真 公開処刑 第六章 『追求』 | NEOS 

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官能・精神世界的小説 

辻谷からの接触

何か考えがあっての事だろう・・・


とても用心深い男、故、自分から懐に飛び込ませるような馬鹿な真似はする訳がない



本来であれば、数日間様子を見た後に辻谷に接触が理想のパターンだった

何故ならば「青山」が警察に捕獲され自白をするだろと考えたからだ


お上の動きが分からないで下手に動くのはある意味飛んで火に入る夏の虫


今までの感がそう感じさせてならなかった

だが、ここで辻谷の呼び出しに背くわけにはいかないのが本音だった・・・



黒田を呼び出し、万が一のプランを伝えることにした


それは自分が拉致られる可能性がある、若しくは殺される可能性があるからであった




相手は「辻谷」・・今までの雑魚とは少し違う・・・


金も権力も兵隊の数も全く違う・・・


用心して立ち向かわないと泥沼程度では済まない・・・





『黒ちゃん・・ワシにもしも・・・の事があるかも分からん・・・』


『マジですか?・・・行かない方がいいのでは?』


『そう言う訳にはいかへんねん・・・相手が相手やしな・・舐められたらとことん来よるでな・・・』


『自分も行きます!』


『いや・・残れ・・ワシに万が一があった場合 橋田、栗田、に連絡をしてくれ』


『分かりました・・・万が一ですか・・ありますかね・・・?』


『一度、殺されかけてるからな(笑)無きにしも有らずや・・』




青山が捕獲され恐らく情況は急展開すると睨んでいた・・・。


辻谷からの自分への矛先が厳しくなるのと公務(警察)の動きも激しくなる・・・


実際、青山の逮捕の事件はニュースなどでも報じられ業界では大事件として扱われていた



『取りあえず頼むな黒ちゃん、何かあったら連絡するわ』


『自分も行きたいです・・危険ですよ』



『まぁ・・男には渡らなあかん橋もあるやろ・・・なるようにしかならん・・』


『全てバレているんですかね?』



『分からん・・でも大丈夫ちゃうか・・それより辻谷が心配しているのは金と公務の事や』


『なるほど・・』


『まぁ・・そんな感じや』




辻谷に連絡を入れることにした



「プルルルル・・」



『おう・・哀川・・』


『社長・・お疲れ様です。明日関東入りますが宜しいですか?』


『何時や?』


『夕方くらいには・・』


『ほな、東京駅に着く時間分かったら連絡よこせ・・沢山・・話あるでな・・2,3日おれや・・』


『はい・・・そのつもりです・・』



電話切った・・・




『黒ちゃん、あのジジィ2,3日で解放してくれるらしいが・・どうか分からんわ』



『3日過ぎて連絡がないときは動きます』



『いや・・その時はお終いにしろ』



『嫌です』



『あのな・・辻谷はお前が思うほど簡単な相手じゃない、お前も殺られるで』


『いいですよ、本望です』



『そういうの今時・・・流行らんで(笑)』



『そうですね((笑)』



と黒田は言いつつも目は違う言葉を語っていた







翌日、京介は関東へと向う前に辻谷に連絡を入れた




東京駅到着、17時35分辻谷に報告



『もしもし・・哀川です』


『到着は何時や?』


『18時30分です』


『分かった迎え行かすわ・・』



早々と電話を切られた・・・



到着時間を一時間遅れで伝えたのには理由があった・・


予め、予防線を張るためと万が一の逃げ場の確保の為である。


辻谷が何かしらの下準備がされてないかチェックする為でもあった


逃げ場の確保はホテルではばれる可能性がある



東京在中の女に連絡をしてSEXしながら辻谷から隠れるのが良いであろうと考えた


問題は・・このインターバルの間に辻谷から連絡が入れば到着している事ががバレる可能性がある・・


携帯の応急用の電池を準備

また、数本ある携帯を全てサイレントにし気付かなかったフリでもするしかない



とにかく、こちらの下準備が終わらないうちは辻谷と連絡を取るのは具合が悪かった



辻谷は・・警察より疑い深く、感の鋭い男・・・


「まるで、執着心丸出しの彼女みたいな奴やな・・・クックック・・」



一抹の不安はかなりあったのが現状であった

今までに相手にしてきた青山、鈴木、畑中とは一味も二味も違う



「ジジィを何とか上手い事騙してSEXでもして帰れればマシやな(苦笑)」




新幹線に乗り関東入り17時35分・・・

駅内・・見た限りでは辻谷の手下達はまだ現れていない様子だった

女へ連絡を入れた



「プルルル・・」



『もしもし』



『久しぶりやのう・・哀川や』



『どうしたん?久しぶりやん!』



この女は関西で可愛がっていた女で水商売をしている女だった


関西から関東へ引っ越し、水商売を続けていた



女の名前は「奈美」



元々お嬢様で親の金で現在の暮らしをしながら適当に働いていると言うのが現状



『奈美、深夜か明日、連絡するから暫くの間・・泊めてくれんか?』


『えぇー(笑)』



『無理?』



『どうしようかな~(笑)』



『・・あっそう、ほんだら他にも宛があるからええわ』

『嘘、嘘、いいよ(笑)』



『実はな・・ちと面倒な事になってな・・あまり人目に付きたくないねん』



『何日位居るの?』



『分からん・・最低・・2,3日や・・・詳しくは行ってから話すわ』



『・・分かった・・』




「ピッ」




「さて、次は辻谷やな・・・」


東京駅で待っている最中辻谷が知る携帯の電源を切っていたため予め準備した


応急用の電池を出し携帯に装着し万が一の為の言い訳が通る様にだった


しかも交換した電池の電源は本当に電池が無い状態しておいた


辻谷は相手を信用しない、電池が切れていると言えば電池を確かめる様な男


予備の電池を装着し、空の電池を見せろと言う可能性があるのだ・・





数分後・・辻谷の配下が迎えが来た




定番の真っ黒のベンツ・・・2台・・



「どんだけやねん・・・あのおっさん・・こっちは一人やで・・」



辻谷はこういった見た目の威圧感をとても大事にする男だった



ベンツから数名が降りてきた 



『哀川さん、お久しぶりです・・辻谷社長がお待ちですのでどうぞ』



男はニタニタと笑っていた



「あかん・・・完全に舐められとるわ・・・」



『荷物をどうぞ』



京介の鞄に手をかけてきた



『やめや・・自分で持つがな・・』



『フンッ・・そうですか』



「バタン・・」



車に乗り込んだ・・・