ベッドに横になって、スマホでYouTubeを見ていた

 

 

ブーブーブー・・

 

 

着信が瀬名だったので

慌てて切り替え、電話に出る

 

 

「も、もしもしっ!?」

 

 

「・・あ、オレ。寝てた?」

 

 

「ううん、起きてたよ。まだ早いし・・」

 

 

声が暗い、って思った

もしかして・・・

 

石橋さんとの話

私にとって

よくない方に流れた・・のかな?

 

 

「瀬名は?・・・ 今、どこにいるの?」

 

 

石橋さんのところじゃないとは思ってるけど

やっぱり確認したくて聞いてしまう

地雷踏むことになるかもなのに

 

 

「オレ?・・・ オレん家。シャワーも浴びて、軽くタオルで髪乾かしながらビール飲んでる」

 

「えーっ、ビール飲んでるのぉ~?いいなぁ~」

 

そこに、石橋さんの影がなさそうだってわかると

途端にテンション上がって明るく答えてしまった

わっかりやすいなぁ~、私

って自分でも思う

こんなの、瀬名にもバレバレだよね

 

 

「今朝さ、三浦先輩にコロンかえた?って聞かれたわ。あれ、絶対おまえん家のシャンプーとかのせいだな。」

 

「え・・」

 

 

うちのシャンプー?

 

「うそ、やばい?」

 

「なんで?」

 

「だって・・・」

 

 

もしかして、石橋さんにもそれ伝わっちゃったんじゃ・・

 

 

「噂・・ 聞いた?」

 

ビクッ

 

電話越しって、耳元で聞こえるから、なんかすごいね

 

 

「・・・うん。」

 

「ビックリしたわ~。」

 

 

そんなの、私もだよ

 

っていうか、なに呑気なこと言ってるの?他人事みたいに・・・

あーもうっ

何だか瀬名のテンションにムカついてきた

 

電話の向こうで、瀬名がビールを口に入れたの、気配でわかった

ゴクンって飲み込む感じが伝わってきたもん

 

「石橋さんにさ?」

 

 

ドキッ

 

もしかして・・・

飲まずには話せないような内容?

 

ごめん、ムカついた自分に腹が立った

反省・・・

 

 

「うん・・」

 

おそるおそる返事をする

 

 

「・・ちゃんと話すつもりだったんだけど、今日は都合が悪いって断られちゃって・・」

 

 

そうなんだ?

じゃあ、話してないの?

 

 

「・・ うん」

 

 

「昨日、珍しく彼女から会いたいって言われてたのに、仕事で飲んじゃって気づいたらお前のとこ行って・・・ オレが全部悪いんだけど・・・」

 

 

彼女から会いたいって言われてたんだ?

 

 

「・・ うん」

 

 

「早く話したいのに、断られて落ちちゃって・・・ なのにおまえに会いたくて・・・。でも、そんなのよくないじゃん?次はちゃんとしてからって思ってるから・・・」

 

 

瀬名・・

もしかして、実はそのビール

かなりもう飲んでたりする?

 

髪なんてもうとっくに乾いちゃってるんじゃない?

 

 

石橋さん・・・

きっと別れたくないから

話をしてくれないんだろうな・・・

 

 

「・・・ 嫌になった?」

 

「えっ?」

 

 

瀬名・・・

可愛い・・?

 

 

「俺のこと・・ めんどくさくない?」

 

 

やだ・・・

なに?これ・・

可愛すぎるっ

 

 

「あああああぁぁぁ、オレ、めんどくせぇーー。ゆみにめんどくさくないって言ってほしくてこんなっ・・」

 

私にめんどくさくないよ、って言ってほしいの?

 

 

「ほんと、めんどくさい」

 

「・・・ だよな?」

 

 

あー、もうっ

どんな顔して言ってるの?

顔見たい

声だけじゃなくて・・・

 

 

「瀬名ぁ・・」

 

「ん?」

 

 

なんでこんなに好きなんだろう?

 

 

「会いたいよぉ・・ 顔見たい。声だけじゃなくて・・ 顔見て話したい・・ なんて言ったら引く?」

 

「なわけねーだろ。あほ。嬉しいわ。」

 

「瀬名ぁ~・・」

 

 

好き

 

好き

 

 

「やべ・・ おまえさー」

 

「うん?何?」

 

「・・・・ いつからそんな可愛いわけ?」

 

 

きゅんっ

 

 

「オレも会いたい・・ 顔見たい・・ 抱きしめたいわ」

 

 

きゅんっきゅんっ・・

 

苦しいよぉ・・

 

 

「・・ 抱きしめてよ、瀬名」

 

「・・・・・・・」

 

 

今すぐここにきて

抱きしめてよ

 

って

どれだけ思ってることか

 

 

「はぁ~・・ オレ、なんであの時、おまえの告白に応えなかったんだろうな」

 

「え?あの時って・・」

 

 

高校の時の・・・?

 

 

「そんなのっ、聞きたいのは私の方っー」

 

「あの頃のオレ、それがかっこいいって思ってたんだろうなぁ~・・」

 

・・・ それがかっこいい?

 

「おまえといるのは楽しかったけど、男友達と遊ぶのが楽しくてそれで満足してたし・・ほぼ毎日部活だったし・・」

 

「サッカーバカだったよね」

 

「そ。サッカーバカで、女なんかいらねー!みたいな・・ つまんない見栄?張ってるとこあって・・・」

 

「え?まさか・・ それで?そんなつまんない見栄のせいでフラれたの?私・・」

 

「多分・・ ごめん」

 

 

あ、声に出しちゃってた?

