「暑い! 水をくれー!」 俺はヨロケながらも何とか歩き続けていた。
暫く行くと大きな岩が地面から突きだし陰を作っていた。
その岩の日陰を求めて俺は歩いた。
乾いた風が吹く度に土埃(つちぼこり)が舞い上がり 目も鼻も口にもお構いなしに砂が侵入してくる、 だがそれを吐き出すだけの唾液(だえき)は残ってはいなかった。
激しい渇(かわ)きに喉(のど)も口も高熱を発し燃えるように痛い、俺は岩陰をめざした。
「あそこに行けば一息つける」
だがもう汗も出ない 干物のように乾上(ひあ)がった自分の姿を想像して俺は無理矢理笑った。
「なんて格好だ、ざまぁないね!」
「はぁっはは・・」 一人芝居のから笑いが虚(むな)しく響く。
「何故笑う?」 ですって。
笑って苦痛を誤魔化したかった。 「だが苦しい!」
あと少し、やっとの思いで辿着(たどりつ)き俺は岩陰に倒れ込んだ。
「ふぅーーぅ! 涼しいーーぃ!」 やっと辿り着いた。
倒れ込んだ目陰の地面はヒンヤリと冷たく感じられた。
「アゥーーーン しあわせ!」 俺は暫くその幸せに浸(ひだ)っていた。
疲れ果てていた そしてそのままウトウトしかけた、 とその時 風の音に紛れて懐(なつ)かしい音が聞こえてきた。
「ボットン・・・・・・・ポッチヤン・・・・・」
音のする方へ行ってみた。