2014年6月25日。日本代表の4年間の旅は無残に終わりを告げた。コロンビアに1-4の惨敗、更にグループリーグ未勝利。過去最高のメンバーと謳われ、W杯優勝を目標に掲げた日本代表、そしてそんな代表に期待を寄せた日本国民の夢は、一気に現実へと叩きつけられた。敗退の原因は多々あるだろう。技術面、身体面、精神面。今大会の日本代表は、すべての面で劣っていた。特に“精神面”、この点に関しての日本の未熟ぶりは、今回悪い意味で際立っていた。
では日本代表はどうするべきだったのか、どう戦うべきだったのか。それに関しては今どう語ろうが結果論に過ぎない。しかし“結果論”で意見させてもらえば、やはり今回の惨敗の一因にはザッケローニ監督の迷走があるだろう。もちろんザッケローニ監督がここまで日本代表を引っ張ってきた実績は認めるべきであり、日本人を海外に売り込んだパイプ役としての役割は日本サッカー界を前進させたのも間違いはない。だが本大会での采配に関しては疑問を呈さずにはいられない。
まず疑問であることは大久保嘉人の起用法だ。個人的には、結果的に大久保召集が今回の迷走の一つの要因にも感じる。もちろん大久保嘉人は現状の日本最高クラスのFWだ。決定力は大迫らと並びトップクラスであり、突破力もある。違いを作り出すことのできる選手だ。しかしその大久保を大会間際で緊急招集し、更にスタメンで使い続けるということは、明らかに“日本代表”にとってはプラスに働かなかっただろう。W杯というものは、4年間の集大成の大会だ。サプライズ召集が悪いとは言わない。しかしサプライズはサプライズであり、その選手がスタメンを張り続けるということはよほどのことがない限りするべきではない。ましてや日本代表は機能的なパスサッカーを信条としてきたはずだ。高次元での連携を目指していたチームに、4年間でたった1度しか召集されていない選手が入るというのは、それは難しい話だ。繰り返しになるが、これは大久保嘉人という選手が悪いわけではない。大久保を使うのであればもう少し限定的に、また使う気があるのであればもっと早い段階でチームに招集し、チームの水に慣らすべきだったはずだ。選手の調子ももちろんあるだろうが、ザッケローニ監督はもう少しこの4年間で育てたチームを信じて戦うべきだった。それで負けたのであればまだ今回よりは納得がいっていたはずだ。
試合中のザック采配にも少なからず疑問が残る。それの最たるものは間違いなく終盤のパワープレーだろう。日本にパワープレーのメンタリティが備わっていない点ももちろんだが、そもそも今回の日本代表メンバーは、パワープレーをやらないことを約束されたようなメンバーを招集している。多くのサポーターが言うように、仮にパワープレーを戦術の一部に組み込むのであれば、ハーフナー・マイクや豊田陽平、サプライズで闘莉王を呼んでも良かった。彼らを避け、今回齋藤学や大迫勇也、柿谷曜一郎を招集したのであれば、パワープレーなどすべきではない。ましてやギリシャディフェンスライン相手に、吉田麻也を前線に上げたからといって、競り勝てるとは私には思えない。とことん地上戦で勝負するべきであった。
また岡崎1トップ、本田1トップという戦術も私には理解できなかった。岡崎の1トップはクラブでこそ成功しているが、代表では成功した試合を見た記憶がない。岡崎1トップはマインツの戦術だからこそ機能しているが、日本のパスサッカーで成功することは現状難しい。代表で数度試したが成功しなかったからこそ、今までやってこなかったはずだ。本田1トップに関しても同様だ。本田の1トップに関しては、ザックジャパンになってから配置した記憶が薄い。そんな1トップよりも、間違いなく大迫、柿谷のどちらかを起用するべきだった。試合を見る限り2人の調子が極端に悪いとも思わない。
今回の日本代表惨敗の要因は数多く上げることが出来る。本田圭佑の不調、香川、岡崎のメンタル面の弱さ、ディフェンスラインの未熟さ、上げ続ければいくらでも上がる。そんな要因に、ザック采配も含まれることは紛れもない事実だ。実際にプレーするのは選手であるが、責任の多くは監督へと降り注ぐ。今回の日本代表は目標を高く設定していたがために、その反動で落胆も大きい。さらに今回の惨敗は、彼らのみではなく日本サッカー界にも小さくない影響が与えられるはずだ。今回の惨敗により日本の評価が下がったことは言うまでもなく、間違いなく海外移籍へのハードルは高くなった。“日本は、日本人は弱い”その偏見が生まれるだけで、間違いなく日本の若者たちの海外移籍への扉は狭まってしまった。この責任についても今回の日本代表には改めて感じてもらいたい。
今大会の日本代表の成績には、日本を応援していた立場からすれば落胆しか生まれない。しかしだからといって日本を応援しなくなるということはないだろう。今回の敗退、現実をしっかりと受け止め、2018年の日本の躍進を期待したい。