瀬名のごめん、って返事で気づいた

心の中で言ってるつもりだったのに、声に出てたんだ・・ハハ

 

「でもずっと、後悔してた」

 

「え・・」

 

 

ずっと後悔してた、って、それってなんかずっと好きだった、って言われたみたいでなんか嬉しい・・照れるけど、でももっと聞きたい

 

 

「まぁ、気づいたのは、大学行ってからだったけど」

 

「は?何それ・・」

 

「誰とつきあっても、おまえといた頃より楽しいって感じたことなかった」

 

「・・・・・」

 

 

複雑だわ

誰とつきあっても、ってどれだけつきあったの?

 

 

「あの頃のオレ、おまえとつきあってたらどうだったんだろう?って・・ 結構考えたなぁ~」

 

 

言ってよ!!

そんな、考えてたくらいなら・・・

 

「まぁ、そのうち忘れてたけど」

 

 

ガクッ

 

 

こいつ~

きっちり落としてくるなぁ~

まったくもうっ

 

でも、あの時のこと、はっきり聞けてよかった

 

 

「はいはい、過去の瀬名の想いはよぉ~っくわかりました」

 

 

まぁ所詮?その程度だった、ってことよね

 

 

「うん、だから・・・ 今度は後悔したくないんだ」

 

「・・・・・」

 

 

ドキッとした

 

今度は、って・・

 

 

「絶対、おまえとつき合う。・・・・ ちょっと時間がかかるかもだけど。」

 

 

ーー 絶対、おまえとつきあう

 

嬉しすぎる

 

瀬名の言葉

欲しかった言葉・・

 

 

「でもそんなの、過去のリベンジみたいじゃん?つきあってみたら・・・ガッカリするかもよ?」

 

 

は?私、何言ってんの?

そうだな、って言われたらどうするのよっ

 

 

「・・・ おまえは?」

 

 

・・え?

 

 

「おまえもだろ?俺とつき合うの、過去のリベンジみたいじゃね?つきあったら・・・がっかりするかもよ?」

 

「・・・・・・ 確かに。」

 

「なんだよ、そこはぁー、そんなことないっ!だろ?」

 

 

あー、私もそうだ

そう言って欲しかったんだ

 

 

「だよね、へへ・・」

 

「へへ、じゃねーだろ。はぁ~・・ おまえ、ほんとに俺のこと好きなのかよ」

 

「うん、好き」

 

 

あ、しまった!

これは・・・

顔を見てちゃんと言いたかったのに

 

考えるより先に言ってしまったぁーーー

 

まだ瀬名からだって言われてないのにぃーー

 

 

「あ、違う!えと・・ まだ言うつもりなかったのに・・」

 

「やばいな、これ・・。耳元でおまえから好きって言われるの・・ やべーわ・・」

 

 

きゅんっ

 

 

「やべーって・・ だったら瀬名も言ってよ!聞きたい」

 

「・・・ いや、俺は今度・・ おまえの顔を見て言う」

 

「ずっるぅーーー!!私にばっかり言わせて!!私にもやべーって気持ち味わわせてよっ」

 

 

ずるいずるいずるい

私ばっかりー

 

 

「・・・・・」

 

 

電話越しに、瀬名が深呼吸するのがわかった

 

 

「白石ゆみさん!」

 

 

ビクッ

 

 

「・・・ はい」

 

 

なに?

 

なになに?

 

好きって言ってくれる?

 

 

「これ以上は、実にやばい。オレが・・・ やばいんで、電話を切ります」

 

 

「え?やばいんで電話を切るって何言って・・」

 

 

意味わかんないんですけどぉーーーー

 

 

「絶対、石橋さんとは話をつけるんで、その時まで・・ 待っててくれますか?」

 

 

あ・・・

真面目なやつ、きた・・・

 

 

「・・・・ ハイ」

 

「よし。じゃあ・・ 山田にはさっさと断ってね?」

 

「え?なんでそれ・・」

 

「あー、やっぱり告られてたのかよっ。ったく!とっとと断れよ!?」

 

わおっ

何だかやきもち妬かれてる?

 

焦らしたくなるけど

そんな意地悪するより心が瀬名を好きって言ってる

 

「うん、近いうちにちゃんと断る」

 

「・・・ なるはやでお願いしますwww」

 

 

 

可愛いぃーーーー

 

 

「・・・ 瀬名もね?難しいかもだけど・・ 待ってるから」

 

「ん。」

 

「じゃあ・・ おやすみ」

 

「・・ おやすみ。」

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「・・・ 瀬名?」

 

 

「なんだよ?」

 

 

「切ってよ」

 

 

「お前が切れよ」

 

 

 

くす

 

まさか・・

自分がこんなくすぐったい経験をするなんて

 

 

電話を切るのがこんなに嫌だなんて

 

 

 

 

「じゃあ、一緒に切る?」

 

 

「ばぁ~か。おやすみ」

 

 

プツッ

 

 

 

あ、切れた・・・

 

何よ、もう

 

そんな甘さを感じてたのは私だけかいっ!!

 

 

 

 

ピロンッ

 

 

 

スマホの画面に

 

可愛いスタンプ

 

 

 

言葉がないのが

 

 

逆に好き