ、遠慮なく・・」

 

 

山田の手からお菓子を受け取った

 

「ありがとう。大切に使わせてもらうね」

 

「どうぞ。ところでさっきの・・・ 瀬名、よかったの?」

 

「よかったの?って何が?」

 

「話の途中じゃなかった?何だか注目浴びてたけど」

 

「注目浴びてた??マジでっ?」

 

「う~ん・・ ちょっと。おかげで探し当てられたってとこもあるかな」

 

 

 

ひえ~・・・

 

まぁでも、山田と去ったせいで、何とか誤解されることはないんじゃあないかと思うけど

瀬名、石橋さんに気づいたかなぁ

ちゃんとフォローしといてよ?

 

 

 

「高校の頃、ふたり、つきあってるって噂、あったよね?」

 

 

おいおい・・・

誰だよ、そんな無責任な噂を流してたのは

 

 

「はぁ~・・」

 

 

目を伏せ、深くため息をつくと

 

 

「それ、違うから」

 

 

否定した

 

 

「え?違うって・・ つきあってなかったの?」

 

「そうだよ」

 

 

正確には、私がふられたわけだけど

ここでそこまで恥をさらすことはないよね

 

 

「なぁんだ、じゃあ、オレ、告ればよかった。あ、でも・・ あの頃のオレじゃあフラれてるか」

 

 

「え?」

 

 

今・・・

 

さらっとすごいこと言われた?私・・・

 

 

「あ///////」

 

 

 

きゅんっ

やだ~、山田、真っ赤になって・・・

ほんと、この間から思ってたけど、なんて可愛いのっ、こいつ!!

 

 

「山田、モテるでしょう?年上のお姉さまたちから特に!」

 

「だからモテないって!」

 

「いやいや、気づいてないだけだよ、絶対」

 

「そんなことないって」

 

「いーや!絶対、モテるはず!!だって山田、すごく素敵だもん」

 

 

ん?

今、私、さらっとすごいこと言った?

 

 

「/////// だったら・・・ だったら、白石がつきあってよ」

 

 

「・・・え?」

 

 

 

な・・んて?

 

 

今、告られた?私・・・

 

 

「あっ、しまった!オレ、もう戻らないとっ!午後イチで出掛けるところあったんだ。こっち方向だったから寄れたんだけど・・。」

 

 

 

突然そういうと、山田が立ち上がった

 

 

「だからさっきの、返事はまた今度して!じゃあっー」

 

「今度、って・・・」

 

「あっ、そうだった、これー」

 

 

スーツの上着の内ポケットから、名刺入れを取り出すと

スマートに名刺を差し出された

 

 

「俺の名刺。ここに、携帯書いてあるから。連絡して。待ってる」

 

 

そう言うと山田は、にっこり笑って走って行った

 

何回か、振り向いて、手をバンバン振りながらー

 

 

 

「山田ぁ・・」

 

 

名刺を手に

思わずそう呟いてしまうくらい

 

 

胸がドキドキしていた