そして、その場面は先ほどお話したとおり、ご覧になる皆さんにそれらしく、そして綺麗にお見せしようと努力しているんです。ある人はピンクだとか、ロマンポルノだとか映画の中で何か特別のジャンル、つまり種類のように見たり、ごく一部の陰湿な人達のためのものだと言います。私はそう言う人には、敢えて反論も異論もしません。「でも生身の原悦子はどうなの?」と追いかけるように答えを求められます。その時には私は、はっきりお話します。女優としての原悦子と、私生活の原悦子とは違います。女優はドラマの展開の中では、どんな設定つまり、どんな辛い場面の設定でも、それがドラマの中で大事なものであれば、作り事を本当のようにお見せします。それは演技、つまり技術なんです。