「海のはじまり」というドラマをみている。


ここに来て批判めいた一般論も

目にするようになった。



見ていないとわからないけど、

夏が弥生に対してお母さんになってくれたら

「楽になると思った」

という発言に対しての批判だ。


それ言ってはいけないやつ、

言い方だよね、

それ引くよ、

そんなことだ。



違うんですよ、

世の中の男性はそんなこと、

むしろ言わないんです。


無意識でそう思っていたとしても、

意識にあがってこないで、

男女ともに幻想で上手くやれると思って、

そうやってあっさり親子になって、

義母はきっとその疎外感に

イライラするようになり、

3人の関係性がギスギスして、

みんなが悲しむことが起こりかねないのが

リアルなんです。


男性がそんなに上手に、

女性と子どもをうまくコントロールして

やれることなんてないんです。

そして女性も本来もってる母性次第。


弥生自身はおそらくきっと、

母親という枠組みしか見てなかった

自分に気づいたから身を引いたんだと、

弥生が夏や海にただ無条件の愛情を注げる

自信もなく、

何かしらの嫉妬心に

悲しむ自分を認識したのだと思う。


それらは夏の母親や、

津野くんとの対話で、

認識してなかった感情を

少しずつ感じていってたのだと

そうは思うんです。



ただなぜ「お別れ」なのかは、

全く理解が及ばないんです。


夏と海が親子としてつながって、

そこに亡くなった母親のことを

想起させている二人とは別に、

夏と弥生が恋人同士であることは

何ら問題はなくて、

でもやはり独占したいという弥生の気持ちが

あるとしたら、

彼女自身はこれから誰とも

上手くやれることはないのではないか?と。


今後、相手となる男性は、

亡くなっていなかったとしても、

子どもを持っていなかったとしても、

過去に女性を喪失させた経験をもった対象で

あることには間違いないし、

その人のことを語られることなんて

滅多にないだろうけど、

それでも子どもが出来れば、

夫婦の住む世界が少し遠くなるのは

よくある話なので、

そんな自分の世界観だけの家族像を

追い求める完璧さというのも、

若干危うい人なんだなって思ってしまい、

「自分が一番でないと嫌だったのか?」と

そこに関しては弥生に対してガッカリはした。


たしかにその親子に共通する母親のことは、

二人の間に入れずに寂しいかもしれないけど、

でもこれから3人での世界観は

作り上げていくことは可能であって、

時間はいくらでもある訳で、

なぜ「リセットまで持ち込むのか」と、

そこに関してはものすごく残念だった。


何もチャレンジしないで、

失敗を怖れて決めつけている危うさは

感じられた。


ま、そうはいっても、

自己犠牲的な感情を覚えたのであれば

撤退は悪いことでもないなって、

客観視させてもらったかな。


相手の良さと思いながらも、

どこかで煮えきらない夏に、

彼女も違和を覚えてしまったのだろう。


彼女も夏も

コントロールしようとしたものが、

交わらなかったんだと思う。