黒く塗れ。ペイントイットブラック | 労人社のブログ

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戦中日記(続労人社だより)230308号

「黒く塗れ。ペイントイットブラック!」

🌤1910年8月、桂太郎によって日韓併合が行われた報に、啄木は(地図の上朝鮮国に黒々と墨を塗りつつ秋風を聴く)とうたった。日露戦役で何らの戦利品も得られないことに不満を昂じた善良?な国民たちは嬉々として朝鮮半島を赤く塗りたくったが、啄木は黒く塗った。土地を、資産を、言葉を、名前さえも奪われた朝鮮国民に満腔の同情と日本帝国主義への怒りを表した。当時の世界地図では、ニホン領土を赤色で表示されていた。いまや赤=共産主義は、自公、官僚、日本会議らカルト政権がもっとも忌みきらう色だ。世の中は変わるものだ。

⛅️1910年は啄木の精神史には豊穣の年であった。これより先、父親の僧罷免から一家離散、生活難と病で啄木家の経済は行き詰まっていたのだが、日本の植民政策に苦しむ中国、朝鮮の人たちに寄り添う気持ちは薄かった。ビスマルク的英雄主義を信奉していた啄木は(民衆の力とその上に立つ偉大な指導者)の構図が気に入り、一方で底辺でうごめく弱い、無力な民をさげすむ差別意識が同居していた。時代意識としてである。

🌥1910年は、前の年に伊藤博文を銃殺した安重根の死刑ではじまる。ハレー彗星が時代の変化を予兆し、山縣、桂がでっち上げた大逆事件で幸徳秋水、管野すがら24人が検挙される。8月に日韓併合が強行され、こうした時代の流れの中で、啄木は(時代閉塞の現状)を書き、大逆事件についての事実経過をまとめ記録に残しはじめた。さらに、10月に誕生した長男がわずか20日で短い生をとじた。時代の変化とともに啄木の精神も1910年に大きく変貌する。いや、時代が文学の才を除き、何ひとつ生活力のない1人の男の考え方、哲学を変えてしまった。

🕸尹ソンョルが16日に来日して岸田と握手する。現在、韓国国内で(過激な労組、市民運動潰し)を最優先政策とする尹は、徴用工へ補償する基金の設立案を手土産=反日の封じ込め、にバイデンの代貸し権をどちらが獲得するかを競技する。アメリカに外交権を奪われた両国が、米日韓軍の鉄砲玉を競い、バイデンのご愛顧を得るために尻尾振りの芸を見せ合う。亡国への一歩を、売弁政治屋が会って話し合う。まぁ、尹は日韓合邦を画策した李氏のようなものだ。朝鮮国民の敵だ。

🌨韓国の右傾化はニホンのそれよりひどい。日本会議らが牛耳るニホンの場合、古く、保守的な家父長制(天皇制)を基底とする社会精神が折からの経済破綻、財政破綻から経済社会の表面にその差別的本質を顕在化させたものだ。非正規雇用、同性婚、女性の社会進出、障害者、人種差別らの解消が国際社会から勧告されながら、少しも改善されないのはニホンの社会精神ゆえである。

🌧対して、韓国の政治形態はいわゆる2大政党制で、大統領選の結果次第でその政策は大きく左右?に揺れる。外からみて、韓国の社会精神にいまだ儒教の影響が抜き難く残っているようには見えない。あるとすれば、北朝鮮の金王朝の中にであろう。韓国の政権交代ごとの政策のぶれは、戦争に直面せざるを得ない国家のゆえ。経済が相対的に順調な発展をたどる間は、戦争は国民意識から遠く離れる。日韓W杯の2002年あたりを経済のピーク?と捉えれば、再び停滞感を濃くしてきた。政治の春の風を楽しむ余裕がいまの韓国経済にはない。尹の登場。右傾化の理由がこれだ。

🌦ニホンに財政破綻か戦争しか選択肢が残されていない現在、アメリカではドルの基軸通貨放棄、白人大統領の落選、覇権国家の崩壊に直面している。国家に寄生して生計を立てる金利生活者ら不生産的労働者が多くなりすぎて、国民国家、民族国家が(富を生産する)ための国家機能を果たし得なくなった。民主主義であろうが、専横主義であろうが生産活動がスムーズに循環していれば、資本家も高リスクの戦争は回避するものだ。

🕷アダムスミスの三位一体説で、資本家-資本、土地所有者-地代、労働者-労賃と3大階級とその収入源を列記した。対して、マルクスは何言ってるの、(資本利子も地代も、労働の不払い賃金じゃないか)と言っただけだ。不生産的労働者の収入源は国家が強奪する税金、国家の借金しかない。でも、個人、法人を問わず国庫寄生者が増えれば支払いも不足する。基軸通貨ゆえドル紙幣を刷れば流通可能なアメリカの財政予算さえ、国内法で数度の執行制限を受けている。このドルを稼ぐためにはもう戦争で余剰労働者の数を減らすしか方法がない。1910年以降、ずっと続いていることだ。

🌩1966年、ストーンズのペイントイットブラックが世界的に大ヒットした。歌詞は難解で、よく分からないけど、アメリカがベトナム戦争への介入を強めていた折から、この歌は反戦歌の象徴として、世界中を黒く塗りまくったのだ。🎶赤い扉を見ると/黒く塗りつぶしたくなる/色なんてもういい/全部黒くしてしまいたい🎵啄木の時代閉塞の現状をストーンズはロックで歌って、大衆を動かし反戦に向かわせた。

🕸いま、時代は何度かの1910年を現出させた。人びとは貧しく、生活苦が増し、ばばぁ政治屋が言論規制を狙う、軍事費が増えれば贈収賄も増える。背番号制が国民を監視し、学者も金欲しさで兵器研究に進む。ミツビシがミサイルを飛ばす技術がないもんだから、中古のおもちゃの兵器を買い込む。六本木の米軍の命令で列島に基地ネットワークを作り、合同演習で危機を自己演出する。大政翼賛会が議場を独占し、法案が勅令(閣議決定)となる。すでに、世の中1910年。非戦論が非国民と見做される日まで、あとわずか。

🕷ペイントイットブラック!世の中を黒く塗れ!色は光を受けた色素が励起して、吸収しない光を色として認識する。黒色はすべての波長の光を受け入れて、ひとつの色に統合して黒くあらわれる。多様性を自然のものとしてそのまま(多様さ)として認識し、差別を認めない。歴史的には使命を終えたであろう民主主義?国家に代わる将来の生活共同体は、多様性、相補共生が確保された有機共同体となるだろう。黒はその基調色。啄木もストーンズもいないが、みんなで黒ヘルでも被って、国会にストーンでも投げてやろうか!「あほシンゾウを永久にゆるだないぞ」と叫びながら。