リアルな演技だとか、その役の人物になりきっているとか、いろいろな表現で演技を分析、評論されますけど、つまりは蛙の鳴き声名人と同じことで、らしくお見せするテクニックに演技は過ぎないんです。短絡なことを言えば泥棒がそのまま映画に出演しても、泥棒のリアルな面が演じられるかといえば、それは違います。全く場違いな撮影というなかで嘘の泥棒をするんですから、できるわけはありません。またテレビや映画に、よく登場してくる刑事さん。今の警察の中で、あんな鳥打ち帽子にレインコート、よれよれのズボン、踵のすり減った黒靴など履いている本物の刑事さんがいますか?警視庁の暴力団取締り担当の若い刑事さんや、担当官などはテレビや映画の刑事さんと違って、バリッとしていますよ。