「暑い! 水をくれー!」     俺はヨロケながらも何とか歩き続けていた。

暫く行くと大きな岩が地面から突きだし陰を作っていた。
その岩の日陰を求めて俺は歩いた。


 乾いた風が吹く度に土埃(つちぼこり)が舞い上がり 目も鼻も口にもお構いなしに砂が侵入してくる、 だがそれを吐き出すだけの唾液(だえき)は残ってはいなかった。


 激しい渇(かわ)きに喉(のど)も口も高熱を発し燃えるように痛い、俺は岩陰をめざした。
  「あそこに行けば一息つける」
だがもう汗も出ない 干物のように乾上(ひあ)がった自分の姿を想像して俺は無理矢理笑った。


 「なんて格好だ、ざまぁないね!」
  「はぁっはは・・」    一人芝居のから笑いが虚(むな)しく響く。
 「何故笑う?」  ですって。
笑って苦痛を誤魔化したかった。  「だが苦しい!」


 あと少し、やっとの思いで辿着(たどりつ)き俺は岩陰に倒れ込んだ。
  「ふぅーーぅ! 涼しいーーぃ!」    やっと辿り着いた。
倒れ込んだ目陰の地面はヒンヤリと冷たく感じられた。


  「アゥーーーン しあわせ!」     俺は暫くその幸せに浸(ひだ)っていた。
 疲れ果てていた そしてそのままウトウトしかけた、 とその時 風の音に紛れて懐(なつ)かしい音が聞こえてきた。

  「ボットン・・・・・・・ポッチヤン・・・・・」
音のする方へ行ってみた。




アーク オブ ドラゴン


                     [ 序 章 ]


                 愛   夢


[作品の趣旨]



 SFファンタジー&ファイナルストーリー



復活 それは世界の終焉、 魔王サタン それは闇!!



 魔界の闇が今 大きな口を開け この世を飲み込もうとしていた、だがそれに気付く者はいない、人々はただ忍び寄る闇に翻弄され 暗中を彷徨うのみ。  


 時を同じくして人類を救うべき使命をおびた少年たちが目ざめ始める、少年達は 闘いの中で超能力に目覚め強大な闇に戦いを挑んでゆく、その幾多の実戦(十戦)を通じて 戦士達は真のパワーとは何か 誠の生き方とは何か、真の勇気 真(まこと)の愛を覚醒する。


これは真実を掴み取るために成長を続けるネオチル達のファンタジー。



煌(きら)めく光は総ての闇を消しさり、 その終焉 それは輝く未来の始まりとなる。


奇跡を産み出す魔(真)界の仕組みを明かす。




『 あ ら す じ 』


西暦2113年、人類は過去百年に及ぶ平和な世界を謳歌していた、それは21世紀に現れたネオという超能力者が築き上げたモノでした。  ネオは核兵器を言む全ての武器弾薬を地球上から消し去る事に成功し 世界に平和をもたらします。



だが魔王サタン、封印されていたその魔力が今蘇ろうとしていた。
封印されている筈のその魔力、だがその絶大なる闇のオーラは世界が終焉を迎えた今 少しずつではあるが確実に広がり至り、現界に影響を及ぼし始めていた。



 そのオーラは闇を拡大し、人間界に紛れ込んだ魔界の下僕(しもべ)を覚醒し彼等にそのパワーを注入してゆく。
それにより目ざめた下僕達は平和な世界に戦いの種をまき 人々を煽動し、人類を混乱の極へと導いてゆく。



 尽きぬ争い、終わりなき戦い世界は益々混迷を深めてゆく。


 そして人類を救うべき宿命の元に生まれた十人の戦士達、しかし少年達はまだ幼くその使命に目覚めてはいなかった。



襲い来る混乱と恐怖、迫り来る闇の呪縛(じゅばく)、その荒波の中で成す術もなく過酷な運命に翻弄される幼い少年達、


 だが戦士達は容赦なく押し寄せる魔の手から 友を家族を自らを守る為に立ち上がり 闘いの渦中(かちゅう)に身を投じて行く。


 強大なサタンの魔力、そして果てしのない戦い!


