nero-la-mera

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きおく



ゆめ



おはなし

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胸が痛い。

苦しくて息ができない。

たまに陥る発作のようなもの、幼い頃からたまにやってくる。

何かを考えすぎたのか、思考回路も途切れ途切れ、暗い闇を漂い彷徨いもがいても逃れられず溺れ苦しむ。

真っ暗な夢か現か、金縛りのように自分から動くことができない。

喉はからからに張り付いてうまく声をあげることもできず、ただぽろぽろと涙が落ちる。
するっと眠れてしまえば楽なのに、それかこれを振り払って完全に起きてしまうか。

どちらもできないから苦しい。

普段どうやって眠りにつくのか、はたまたどうやって目が覚めるのか。

すぐ隣にいるはずのあなたが見えない。

1人大きな渦に呑み込まれ囚われたような、そんな恐怖に怯える。

これを毎回どうやって逃れてきたのか、いつもいつもわからない。

今までこれと何百回と闘ってきたのは他でもないわたしのはずなのに。

指先まで硬直して動かない。

ぎゅっと目を瞑る。

大丈夫、大丈夫、いつか終わる。

ひどく痛む頭で呪文のように繰り返しその時を待つ。

何にでもいずれ来る終わりを待ち、静かに耐えるしかない。

そのうちふと終わりを迎え知らずに眠りにつき朝を迎えるまで。