参謀長の飼育日記 サンインコガタスジシマドジョウ繁殖編① 準備 の続き。
親の産卵準備は整いました。
問題はここからです。
自然産卵が最も高いハードルです。
●気温20℃以上
●水温20℃程度
になったら産卵床をセット。
越冬済みの個体が入った容器
ここに産卵床を入れます。
●産卵床は植木鉢に荒木田土を入れ、抽水植物やイネ科等の陸生植物を鉢に植える
●土は多めに入れた方がよい
●水面と鉢上部の距離が5㎝程度になるよう鉢を沈める
●水濁りの防止
植木鉢に荒木田土を入れた後、水を入れてかき混ぜる
ドロドロになった状態で一度天日干しすると鉢内の泥が固まり水濁りが緩和される
産卵床を入れた状態
処理したとはいえ、当然濁りますw
ここは気にしない。
フタをしてこのまま放置。
6月の初旬頃 大雨が降りました。
フタを伝って雨水が入り込んでいたので、これは産卵のトリガーになったのではないかと思い、翌日飼育容器をチェック。
産卵していました。
サンインコガタスジシマドジョウの卵
卵径 約1.8mm
●1回の産卵数は300個以上
●粘着性はない
表面に泥は付くが粘性で付着というより表面に泥を被っている
●卵は産卵床の荒木田土の土中、周囲の砂泥中、砂中とまんべんなくばら撒かれていた
表面というより僅かに浅い砂中に卵がある印象
●産卵時、容器内の水は泥で濁っており前日の雨により容器は満水状態だった
●卵を300個回収して孵化容器に移した
●卵膜は薄く、スポイトの入り口に詰まると潰れてしまった
産卵数が多く、管理しきれないので300個程度回収し2つの容器に分けて管理。
残りは親容器に放置し観察としました。
孵化容器 ①
屋外管理。
カルキを抜き弱めのエアレーション。
容器は半分砂泥・半分ベアタンク状態にして砂泥上に100個、ベアタンク上に100個卵を置いた。
孵化容器 ②
屋内管理。
プラケ中サイズに薄く砂を敷く。
カルキを抜き弱めのエアレーション。
水温は20℃で管理。
発生中の受精卵
受精率は良い。
カビたのは100個中数個。
底床による卵の生残率に違いはない。
3日後、卵は無事に孵化。
孵化
孵化日数3日
水温 屋内20℃
孵化仔魚 全長約3.5mm
孵化仔魚は基本底に横たわったり壁面に張り付いたりして、時々盛んに泳ぐ。既に眼球はある。
(余談)
屋内水槽でも偶然条件が整えば産卵します。
サンインコガタスジシマドジョウの卵
季節は10月。
雑居水槽から撮影用の30㎝水槽にペアを移したら翌日産卵していました。
水温、水質、底床、単独種飼育という環境の変化がきっかけで産んだと考えられます。
産卵は移動時の1回きりでその後産まず。
いわゆる「勝手に湧いた」というやつです。
再現性なし!
次は仔魚の育成です。
サンインコガタスジシマドジョウ繁殖編③ 仔魚の育成 へ続く。