ヒトラーがそこにやってきた | 労人社のブログ

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戦中日記(続労人社だより)220207号

「ヒトラーがそこにやってきた」

😳書棚をきれいに整理した今、「あっ、死ぬ前に読んでおきたい」と思った本が西義之著『ヒトラーがそこにやってきた』。雑誌に連載された文章を本にまとめて、71年に刊行された本。ぼくは、手にしたことはないのだが、本の中身がである(クリーピングファシズム)という言葉は承知していた。そう、この本のテーマは(戦間期のドイツ)。

😱いま、戦間期のニホンでは、えらくヒトラーが人気だ。菅の指摘を待つまでもなく、ヒトラー好きの輩が政治の舞台にまで、墓場から這い出でだした。麻生太郎の(嘘つきはナチスの方法に学ぼう)が本音の嚆矢とすれば、あほシンゾウの薄ぼんやり顔にチョビ髭を付ければ復顔術になる。いたるところにヒトラーがいる。

😷西義之の言葉「私の関心は、大衆社会において忍び足で近よってくる全体主義を、果たして知覚できるであろうか?できたとして、それを阻止することができるのだろうか?」。菅の知覚はハシモトと維新の会にはっきりと全体主義の腐臭をとらえたための発言だろう。まともな知覚である。

💢れいわを除く全政党、会派が一致して(ウクライナ決議)とやらを決議した。「いかなる国であろうとも力による現状変更は許さない」との趣旨だが、次のロシア革命に干渉するためのシベリア出兵を想起させる。その傍証となるのが、沖縄軍港での海兵隊による訓練再開に反対する沖縄県民に、米兵が銃を向けている現状が報道もされず、国会が抗議しない現状である。

💤ニホンには戦争放棄を明記した9条を含む憲法があり、議会制民主主義がある、あるかな?はずだ、むかしはあった!ヒトラーは1日にしては成らず。しかも、始めは笑顔で近づいてくる。ナチ党員の若者は女性に人気があり、善良な庶民たちが腐敗堕落した政治の刷新を期待して支持し始めた。ポピュリズムの手法で、全体主義=資本擁護の方向に誘導する。維新の会が行っている手法そのものである。

😴たとえ、菅にハシモトがヒトラーに似ていると指摘されたとして、維新には痛くも痒くもない。むしろ、ハシモトの役割は、政治機能はゲッペルスのそれであり、プロパガンダを担当した。強いコンプレックスを基質に、他人を信頼せず、差別意識を高め、勉学を通じて権力に近づこうとする。菅は「ゲッペルスのようだ」と論じれは反論を受けることもなかった。

😢問題は、戦間期のドイツ、ニホン、にある。資本蓄積が順調に進み、賃金奴隷への分配が相対的に増えれば、国も戦争など企図しない。ウクライナ有事、台湾有事は投資先を見出せない資本が、庶民の犠牲を織り込んだ軍事市場を開拓しようとするものでしかない。そのためには、国民の意識を同じ方向に向ける必要がある。ハシモトは教誨師でもある。「欲しがりません、勝つまでは」「ススメ1億火の玉だ」。

💦どうして、不戦憲法を持つ、いまのニホンにヒトラーがやってきたのか?ソビエト崩壊を機に、新自由主義が資本の千年王国の到来を誤認し、あほのミクスが格差、差別社会を広げて、経済循環を滞らせた。一方に死んだ資本を溜め込み、他方に貧困を積み上げた。民主主義体制はすでに資本にとって障害でしかない。戦間期から戦争期に転移するために、全体主義的国家の確立が絶対条件となってきた。

😡なぜ、当時のニホンがシベリア出兵をしなければいけなかったのか?遅れてきた帝国主義国が生き延びるため、他国の利権を強奪するしかなかった。それが、皇軍がアジア侵略へのめり込み、あげく、アジア人民の抵抗と原爆の前に、無条件降伏する第一歩となった。共産党を含めたウクライナ決議で、米軍の派兵要求が強まる。沖縄軍港での訓練再開を容認する世論誘導の行く先は、クリーピングファシズムの定着である。ハシモト、維新の存在は、確実に(ヒトラーがそこにやってきた)ことをわれわれに教えようとしている。