アイヌの人達とまとまった時間を過ごしたのは
二年前のことだった。
オリンピックの開会式でアイヌ舞踊が披露されるのに先立ち、
北海道釧路市にて「アイヌモシリ カムイモシリ」というアイヌ文化イベントが開催された。
アイヌ舞踊のステージはもちろん、民芸品や道具の展示とアイヌ刺繍やムックリの製作体験コーナーがあった。
その製作体験で、アイヌ刺繍やムックリの弁を削る指導の先生方と交流させて頂いた。
イベントは二日に渡り行なわれたので、私は初日にムックリ製作、二日目に刺繍に参加した。
それぞれ一時間の体験とのことだったが、私が不器用でモタモタしたために、
どちらのコーナーでも二時間近く居座ってしまった。
先生方はとっても温かく自然体な感じで、気取ったところが無くて、
発する雰囲気や口調など、今まで感じたことのないほどの安らぎを覚えた。
子供の頃から音楽や模様などエキゾチックなアイヌ文化に憧れ続けていたが、
実際に自分より年上のアイヌ民族の先生方と触れ合って、ますます尊敬し大好きになった。

だがしかし、その後にどうしたら、そういうアイヌ文化の先生に会えるのか分からずに・・・

とりあえず本などを読んでいたけれど、
最近本屋さんに並んでいる本は教科書っぽかったりして、私の抱いた気持ちのやり場が無くなってしまった。

ネットではアイヌ利権に対する批判もたまに見るので、私の少ない知識でブログなどに書いて間違ったりした場合、
アイヌ民族の人達に申し訳ないと思い、しばらく自分の中に封印した。

続く


その時に製作したアイヌ刺繍とムックリ