障害児童のMさんは3年生になりました。
女の子です。
1、2年生の時は普通クラスにいたのですが
勉強についていけないため、3年生になってから
支援級になりました。
Mさんは支援級に入れられたことに
不満だったようで、4月の頃は児童クラブに帰ってからも
部屋でウロウロと動き回ったり、補助さんを叩いたり
「死ね」とか「ババア」と、悪態をついて
不満をぶつけていました。
5月になって、休会していた3年生のK君が戻ってきました。
K君は、おだやかな性格で誰からも好かれるタイプ。
超イケメンの男の子です。
そのK君に、Mさんが恋をしたんです。
ほっぺが桜色になってます。
Mさんが言うには、K君に告られたらどうしよう?
私に相談してきました。
これはMさんを変身させるチャンスかもしれません。
そこで、私。
ふ〜ん。それはありえないな。
だってMちゃんは、いつも死ねとかババアとかバカって
言ったり、ウロウロ歩き回って暴力ふるったりして
奇声を発してる。
そんな女の子を誰が好きになるかしら?
男の子はネ、乱暴な言葉使いする子を好きにならないよ。
おとなしくて、やさしい子が好きなんだよ。
お勉強も頑張ってやる子が好きだし、
おやつの時も、ウロウロ歩き回らないで
お行儀よく食べるのが良いし、
大声で叫んだりしないで、静かにしていられる子が
いいと思うよ。
そうすれば、Mちゃんはいい子だって、
思ってもらえるかもしれないね。
Mさんは、おとなしく話を聞いていました。
自分の行いについて、じっくり考えているようでした。
いまMさんは、もの静かな普通の女の子になりました。
愛の力はすごい!! 大変身です。
Mさんはお勉強は苦手でしたが、
私といつも世間話をするのが好きです。
話をして感じたのは、情報を取り入れる能力が
ほかの子どもよりも優れていることに気づきました。
だからできるだけ時間のある時は話をします。
Mさんは対等に話ができて、気持ちが楽になるのか
そのあとは落ち着いて行動できます。
いまは、K君のおかげで穏やかに過ごしています。