 各所で繰り広げられる 超能力vs魔力の激しいバトル、少年達は死線を越えたその戦いの試練の中で超能力に目覚め、そして自らに醒め、闇と戦う術を身につけてゆく。


 それは 次元を越えたネオ空間への旅立ち、開かれた世界へ向かう不滅の翼。


 真の勇気とは、まことの愛とは。人間の真の姿とは何か、内に秘めたる無限の宇宙。

 この戦いの中で少年達はその内に眠る真実に気づき始める・・・・・・・。


 だが立ち塞がる絶大なる闇のパワー、 それを阻止できるのは宿命の戦士なのか、それとも救世主スメラか。

 最後に起きるどんでん返し。



 『アーク オブ ドラゴン』
                              〔 序  章 〕  


                 愛    夢  (あい  ゆめ)



 全(すべ)てを統(す)べて無に至り


     無(む)極(きわ)まりて総(すべ)ては生ず


 強烈な輝きだった、あるのは白 ただ白の界、

空無すべての色彩は無限の光波長を統(す)べて白(無色)と化していた。

そう クリアーな空(くう)。



 その白白(はくはく)の光波(ひかり)は総(すべ)てのモノを貫通し 真白(しんぱく)の眩(まばゆ)い輝きとなっ


て永遠(とわ)の時空を駆けぬける。

全存在(すべてのもの)はその光りの中に生まれ 命を祝福され その魂を明らかにす。


  ここから本編の始まりです。


アーク オブ ドラゴン

                      [ 序 章 ]


 ① [ 夢 と 現(うつつ) ]



「ヴァゴォーーーーン    ヴァウオォーーーーン」
「ヒューーン  ヒュン  ヒューン  ヒューーーーン」
「ドォガァォーーーン」   「ドォグゥゥゥゥーーーーーン」


 すさまじい爆音と、耳をつんざくホーンレーザーの炸裂音。
轟音と共にビルが崩れ落ち、吹き飛ばされた大量の土砂は川を埋め尽くし、赤黒い炎がキノコ雲となって空を覆っていた。
 そこはカダム対ウオルダー、未来戦争の真っただ中であった。



その烈しい爆撃は、昼も夜も途絶えることなく続いていた。
ここウオルダーの前戦都市であったピースタウンでの砲弾の炸裂が始まってもう一ケ月以上になる、 途絶えることのない爆撃は、ピースタウンの原型はおろか そこに街があったことすら確認不可能なまでに破壊していた。


 そこにあるのは、コンクリートのビルも粉みじんに吹き飛ばしてしまう 耳をつんざく衝撃波と、真っ赤な閃光と共に舞い上がるすさまじいキノコ雲と降りしきる灰、それと音もなく飛来し 全てを焼き尽くすサイレントビームの不気味な輝きだけであった。


 無機質な世界、乾いた高温の疾風とコンクリートの粉塵が地上の水分を限りなく吸い取ってゆく。


 そうそこには、攻撃を仕掛ける兵士はおろか、破壊された戦車の残骸や 撃墜された戦闘機の破片 変形したマシンガン、戦場に残されるであろうこれらの物すら目にすることは無かった。
それだけではない 逃げまどう人々の姿や、小動物の姿さえも見ることは出来なかった。


ただ破壊だけが繰り返される無人の戦場、この状況はピースタウン内だけに止まらず 近隣の街々を巻き込み 拡大し続けていた。
そこからは生命の気配が消え 人間の姿は何処にも見あたらなかった。


 人類は滅びてしまったのか・・・・・・・・?




 俺は、誰なのか、何故此処にいるのか。記憶を完全に失っていた、何も思い出せなかった。

 しかし 今自分が置かれている状況は身体が教えてくれた。


 喉は熟く渇き、頭は割れんばかりに痛い そして耳鳴りは最高潮に達していた。  傷だらけの身体、肋骨も二・三本折れていそうだ、太股には何かが食い込んでいた、最悪の状況だ。


 それに加え激しい爆撃は止むことがなかった、この場所に止まることは死以外の何ものでもない。


弱音を吐いていても仕方がない、この爆撃から逃れるために生きるために、痛みなど忘れていた、足を引きずり歩いた何かに引かれるように とにかく歩いた必死に歩いた。


 何時間歩いたのだろう 爆音は遠ざかり死の恐怖からは逃れたものの 行く手には殺伐とした荒野が広がっていた。


 太陽は真上から照りつけ行く手を遮っているように思えた、疲れと渇きそして灼熱地獄、もう立っているだけで精一杯だった。


だが俺は歩いていた、曲がったパイプを杖(つえ)にして寄り掛かり歩いていた ただ歩いた、前進しなければならなかった 俺の中で何かがそう駆り立てていた。